岸田光広の発言 (本会議)
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○岸田光広君 国民民主党の岸田光広です。
令和七年度補正予算について、国民民主党を代表して質問いたします。(拍手)
まず初めに、大分県佐賀関で発生した火災により被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。避難や生活再建に多大な御苦労を強いられていることと存じます。また、復旧活動や地域の安全確保に尽力された消防、自治体関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
さて、昨年十二月十一日に、自民、公明、国民の三党間で合意されたガソリンの暫定税率の廃止が今回の補正予算で実現することは、国民生活の負担軽減という点で極めて意義深い成果です。加えて、我が党が一貫して訴えてきた自賠責保険料の自動車安全特別会計への繰戻しが行われることとなりました。これにより、保険料を本来の目的である交通安全や事故被害者支援に活用することができるようになります。高市総理、片山財務大臣を始め、与野党の皆様、関係者の皆様の御尽力に対し、心より感謝申し上げます。
それでは、最初に、いわゆる年収の壁への対応について伺います。
三党合意に盛り込まれた基礎控除等を百七十八万円へ引き上げる措置は、国民民主党が、生存権の観点から、最低賃金の上昇に応じて控除額を引き上げるべきだと一貫して訴えてきたものです。
しかし、現行の非課税ラインは百六十万円にとどまり、しかも、所得階層ごとに細かく分かれ、最大限の恩恵を受けられるのは年収二百万円以下の五%のみという、極めて限定的な税制となっております。これでは、新たな壁をつくったに等しく、公平、中立、簡素という税制の原則からも大きく逸脱するのではないでしょうか。最低賃金に連動して控除額を百七十八万円へ引き上げることが働き控えの解消にもつながります。総理の御見解を伺います。
次に、補正予算の規模について伺います。
国民生活の下支えと将来への成長投資を両立させる、いわば守りと攻めの両立を目指すというのが高市内閣の経済対策の基本理念であると理解しております。一方で、理念が実現するかどうかは、政策の中身とその規模が実体経済にどれだけ効果を与え得るかに懸かっています。
そこで、お伺いします。今回の補正予算の規模は、現在の景気、物価、需給ギャップの状況を踏まえた上で、必要かつ十分な規模だと判断されたのか。すなわち、国民生活の負担軽減と成長力の強化を実現するために最適な規模として積算されたものなのか、総理の御認識を伺います。
次に、補正予算に対する金融市場の受け止めについて、片山大臣に伺います。
コロナ禍以降、補正予算が大規模化する傾向にある中で、市場では、国債残高の増加が長期金利の上昇リスクにつながり、企業の資金調達環境を不安定化させる可能性があるとの見方が広がっております。また、財政拡大により為替がより円安方向に振れれば、物価対策の実効性が薄れ、せっかく実現したガソリンの暫定税率の廃止による負担軽減効果が相殺されかねません。こうした金融市場の受け止めを政府としてどのように分析し、どのようにマーケットとコミュニケーションを取っていくのか、御所見を伺います。
次に、補正予算の考え方や基金について伺います。
今回の補正では、従来と比べても、基金への積み増しが相当規模で行われております。しかし、補正予算は本来、年度内に必要な緊急支出を迅速に実行するためのものであり、基金に積み立てる形で中長期的な支出を手当てすることが妥当なのか疑問が残ります。
そこで、お伺いします。基金として積む額は、年度内に実施される事業や支援の内容と照らして妥当であると考えられるのでしょうか。また、国民に分かりやすく示す観点から、予算措置の基準や考え方についても見解を伺います。
次に、外交、安全保障環境の変化への対応について伺います。
今回の補正では、防衛力整備計画対象経費や米軍再編事業に関わる経費が積み上げられていますが、これらの額はどのような根拠に基づき算定されたのでしょうか。GDP比二%水準を無理やり達成するための積み上げではないかとの懸念もあります。これらの点について、総理の判断や考え方の見解を伺います。
次に、重点支援地方交付金について伺います。
重点支援地方交付金は、地域の実情に応じた施策実施を目的としています。しかし、自治体ごとに財政力や行政能力の差があるため、交付金を計画どおりに使えるかどうかは不透明です。国は、地域間の格差を是正しつつ、政策効果を確実に上げるため、交付金の活用状況をモニタリングする仕組みを強化するべきではないでしょうか。地方の裁量を尊重しつつ、施策効果を確保する制度設計を求めますが、所見を伺います。
次に、再エネ賦課金について伺います。
電気代には固定価格買取り費用を賄う賦課金が上乗せされ、一般家庭では、二〇一二年の導入時には一か月当たり八十八円、一年当たり千五十六円だったのが、いつの間にか上がり続け、今年度では年約二万円の負担となっているとの試算もあります。補正予算には光熱費支援が盛り込まれていますが、そもそも、賦課金が電気料金に組み込まれ、自動的に徴収され続ける仕組み自体を見直すべきではないでしょうか。国民、事業者の負担軽減に向け、制度の再検討を求めますが、御見解を伺います。
次に、現役世代への支援について伺います。
少子化、人口減少が進む中、教育、子育てから、若者、就職氷河期世代まで、今を支える世代の負担軽減は国家の発展を維持する上で不可欠です。
国民民主党は、年少扶養控除の復活や若者減税など、現役世代を支える税制改革を提案してきました。とりわけ、障害児福祉の所得制限は直ちに廃止すべきと考えます。
こうした中、政府・与党が高校生の扶養控除を三十八万円から二十五万円へ縮小する方向で検討しているとの報道が先日ありました。この縮小分を、来年度から始まる高校無償化の財源に充てようとしているのではないかとの見方さえあります。
しかし、もし、教育支援を拡大するといいながら、同じ高校生を育てる家庭に増税という形で負担を求めるとするのであれば、政策として筋が通らないのではないでしょうか。加えて、最大五十八万円の扶養控除が認められる同居高齢者との制度上の整合性について、どのように説明されるのか。扶養控除は、憲法二十五条に基づく基礎的控除と考えます。確認のため、改めて総理の答弁を求めます。
次に、教育国債について伺います。
財政学では、将来世代にも便益が及ぶ長期的公共投資は国債等の債券で賄うことが理論的に適切とされています。教育、子育て、科学技術への支出は、まさに未来への投資であり、単年度予算では不十分です。人口減少下で、子供の教育負担を軽減し、将来の成長力を高めるためにも、教育国債を活用し、長期安定的にファイナンスする仕組みに改めるべきではないでしょうか。総理の御所見を伺います。
次に、消費税について伺います。
物価高騰が続く中、賃上げが追いつかず、生活も事業も厳しさを増しています。物価高騰対策として、安定的に二%の物価上昇が実現するまで、消費税を五%に引き下げるべきです。複数税率がインボイス導入を招き、企業の事務負担増や免税事業者の取引排除を引き起こしています。単一税率へ戻し、インボイスを廃止し、中小企業を守るためにも、消費税五%への引下げを断行すべきではありませんか。御見解をお伺いします。
次に、ハイパー償却税制、一括償却も含む加速償却について伺います。
給料が上がる経済を実現するには、民間投資を抜本的に後押しし、生産性向上と賃金の底上げにつながる強力な仕組みが不可欠です。特に、デジタル化、AI、量子、核融合など、国家が重点を置く戦略分野への設備投資を加速させる税制こそ必要です。高市総理が掲げる成長なくして財政健全化なしを具体化するためにも、本税制の導入を前向きに検討すべきです。改めて、ハイパー償却税制、一括償却も含む加速償却についての御所見を伺います。
次に、NISAについて伺います。
円安への警戒感が強まる中、金利差に加え、年間六兆円規模まで拡大したデジタル赤字が円安の要因であると言われています。さらに、NISA拡充後に、オルカンやS&P五〇〇など、外国株式を中心としたファンドへ個人資金が大量に流出していることも、円安要因の一つであると指摘されています。
企業収益や賃上げなど、日本経済にも明るい兆しが見え始め、今こそ国内投資を強化し、成長へつなげるべき局面です。高市政権の成長戦略を成功させるためにも、日本株や日本国債を対象とした国内投資枠をNISAに新設すべきではありませんか。御所見を伺います。
次に、暗号資産に関する税制について伺います。
ウェブ3や分散型技術は、世界的な産業競争の行方を左右する決定的な領域であり、日本として最優先で取り組むべき分野です。しかし、現行制度では、暗号資産の利益が雑所得として総合課税され、最高税率五五%が適用される仕組みが、国内の事業者、投資家の活動を著しく制約しています。
国民民主党は、一貫して、金融商品と同様の分離課税への見直しを求めてまいりました。国内ウェブ3産業の発展のため、抜本的な税制改革に踏み込むお考えをお伺いします。
最後に、自動車関連諸税について伺います。
今、自動車産業を取り巻く国際環境は極めて厳しく、総理もその深刻さを十分に認識されていると承知しています。米国のいわゆるトランプ関税により追加的な負担が生じている中、国内需要を力強く下支えする政策こそ必要であります。
しかし、現状では、自動車に九種類、約九兆円もの税が課され、重い負担が販売減少の一因となっています。車両価格の最大三%を課す環境性能割及び自動車重量税の暫定税率は、恒久的に廃止すべきです。継ぎはぎで積み上げられた制度を温存するのではなく、時代にふさわしい公正で合理的な税体系へと大胆に転換すべきではありませんか。総理の御所見を伺います。
今、日本は、三十年の経済停滞から抜け出せるかどうか、歴史の分水嶺に立っています。そのためにも、働き控えを生む税の壁を取り除くことが不可欠です。
国民民主党は、対決よりも解決の姿勢で、決して諦めません。年収の壁という関所を皆さんとともに越えてまいりたい。この国の底力を信じ、国家国民のための政治を共に進めましょう。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕