城守国斗の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(城守国斗君) 失礼いたします。
 ただいま御紹介賜りました日本医師会常任理事の城守国斗でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 当会からこの医療法等の一部を改正する法律案についてコメントをさせていただきますが、まずその前に、今回、現状、大変医療機関経営が厳しいという状況を踏まえまして、しっかりとした補正予算案を取りまとめていただきました高市総理及びその御支援、御尽力に賜りました関係各位に厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、当会からのコメントをさせていただきます。
 お手元の資料を御覧ください。一ページ目でございます。
 この今回の改正医療法に関する案件はこのテーマの二ポツから五ポツまででございますが、その前に、簡単にその医療機関の運営状況についてサマライズさせていただければと思います。
 まず、スライドの二ページを御覧ください。
 これは、令和五年度、六年度における病院、診療所の赤字割合をその経常収支の点から見たものでございまして、これに関しましてはMCDBのデータでございます。御覧のとおり、病院は特にこの赤字割合が令和六年度にかけて、下段、増加しておるということで、無床診療所、そして有床診療所も経営状況は悪化しているということが見て取れると思います。
 スライド三ページ、御覧ください。
 このスライドは、同様にこの二年度においての経常利益率を示したものでございます。これもMCDBのデータでございますが、これを御覧になっていただいても、特に病院におかれましては、この令和六年度、平均値を見ても中央値を見ても大変悲惨な状況になっているということが見て取れると思います。また、その隣の無床診療所においても、この平均値は五・五%となってございますが、実態を示すであろう中央値に至ってはやはり二・五%と、大変令和五年度から令和六年度に比べて、かけて厳しくなっているということが見て取れます。
 そして、スライドの四ページ、御覧ください。
 この病院に関しての近年の入院受療の推移についてのグラフでございますが、このグラフを御覧になってもお分かりのように、入院の受診の延べ日数、さらには病床利用率共に、大変近年この減少のトレンドが続いているということで、この傾向も病院の経営の悪化の一助になっているということでございます。
 スライドの五枚目を御覧ください。
 今回のこの改正医療法のまず一番目、新たな地域医療構想に関してでございますが、その前に、この日本の医療の良さというものをここに日本医師会としてまとめたものでございます。
 一ポツの国民皆保険、現物給付、さらにはフリーアクセスということで、いつでもどこでも最善の医療が受けられるということが、我が国の特徴はもう御案内のとおりでございます。
 そして、このような状況であったわけでございますが、下の大きな矢印のように、近年、この少子高齢化によって、人口変動、非常に人口が減少していくというフェーズに入ってございます。さらに、それに伴いまして、医療の需給の変化というものも大きくなってくると。これに対して、持続可能な公的医療保険ということと、地域における医療機能の分化、連携で対応していかなければならないというのが、この地域医療構想の大きな眼目であろうというふうに思います。
 スライドの六ページを御覧ください。
 この新たな地域医療構想に向けて、当会、日本医師会の考え方を示したスライドでございます。
 詳細は述べませんが、ポイントとしましては、ここにございますように、二つ目の丸にあります、いわゆる従来の病棟機能に加えて、医療機関機能というものを新たに取り入れたということであろうと思います。これは、複数の選択は可能ということになってございます。
 さらには、病床機能報告として従来からございました回復期、これを包括期へと見直しをしているという点でございます。
 さらには、下から三つ目の丸を御覧ください。このデータというものを、これまでそれぞれの時点においてのデータを基にした現状投影モデルということでその計画を策定をされていたということがございますが、このデータというもの、それぞれの医療の状況によって大きく変わってきますので、これは国勢調査なのか又は医療計画の見直しの時点なのか、いずれにいたしましても、この見直しを適宜行って新たな推計をすることによって、現状と大きな乖離がないような計画を策定をしていくということが重要になろうと思います。
 そして、この下の丸でございますが、下から二つ目、直近の実績を踏まえた見直し修正を医療計画においてしっかりと策定をしていただくと。そのためには、この医療機関の健全経営を担保するということは大前提ということでございます。
 改めて申しますが、この新たな地域医療構想、従来の病棟の機能、病床数の策定ということだけではなくて、今回は、外来、入院、そして在宅、さらには介護まで含めた地域包括ケアという概念で策定をされるものでございます。
 次、おめくりください。
 スライドの七ページは、包括期機能に関しての基本的な考え方を定義的に示した丸が一つ目でございます。またお読みいただければと思います。
 スライドの八ページを御覧ください。
 ここに記載してございますのは、この地域医療構想から、日本医師会では、特に地域医療介護構想と、先ほど申しましたように、介護もその守備範囲に入ってくるということでございますので、それを現実的にどういうふうな形で割り振りするかというある一定のモデルを示した図でございます。
 これは、一つの二次医療圏に関して複数の市町村がある場合にどのような案分をしていくのかということを示したものでございますが、これは、それぞれの地域における医療資源、介護資源、また地理的な状況等様々なものを含めて、その地域に合わせた形で策定をしていただくということが肝要であろうと思います。
 スライドの九を御覧ください。
 続きまして、この改正医療法のポイントでございます医師偏在でございます。
 この医師偏在に対しましては、日医の方で、この令和六年八月の二十一日にこのような形で一定の提言をさせていただいてございます。もう先生方御案内のとおり、この医師偏在というものは大変難しい問題をはらんでございますので、その特効薬がない、一つの手段で解決するようなものではないということで、幾つかここに一ポツから六ポツまで提案をさせていただき、これらをその地域において適宜適切に組み入れていただきながらこれを対応させていただくということを提案をさせていただいたわけでございます。
 この年、年末に、厚生労働省は、我々の考え方も参考にしていただきながら、いわゆる総合対策パッケージというものを策定をされたということは御案内のとおりでございます。
 スライドの十を御覧ください。
 もう一つのポイントでございますオンライン診療に関してでございます。
 これ、御案内のとおり、オンライン診療は、これまで医事法制上、その解釈運用として運用されてきたわけでございますが、これを新たに医療法に位置付けるということで、これによって様々なその分析、さらには規制等も強化できるということになります。ただし、御案内のとおり、人口が減少していくというこのフェーズにおいては、これらオンライン診療を適宜適切に使用していくということはこれからは必要になってまいります。
 ですので、日本医師会としても、特に医療アクセスが物理的に難しいという点、地域を中心にこれを進めていくべきであろうと思いますが、これを進めていくに当たっては、ここに書いてございますように、一ポツ、利便性、効率性のみを重視するのではなくて、まずは医学的な有効性、特に安全性をしっかりと担保した形で、そしてこの推進に資するということで考えを示したものでございます。
 このような考えの下に、このスライドの、大変小さな字で恐縮ですが、一番下御覧ください。今年の六月に公益的なオンライン診療を推進すると、こういう協議会を催しまして、ここにございますように、日本医師会を始めとする四師会、そして自治医大、日本郵便や郵便局長会様に参加をしていただいて、それぞれこのオンライン診療に関しての考え方、そしてその対応に関しての共有というものをしていただいて、それを取りまとめたのがこのスライドの十番ということになります。
 次、御覧ください。スライドの十一ですね。
 続きまして、医療DXの推進について御案内させていただきたいと思います。
 当会といたしましても、このDXのゴールというものは、あくまで患者さんや国民に対して安全で安心、質の高い医療を提供するとともに、現場の業務や費用に負担が掛からない、逆に軽減をしていくという、この両立をするということがゴールであろうということでございます。
 そのために、二つ目の大きな枠ですが、適切に進めるためには、やはり有効性と安全性を確認した上で利便性、効率性の実現を目指すということになります。このDXを進めるに当たっては、御案内のとおり、イニシャルコスト、ランニングコスト、非常に負担が掛かると、サイバーセキュリティーも対策も大変でございますので、国によるしっかりとした支援をお願いしたいということになります。
 また、このDXを進めるに当たっては、どうしても医療従事者、また患者さんサイドにおいてもなかなかこれに今対応できない方も実際にいらっしゃいますので、その辺りの方もしっかりと対応ができるように、混乱と支障がないような丁寧な進め方をお願いしたいと思います。
 スライドの十二を御覧ください。
 ここに御案内のスライドは、今年の四月から六月にかけて、紙カルテ、これは特例的に許可をされている診療所でございますが、紙カルテ利用をしている診療所に対しての今後の電子化に対しての対応の可能性についてアンケートをしたものでございます。
 この電子化されていない医療機関というものは推計で四万七千ほどあるというふうに言われておりますが、その四万七千にアンケートをして、回答としては、ここにありますように五千四百六十六件から回答をいただいてございます。
 これを見ていただきますと、その下の円グラフですね、五四%がこの導入がなかなかもう今後も難しいという結果が出てございます。これはなかなか現状としては、このDX、電子カルテを義務化していくという面においてはなかなかこれに対応できない、この人たちはどうなるのかということになると、恐らく診療をやめられるということになりますので、その地域を守っておられる先生方が少しでも引くことがないような形でその対応をお願いしたいと思います。
 最後、スライドの十三ページを御覧ください。
 この現状や今回の調査結果を受けてのDXに関しての考察とまとめが書いてございます。
 時間の関係上全て読みませんが、まず一つ目の矢羽根、全てのドクターが、現状ですね、しっかりと医療が継続できるということを大前提でお願いしたいということ。二つ目の矢羽根、そして、特に電子処方箋等、オンライン資格確認以外の様々なDXの施策というものの導入化というのは、先ほどのスライドにもお示ししましたように、完全義務化ということはやはり適切ではないというふうなこと。そして、三つ目の矢羽根に関してですけれども、特にそういう先生方には、二行目の後ろからですが、紙カルテのままでも導入できる医療情報を電子的に共有できる仕組みというものの提供も極めて有用ですよということでございます。
 病院におかれましても、特に、四つ目の矢羽根ですが、中小の要するに病院に関しましてはなかなかコストとそしてその労力の負担が大きいということで、ここの導入をいかにうまくするかということがポイントになろうと思います。そのためには国における大きな御支援をいただきたいということになります。
 一番最後の矢羽根にございますが、先ほども述べましたとおり、工程表に余り縛られるということじゃなくて、その現状をしっかりと認識していただきながら、地域の医療提供体制がひずみが出るということがないような形でその推進をお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。御清聴ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 城守国斗

speaker_id: 34124

日付: 2025-12-03

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会