上野賢一郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(上野賢一郎君) 小西洋之議員の御質問にお答えをいたします。
 経済対策及び補正予算についてお尋ねがありました。
 十一月二十八日に閣議決定した補正予算案に盛り込んだ医療・介護等支援パッケージのうち、医療分については、昨今の物価上昇に苦しむ医療機関等の経営の改善及び従業員の処遇改善につなげて報酬改定の効果を前倒しするため、約一兆円の規模を緊急的に措置する内容となっております。
 これは、診療に必要な経費に係る物価上昇への的確な対応や、物価を上回る賃上げの実現に対応する内容となっており、速やかに医療現場にお届けできるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 診療報酬改定の方針についてお尋ねがありました。
 診療報酬は、新たな治療方法、検査方法の開発などに伴い、これらを迅速に診療報酬へ収載する必要性と、現場への負担の考慮や改定による影響の検証を行う必要性とのバランスを取るため、原則二年に一度改定を行っています。
 診療報酬を物価や人件費の上昇に応じて毎年改定することについては、その時々の社会情勢、財源規模やその負担の在り方といった様々な観点から検討されるべき問題と考えており、当面、令和六年度改定の施行状況を踏まえ、令和八年度改定について適切に検討してまいります。
 なお、医療現場における物価、賃金等の上昇を踏まえて機動的な対応を行うことの重要性については認識を同じくしており、先週閣議決定された今年度補正予算案において、医療・介護等支援パッケージを緊急措置し、診療報酬改定の効果を前倒しして的確な対応等を行ってまいります。
 診療報酬改定のない年の薬価改定の見直しについてお尋ねがありました。
 薬価制度については、高齢化や高額薬剤の普及などにより医療費が増加をする中、国民皆保険の持続性を考慮し、市場実勢価格を適時適切に反映して国民負担を抑制することが必要ですが、同時に、革新的な新薬の開発力を強化していく要請などにも応えていくことが重要だと認識しています。
 診療報酬改定のない年の薬価改定も含めた薬価改定の在り方につきましては、骨太の方針を踏まえ、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保、国民負担の軽減といった要請についてバランスよく対応する中で、中央社会保険医療協議会において、関係業界の御意見も伺いながら丁寧に検討を進めてまいります。
 地域医療構想と医療計画の関係についてお尋ねがありました。
 今後、人口減少に伴い多くの地域で手術件数等の減少が見込まれるほか、医療従事者の確保が困難となる中、医療の質や持続可能な医療従事者の働き方を確保する観点から、急性期医療の拠点となる医療機関を地域ごとに確保するなど、医療機関の機能に着目した取組を進めることとしています。
 その中で、例えば五疾病のうち脳血管疾患やがんの治療の際には確保が困難となり得る麻酔科医等が共通して必要となる等、各疾病等の医療提供体制の確保に当たっては、地域全体の課題も踏まえた検討や取組が必要です。このため、本法案では、地域医療構想を医療計画の上位概念として位置付け、その実行計画として医療計画を定め、実効性の確保を図ってまいります。
 医療計画におけるロジックモデルの活用についてお尋ねがありました。
 ロジックモデルは、目標達成に向けた施策の結果と成果の関連性の明確化というメリットがあり、PDCAサイクルの実効性を確保する上で有効な方策であると考えております。第八次医療計画において、ロジックモデル等の活用を都道府県に促し、都道府県において効果的なPDCAサイクルが進められています。
 本法案においては、地域医療構想を医療計画の上位概念として位置付けられたことも踏まえ、令和十二年度から第九次医療計画に向けて、現在の取組状況も踏まえながら、ロジックモデル等のツールの活用も含め、実効性のある取組の在り方を検討してまいります。
 医療計画の策定を担う職員等の人材育成についてお尋ねがありました。
 地域医療構想や医療計画の策定に当たっては、国としても、都道府県の職員等を対象とした研修の実施や、大学の有識者等がデータや論点等について助言を行う体制を整備するなど、実効性を持って取組が進むよう支援してまいりました。
 新たな地域医療構想は、介護との連携等も新たに対象とするほか、市町村等の役割も明確化することとしています。これまで以上に都道府県の職員のスキルが求められる中、厚生労働大臣の責務として都道府県に対する必要な援助を行うこととしており、引き続き、都道府県における人材育成を含めた医療計画の策定等の支援を着実に進めてまいります。
 介護・障害福祉従事者の処遇改善についてお尋ねがありました。
 介護分野における処遇改善については、先般閣議決定された経済対策において、他職種と遜色のない処遇改善に向けて、令和八年度介護報酬改定において必要な対応を行うこととし、報酬改定の時期を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げ、職場環境改善の支援を行うとされたところです。また、障害福祉分野における処遇改善についても、介護分野における対応も踏まえつつ、その経営状況等を踏まえた賃上げ措置等の支援を行うとされたところです。
 これを踏まえ、今般の補正予算には、介護・障害福祉従事者に対して幅広く月一万円相当の賃上げ支援を実施するとともに、介護分野については、生産性向上、協働化に取り組む事業者の介護職員に対して月〇・五万円相当を上乗せし、あわせて、介護職員の職場環境改善を支援する事業を盛り込みました。
 この令和七年度補正予算に盛り込んだ事業や令和八年度報酬改定における対応と併せて、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行ってまいります。
 医師手当事業の規模、単価及び運用についてお尋ねがありました。
 医師手当の具体的な単価については、例えば、国家公務員の医師に支給される特地勤務手当やへき地の診療に関する補助などの制度等を参考に、一定の仮定を置いた試算では、年間の事業規模は約百億円前後と見込んでおり、こうした試算も参考に、具体的な単価について保険者等の御意見も伺いながら検討してまいります。
 その上で、この医師手当事業を含む医師偏在対策など今般の法改正による措置については、本法案の附則において、この法律の施行後五年を目途に施行の状況等を勘案し、必要に応じて検討を行うこととしており、今後も関係者の御意見も伺いながら本事業を運用してまいります。
 保険者機能の強化についてお尋ねがありました。
 健康寿命の延伸を図るとともに、皆が元気に活躍し、社会保障の担い手になっていただくという観点からも、保険者にその役割を果たしていただくことは大変重要であると考えています。
 現在、各保険者の予防、健康づくりの取組を評価し、それに応じて高齢者支援金の一定割合を加減算するインセンティブ措置を講じていますが、今後、医療DX等の取組を更に推進していくことで保険者の業務効率化を支援するとともに、データに基づく予防、健康づくりの取組が一層強化されるよう、環境整備を進めてまいります。
 外科医等の確保についてお尋ねがありました。
 外科医等の確保については、昨年末に策定した医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージに基づき、勤務環境の改善等の必要な環境づくり等の支援を行うとともに、診療報酬上の評価の在り方について中央社会保険医療協議会で議論してまいります。
 また、新たな地域医療構想における医療機関の連携、再編、集約化に関する取組は、地域全体の医療従事者の持続可能な働き方の確保にも資するものであると考えています。
 引き続き、外科医等の必要な医師の確保に向けた実効性の高い対策に取り組んでまいります。
 クラウドネイティブ型の電子カルテの意義、またその推進策についてお尋ねがありました。
 従来のオンプレミス型に比べ、クラウドネイティブ型の電子カルテは、インターネット上で提供される様々なサービスとつながりやすく、また複数の医療機関で共同利用することによるコスト削減が期待できるなど、様々なメリットがある仕組みであると承知をしています。
 このため、政府としては、クラウドネイティブ型の電子カルテへの移行を含む電子カルテの標準仕様を今年度中に策定することとしています。また、この標準仕様に即した電子カルテの普及に向けて、二〇二六年夏までに、支援方策を含め、具体的な電子カルテの普及計画を策定をしてまいります。
 病床の削減についてお尋ねがありました。
 高市総理が国会で答弁したように、日本維新の会、公明党、自民党の三党合意を踏まえ、人口減少等により不要となると推定される約十一万床の一般病床、療養病床、精神病床といった病床について、地域の実情を踏まえた調査を行った上で、二年後の新たな地域医療構想に向けて、不可逆的な措置を講じつつ、調査を踏まえて次の地域医療構想までに削減を図ることとしています。
 今般の補正予算案に盛り込んだ病床数適正化緊急支援事業においては、この約十一万床という数字も念頭に、必要な金額として約三千四百九十億円を計上させていただいたものですが、今後の地域医療提供体制への影響や医療機関の意向等も踏まえながら、実際の支給対象となる病床数が具体化されていくものと考えております。
 予防医療、予防施策の推進についてお尋ねがありました。
 健康寿命の延伸を図り、皆が元気に活躍し、社会保障の担い手になっていただけるよう取り組むことは重要であることから、がん検診の推進や歯科健診の充実等といった攻めの予防医療により一層取り組んでまいります。
 その上で、がん検診を始めとした検診の受診率向上や精密検査受診率向上等により、生涯にわたる医療費等の社会保障費を抑制することが可能かどうか定量的にはお示しすることは困難であると考えますが、例えば、生活習慣病の発症予防に対して一定の医療費削減効果が認められた特定健診、特定保健指導などについて、医療費適正化計画において目標を設定し、地域の関係者が協力して医療費の適正化に向けた取組を進めているところであります。(拍手)
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発言情報

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発言者: 上野賢一郎

speaker_id: 7580

日付: 2025-12-01

院: 参議院

会議名: 本会議