上野賢一郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(上野賢一郎君) 秋野公造議員の御質問にお答えをいたします。
医師偏在対策についてお尋ねがありました。
昨年末に策定をいたしました医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージでリカレント教育に取り組むこととしておりまして、これにより、医療団体が学会と協力して複数の研修等を提供し、医師のキャリアに応じた地域医療に必要な総合的な診療能力の習得を図ってまいります。
あわせて、増加が乏しい消化器等の外科医等の確保についても、必要な環境づくりや勤務環境改善等への支援を行うなど、診療科偏在への対策を講じてまいります。
在宅医療と重症化予防についてお尋ねがありました。
今後、医療と介護の複合ニーズを有する高齢者の増加が見込まれる中、住み慣れた地域で患者が生活できるような医療提供体制の整備が重要です。在宅医療においては、例えば訪問診療等により患者の症状の変化等を継続的に把握することで早期からの介入と治療につなげ、重症化予防、長期入院の回避等につなげることができると考えています。
本法案の成立後、医療計画等において在宅医療等に関する具体的な内容を定めながら、実効性のある取組を進めてまいります。
高齢者の食事の評価についてお尋ねがありました。
議員御指摘のとおり、高齢者の低栄養や筋肉量低下の予防は重要だと認識をしております。入院時の食事については、個々の患者の年齢、病状等に応じた栄養補給量を計算をして献立作成を行うこととしており、これは診療報酬上、入院時食事療養費として評価をしています。この際、疾患ごとに定める治療食以外の一般食は、科学的根拠に基づき、高齢者等の特性を踏まえ、性・年齢階級別に摂取量を定めた食事摂取基準を参照することとされています。
嚥下調整食については、普通食よりも食材費が高いことや、食事の見た目を改善し適切な栄養量を確保することにより、エネルギー摂取量の増加やADLの改善が認められた旨の報告があるものと承知をしております。
この評価につきましては、中央社会保険医療協議会において、関係者の御意見を踏まえつつ、検討を進めてまいります。
肺炎の予防についてお尋ねがありました。
肺炎は、我が国の死因の第五位であることから、重要な疾患であると認識をしております。先月十日に策定をいたしました急性呼吸器感染症に関する特定感染症予防指針には肺炎も対象として明記をしており、その主な原因となる細菌やウイルスによる感染症の予防のための基本的な感染症対策の推進や予防接種の実施等を行うこととしております。
指針を踏まえた結核・呼吸器感染症予防週間における普及啓発や、あるいは高齢者等における誤嚥性肺炎対策等を通じて、肺炎の予防につながる取組を着実に進めてまいります。
高齢者の新型コロナワクチンの接種費用についてのお尋ねがありました。
新型コロナについては、予防接種法上のB類疾病として、六十五歳以上の高齢者等の重症化リスクの高い方を対象に定期接種を実施をしております。新型コロナを含め、B類疾病に係る定期接種は、主に個人の発病又は重症化予防等の観点から行うものであることから、個人受益の観点からも、低所得者の方を除き自己負担をお願いをしているところです。
その上で、重症化リスクの高い八十歳以上の方を含め、接種対象者が接種を検討できるよう、適切な情報発信を行うことが重要だと考えており、引き続き周知広報に取り組んでまいります。
抗菌薬の重要性についてお尋ねがありました。
抗菌薬は、細菌を死滅させたり、増殖を抑えたりする効果を持つことから、細菌を原因とする肺炎に対して有効であると考えています。適切に抗菌薬を用いることで、感染症の治癒及び患者の予後改善に大きく寄与し、国民の生活を守ることにつながると考えております。
抗菌薬の国産化についてお尋ねがありました。
現在、抗菌薬のうちベータラクタム系抗菌薬を経済安全保障推進法に基づく特定重要物資として指定をし、その原薬の国内製造への支援を行っております。その際、国産原薬を用いることに伴うコスト増については、課題として指摘があることについては認識をしております。本年三月に開催された中医協でも議論が行われたところです。
引き続き、原薬の国産化が維持されるための環境整備に向けてしっかり検討をしてまいります。
なお、国産原薬の海外展開につきましては、既に安価な海外産原薬が流通しており、様々な課題があろうかと考えております。
薬剤耐性菌に対する抗菌薬の供給についてお尋ねがありました。
カルバペネム耐性菌に効果がある抗菌薬については、例えば国内企業が開発したものであればベータラクタム系に属する抗菌薬がありますが、これらベータラクタム系抗菌薬については、製薬企業が抗菌薬の製剤の備蓄を行う費用への補助等の取組を進めております。抗菌薬については、申し上げたような取組を通じて、その安定供給を図っていくこととしております。
医薬品の増産要請の対象品目について、不採算の解消等の対応についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、重要供給確保医薬品や感染症対策物資については、供給不安時においては、医療法や感染症法に基づき、その製造販売業者等に対し、増産等に関する指示等を行うことが可能となっております。
これらの法律においては、増産等に関する指示等の規定と合わせ、指示等の対象となった製造販売業者等に対し、必要な場合には、必要な財政上の措置等を講じることが可能である旨規定をされております。
これらの指示等については、企業の事業活動に一定の影響を与える可能性があるため、その実施に当たっては、個別の事案に応じ、事前に製造販売業者、製造業者等と十分に協議の上、対応について検討することとしております。
美容医療に用いる材料の安全対策についてお尋ねがありました。
美容医療については、健康被害を含む相談件数の増加等を踏まえ、安全に提供されるよう、本法案において美容医療を行う医療機関による定期的な報告、公表制度を創設することとしております。
美容医療に用いる材料の安全対策については、この制度の報告、公表の具体的な検討に当たってもこの点を考慮するとともに、あわせて、関係学会によるガイドラインの策定に当たっても対応を検討をしてまいります。
オンライン診療についてお尋ねがありました。
これからの医療提供体制については、高齢化に伴う医療ニーズの変化や人口減少を見据えたものとする必要があり、特にオンライン診療は、地域における医療アクセスの確保、利便性の向上、これらに資するため、法改正によりオンライン診療の適切な実施と推進を図るものです。
また、オンライン診療の対象については、対面診療と比べて得られる患者の情報が限定されることから、患者等との同意の下、医師が医学的な観点から実施の可否をその都度判断することとしているところであります。
重症化予防の推進についてお尋ねがありました。
議員御指摘のピロリ菌の除菌治療による胃がんの発症予防が医療費に与える影響の分析については、現在、専門家と試算の手法などについて相談を進めております。
こうした分析を含め、本年六月の三党合意に基づく生活習慣病の重症化予防とデータヘルスの推進の取組について、様々な関係者の御意見も伺いながら検討を進めてまいります。
以上です。(拍手)
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