上野賢一郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(上野賢一郎君) 松田学議員の御質問にお答えをいたします。
医療や健康を含めた社会システムの構築についてお尋ねがありました。
高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことのできるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を実現することが重要と考えています。
こうした中、地域医療構想は、地域包括ケアシステム実現に向けた一つの要素として、中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの変化に対応できるよう、質の高い効率的な医療提供体制の確保を目指しており、都道府県を中心としながら、市町村、医療・介護関係者等の連携の下で取組が着実に進むよう、国としても必要な支援を進めてまいります。
地域医療構想における予防医療やかかりつけ医の役割等についてお尋ねがありました。
新たな地域医療構想においては、外来医療等について、人口減少や高齢化等も踏まえた将来の提供体制の大きな方向性を定める中、それを踏まえた第九次医療計画において予防や早期発見等も含めた具体的な取組を進めてまいります。
また、地域医療構想において、外来、在宅も含めた医療提供体制の課題解決を目指す中、かかりつけ医機能を担う医師は、高齢者を中心に、身近な地域における日常的な外来・在宅医療の提供等において重要な役割と認識をしており、地域医療構想を通して、地域で必要なかかりつけ医機能の確保、強化など、外来・在宅医療の提供のための取組を進めてまいります。
新たな地域医療構想と地域コミュニティーについてお尋ねがありました。
新たな地域医療構想は、地域の医療提供体制全体の課題解決を図るものであり、高齢者の生活や社会参加等を主に議論するものではなく、今後増加する高齢者救急や在宅医療の受皿の整備等に向けて、地域の医療・介護関係者等が課題を共有しながら取組を進めるものです。
他方、人生の最後まで自分らしい暮らしを続けることができる地域包括ケアシステムの実現のためにも地域医療構想の取組は重要であると考えており、全ての地域、全ての世代の患者が適切に医療、介護を受けながら生活をし、必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができる体制の構築に取り組んでまいります。
総合診療医の育成についてお尋ねがありました。
複数の慢性疾患や医療と介護の複合ニーズを抱える高齢者の増加が見込まれる中、御指摘の総合的な診療能力を有し、幅広い視野を持った医師を確保することは重要と考えております。
医学教育においては、総合的に患者、生活者を診る医師を養成する観点から、臓器横断的な診療の実践に係る教育が推進されていると承知をしており、厚生労働省としても、幅広い疾病への対応等ができる総合診療医の養成の支援に取り組んでいます。
また、地域で日常的な診療等を行うかかりつけ医機能の制度整備と併せて、国民が受ける医療サービスの質の向上につなげてまいります。
高齢者に対する医療の考え方についてお尋ねがありました。
医療、介護の複合ニーズを抱える八十五歳以上が増加する二〇四〇年頃を見据え、新たな地域医療構想においては、入院医療だけではなく、外来・在宅医療、介護との連携も対象とすることとしています。
具体的には、在宅医療や介護との連携等について、例えば医療機関や介護施設等の間での情報共有を含む連携の推進など、在宅等において療養する患者を多職種により面で支える体制を構築すること等を想定しております。
全ての地域、全ての世代の患者が適切に医療、介護を受けながら生活し、必要に応じて入院し、生活に戻ることのできる医療提供体制の構築に向けて、地域住民の協力も得ながら、地域全体での取組を進めてまいります。
医療DXによる産業振興についてお尋ねがありました。
本法案により、保健医療データの二次利用が更に促進され、有効な治療法の確立や創薬などの医学の発展に寄与するとともに、医薬産業やヘルスケア産業の振興にも資するものだと考えております。
医療DXによる経済効果は試算はしておりませんが、医学の発展や産業振興などを通じた医療DXの取組の成果が国民に着実に行き渡るよう、引き続き取り組んでまいります。
医療DXにおける国産クラウドの利用についてお尋ねがありました。
医療DXに関連する各種システムについては、その利便性だけでなく、セキュリティーや災害時の対応等を十分に考慮しつつ、その設計を進めております。
一例として、今年度中に策定することとしている電子カルテの標準仕様において、物理的なサーバーを国内に複数設置することなどを要件として設定することなどを検討しています。
医療DX関連システムにおいては、国産のサービスか否かにかかわらず、安全に必要なサービスを提供できるかという観点を踏まえ、適切なシステム構築を進めてまいります。
医療DXがパンデミック時の対策に与える影響についてお尋ねがありました。
本法案により、全国の医療機関等において電子カルテの情報を共有、閲覧することができるようになります。
その上で、厚生労働大臣が電子カルテの情報等について調査研究を行う旨の規定も盛り込んでいますが、これは、感染症の発生を予防し、又はその蔓延を防止するとともに、患者に対する良質かつ適切な医療の確保に資するために位置付けているものです。本法案による医療DXの推進は、御懸念のような国民の監視や行動の自由の制限につながるものではないと考えております。
高齢者医療における現役世代の負担軽減についてお尋ねがありました。
社会保障制度を持続可能なものにしていくため、全ての世代で能力に応じて負担し支え合い、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障を構築することが重要です。
年齢によらず、能力に応じた負担を実現する観点から、十一月二十一日に閣議決定されました総合経済対策において、医療費の窓口負担について、年齢にかかわらず公平な応能負担を実現するための第一歩として、高齢者の窓口負担割合等に金融所得を反映するため、具体的な法制上の措置を令和七年度中に講じるとされており、これを踏まえ、高齢者の金融所得の勘案について検討を進めてまいります。
厚生労働省としては、引き続き、全世代型社会保障の構築に向けて丁寧に検討を進めてまいります。
以上です。(拍手)