浜野喜史の発言 (本会議)
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○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史です。
会派を代表し、令和七年度補正予算案に対し、賛成の立場から討論いたします。
予算案に賛成するのは、国民民主党が訴えてきた政策が反映されたからです。
我が党が公約で掲げ続けたガソリン暫定税率の廃止が実現し、予算案に反映されました。さらに、我が党の礒崎哲史、浜口誠両参議院議員が繰り返し求めてきた自賠責保険料の一括繰戻しが実現をいたしました。保険料を召し上げるというひどい対応が是正されることは当然のことではありますが、五千七百四十一億円の一般会計から自動車安全特別会計への一括繰戻しは評価できます。
加えて、国立大学法人などの運営を支える運営費交付金の増額についても評価します。文部科学省による人件費高騰などに対応するための四百二十一億円の補正計上は、国立大学法人化以降初めての措置です。政府が大学の教育研究機能を守ることに本気で取り組む姿勢の表れと理解をいたします。運営費交付金削減により、現場を疲弊させてきたことを明確に反省したものと敬意を表します。
以上、賛成した上で、問題提起をいたします。
補正後の令和七年度トータル予算は、補正後の令和六年度予算と比較して、税収については七・三兆円の増加となっております。一方、一般歳出と地方交付税交付金の合計は四・七兆円の増加にとどまっております。補正後の令和七年度予算は、前年度に比して、国民の側から見て実質的に二・六兆円の緊縮予算になっております。三十年余りの経済停滞を脱するためには、こうした緊縮的な姿勢は転換しなければなりません。
その上で、三点問題提起をいたします。
一点目は、年収の壁の引上げについてです。
本年十二月一日に施行された改正所得税法によって基礎控除は増額され、百三万円の壁は、ごく一部の人に限っては百六十万円の壁に引き上げられました。しかしながら、恒久的な基礎控除の引上げ十万円を除けば、納税者の九割以上は段階的な所得制限を前提とした不十分なものにとどまっております。
高市内閣は、需要と供給力双方を伸ばすことによって強い経済を実現するとしております。基礎控除と給与所得控除を百七十八万円まで引き上げるという国民民主党の主張は、消費を喚起するとともに、働き控えの減少による労働力の拡大を通じて供給力を増やそうとするものであり、高市内閣の求める強い経済の実現に大いに資するものであります。中間層も含め、更なる前向きな検討を求めます。
二点目は、経済停滞を脱却するため、官民を挙げて積極的に国内投資を拡大していかなければならないということです。
内閣府の調査によりますと、日本の企業の投資抑制による貯蓄超過が四半世紀にわたり継続しており、G7諸国の中でも日本の企業の貯蓄超過の一貫性は突出しております。
しかし、企業の姿勢だけを責めるのは不適切です。政府が三十年の経済停滞を打開できない中、守りの経営とならざるを得なかったことは理解できなくもありません。さらに、企業の自社株買いの自由化など、株主価値最大化の考え方に立った政策がこうした姿勢を促したことを反省しなければなりません。
国民民主党は、二倍程度を目安に、投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制の導入や、加速償却や即時償却の活用などにより、各企業が成長分野の国内投資を拡大することを強力に後押しすることを政府に求めております。高市内閣の求める強い供給構造実現に大いに資するものです。前向きに検討することを求めます。
三点目は、政府が財政健全化という目標を掲げ続けることが正しいのか、冷静に議論、検討いただきたいということです。
十一月十三日の本院予算委員会において、変動相場制の下、円という自国通貨建てで発行されている日本国債の債務不履行は考えられないのではないかとの問いに対して、片山財務大臣は、通常考えにくいと明言をされました。
さらに、現金通貨や預金通貨は、政府や民間に資金需要があり、それに応えて政府、日銀と銀行が創造し、供給されているのかとの問いに、植田日銀総裁は、家計や企業などの資金需要に応じて民間銀行が貸出しを実行することで同額の預金が発生し、信用創造が行われる、また、政府の資金需要に応じて民間の銀行が国債購入を実施すると、政府の財政支出が行われた段階で同様に、同額の預金が発生し、信用創造が行われる、ただし、資金に対する需要さえ存在すれば信用創造を無限、無制限に行えるというわけではない、民間の銀行は、投融資の採算性やリスクなどを考慮し、自らの目線に見合うかどうかを判断した上で貸出しや国債の購入を行っている点には留意が必要であると説明されました。
加えて、同じ問いに、片山財務大臣は、信用創造が行われるルートは日銀総裁のお答えのとおりですと説明されました。
以上の説明を踏まえると、次の考え方が成り立つのではないでしょうか。
政府に資金需要があれば、政府と日銀が銀行と適切に対話し、お金を創造できるので、積極的な財政支出を持続的に行うことが可能である。一方で、財政支出が過大になると、需要が供給力を大きく上回り、需要が引っ張る過度なインフレが起こり得るので、十分なる留意が必要である。しかし、積極的な財政支出により持続的に供給力を向上させていけば、需要が供給力を大きく上回ることを回避することが可能である。したがって、求めていくべきは、財政健全化ではなく、積極財政によって需要と供給力の双方をバランスよく伸ばしていくことである。
こうした考え方に立てば、減税や財政支出増のために増税や他の分野の切り詰めなどの財源探しが必要との考え方にとらわれることなく、現場から疲弊の声が届く医療、介護などの公定価格の引上げ、次世代を担う人づくりのための子育て、教育分野や、基礎研究を含む研究開発分野への支援の拡大、東アジアの安定を守るための安全保障分野の充実など、全ての分野に必要な対策を打つことが可能であるということです。
財政健全化をめぐっては様々な考え方があります。様々な考え方の有識者を集めて冷静な議論をし、その議論を国民に公開をしていただきたいと考えます。
以上、問題提起をして、賛成討論を終わります。(拍手)