馬場伸幸の発言 (憲法審査会)

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○馬場委員 日本維新の会の馬場伸幸です。
 昨年の十二月四日以来、約四か月ぶりに本審査会での実質審議を迎えました。解散・総選挙があったため、昨年の通常国会で最初の実質審議が行われた三月十三日から約一か月の遅れとなりましたが、本日、本審査会長の座が現行憲法の自主的改正を党是に掲げる自民党の手に戻り、自民党の委員の方々がこの第十八委員室を席巻されている風景を目にし、大変心強く存じます。
 日本維新の会は、野党当時、長らく会期中も開かずの扉状態だった審査会の定例日開催をほぼ軌道に乗せたほか、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置、自衛隊の明記、緊急事態条項創設の五項目の改正原案を公表し、緊急事態条項に関しては、国民民主党、有志の会とともに条文案を策定しました。加えて、昨年九月、戦後最悪とされる我が国をめぐる安全保障環境を鑑み、「提言 二十一世紀の国防構想と憲法改正」をまとめ、九条二項削除による集団的自衛権の全面容認、自衛権や国防軍の明記などを打ち出しました。
 昨年十月に結んだ自民党との連立合意書には、一、我が党の提言を踏まえ、九条改正に関する両党の条文起草協議会を設置すること、二、緊急事態条項に関する両党の条文起草協議会を設置し、令和八年度中に条文案の国会提出を目指すこと、三、可及的速やかに憲法審査会に条文起草委員会を常設すること、四、憲法改正の発議のために必要な制度を設計することを明記しました。既に両党の条文起草協議会が設置され、三回にわたり会議を持つなど、合意の実現に向けて鋭意議論を重ねています。
 このように、私たちはフロントランナーとして国会内外で憲法改正論議を牽引してきたと自負していますが、立法府の使命は自由討議なる堂々巡りをだらだらと続けることではありません。民主的プロセスによって速やかに衆参の憲法審査会の下に条文起草委員会を設置し、火急の項目の改正成案を得て憲法改正発議を行い、主権者たる国民に判断を仰ぐこと、つまり、国民に初めて、国民主権の発露である国民投票権を行使していただくことです。
 本審査会では、この四年間の大半を緊急事態条項の議論に費やしてきました。昨年の通常国会で、自民、維新、国民、公明、有志の五会派でおおむね方向性が一致し、幹事会での骨子案の提示に至りました。公明党が解散前に加わった中道改革連合の出方は分かりませんが、論点は出尽くしています。したがって、本審査会に条文起草委員会を速やかに設置し、残された課題である緊急政令の議論と併せ、その骨子案及び連立合意に基づき、我が党と自民党が本年度中に国会に提出する方向の条文案を土台に、憲法改正原案の作成に着手するべきであります。同じく喫緊の課題である九条改正をめぐる議論も加速させ、可及的速やかに条文起草委員会で憲法改正原案の作成を進めることも欠かせません。
 現下のイラン情勢をしっかりと受け止めてください。
 さきの日米首脳会談は成功裏に終わったと評価していますが、事実上封鎖されているホルムズ海峡通航の問題によって、日本が抱える課題が浮き彫りになりました。憲法を始め現行法体系の下では、護衛のための艦船派遣など、海外での自衛隊の活動がおぼつかないことです。
 そもそも、ホルムズ海峡をめぐる対応は、トランプ大統領に言われて考えたり行動したりする次元の問題ではありません。海峡封鎖は、エネルギーの大半を中東の石油資源に頼る日本にとって死活問題であります。最悪の事態を打開する方策は何かを論じ、備え、必要ならちゅうちょせず行動する、それが生存本能を持つ国家です。
 一部の野党、メディアから、憲法九条のおかげで自衛隊派遣を断れる旨の言説が喜々として発信されていますが、ざれごとにすぎません。普通の国において、軍隊の海外派遣は政治判断の問題ですが、日本では、法的根拠をめぐる神学論争に明け暮れ、国の生存を図る手だての議論が置き去りにされているのが常で、まさに本末転倒です。要因は、自衛隊を国際法上の軍とみなしながら、国内法上は警察と同じような扱いにしたままだからです。この矛盾に目をつぶっているため、政策決定はゆがみ続けています。
 憲法上の政府解釈で自衛隊の海外での武力行使を禁じている点も含め、自衛隊明記でも解決しない重大な憲法上の瑕疵があることは明白であり、自衛隊を名実共に軍に位置づけ、国際標準の海外での活動に憂いなく道を開く九条改正議論に真剣に取り組むべきであります。
 衆議院は、自民党が単独で憲法改正発議に必要な三分の二超の議席を確保しましたが、少数与党の参議院で多数派形成の道筋を描くのは容易ではありません。とはいえ、衆議院で改憲論議を最大限活性化させて、国会発議への歩みを前へ前へと進め、世論も動けば、周回遅れの参議院も重い腰を上げざるを得なくなると思います。
 日本維新の会は、引き続き、我が国の平和、国民の生命財産を守るために、一刻も早く国民投票が実現するよう、改憲論議をリードしていく覚悟であります。各会派の皆様にも協働を強く求め、私の発言を終わります。

発言情報

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発言者: 馬場伸幸

日付: 2026-04-09

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会