古川あおいの発言 (憲法審査会)
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○古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいです。本日、チームみらいとして初めて憲法審査会で発言の機会をいただきました。よろしくお願いいたします。
チームみらいは、衆議院議員十一名、参議院議員一名の少数会派でございます。憲法審査会において会派の大きさによらず各会派に平等の発言の機会が与えられていることに、まず感謝申し上げます。憲法は国民全体のものであり、憲法論議は数の論理によって進めるものではないというこの基本姿勢が新しい国会構成の下で初めて開かれる今国会の審査会においても引き続き尊重されることを望みます。
チームみらいは、昨年結党したばかりの若い政党として、こうした審議の在り方も含め、これまでの議論の蓄積に敬意を払いながら議論に貢献できればと考えております。
チームみらいは、我が国の憲法について、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という三大原理を揺るぎのない大前提として堅持した上で、時代の変化に合わせて憲法の在り方を検討することには前向きに捉える立場でございます。その上で、我が党から三点、重要だと考える点を申し上げます。
第一に、国民投票法の議論など、憲法改正の手続に関する論点と、個別条項の中身に関する論点を切り分けた上で議論を積み上げていくべきだという点です。
両者を混在させたまま議論を進めると、個別論点での立場の違いにより、手続整備の話も進まないという状況になりかねません。まずは論点ごとに合意できる部分から一つ一つ議論を積み上げていくことが建設的な議論につながると考えます。
こうした手続面の整備が重要である理由の一つは、現行憲法の想定を超えた事態が生じた際に、改正の中身の議論に集中できる環境を整えるためです。国民投票法においても検討すべき課題が残されていますが、憲法改正を行うか否かとは独立した議論としてプロセス上の課題を取り除いていくことが必要だと考えます。
例えば、新型コロナウイルス感染症拡大の下では、第二百八回国会において、憲法第五十六条第一項の「出席」にオンライン出席も含まれるかという論点が議論され、緊急事態が発生した場合等においては、機能に着目し、オンラインによる出席も含まれると解釈できるという見解が各会派の意見の大勢としてまとめられ、衆議院議長に報告されました。
このときは、緊急時のオンライン出席を認めるために憲法改正が必要であるという結論にはなりませんでしたが、今後、これまで想定できていなかったような事態が発生し、憲法改正が必要という合意に至る可能性はあり得ます。そのような場合に、国民投票における広告規制の在り方など、手続の整備から議論を始めることになれば迅速な対応は望めません。こうした理由からも手続面の整備を着実に進めることは重要だと考えております。
第二に、国民投票法の課題についてです。
国民投票は、主権者である国民が最高法規の在り方について直接意思を表明する場であり、全ての有権者が実質的に参加できる環境を整えることは正当性確保の前提条件ですが、この点、現在の国民投票法には課題があると考えております。
例えば在外投票です。国民投票法第六十二条により国民投票においても在外投票は可能とされていますが、在外選挙人名簿への登録には居住実績と手続のための期間が必要であること、在外公館での投票受付期間が短いこと、郵便投票では投票期日内に届かないリスクがある地域があるなど、投票の実効性が十分に担保されるとは言い難い状況があります。海外に滞在する日本国民にも国民投票に参加する権利があることは当然で、こうした現実的な障壁を一つ一つ丁寧に議論し、取り除いていく必要があると考えます。
また、国内の投票環境についても、自治体職員数の減少などを背景に、投票時間の繰上げや投票所数の減少といった問題が全国的に生じています。直近の衆議院議員選挙では、積雪等で投票所への来場が困難になった地域も実際に生じました。憲法改正の議論の対象では一票の格差のような問題が含まれる可能性もあり、まさに当事者である過疎地や離島の住民、そういった方々の投票のハードルが著しく高い状態で国民投票が実施されるとすれば、制度の正当性そのものに疑問が生じかねません。こうした課題の解消に向けては、テクノロジー活用の可能性も含めて議論を進めていくべきと考えます。
さらに、国民投票運動の情報環境について、令和三年改正法の附則に規定された広告放送、インターネット有料広告の制限や運動資金規制などの検討期限は既に過ぎております。加えて、AIによる偽情報、誤情報の生成と拡散は附則が設けられた時点と比べても急速に深刻化しており、最新の情報環境の変化を踏まえた議論を進めるべきだと考えます。
第三に、個別論点の議論と民意の把握についてです。
憲法改正の議論を進めるに当たり、国民の意見に耳を傾けることは大変重要なことだと考えております。しかし、憲法改正に賛成か反対かという問い方では国民の実質的な意思を正確に把握することは難しく、個々の改正項目ごとの是非、さらには、その改正の方向性についての民意を丁寧に確認することが本来は重要であると考えます。
この点、近年ではAIを活用したアンケートや熟議の手法が発展してきており、従来の世論調査よりも奥行きのある形で国民の意見を集約することが可能になってきています。議論の過程においてもこうした手法の活用を検討し得るのではないかと考えております。
また、この審査会における議論の過程と結論を国民にとって分かりやすい形でオープンに届けていくことが憲法論議の正当性を支える基盤になるのではないかとチームみらいとしては考えております。
以上でございます。