畑野君枝の発言 (憲法審査会)

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○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 私は前回、国会議員は、改憲の議論ではなく、憲法の原理原則を現実の政治に生かすための議論こそ行うべきだと主張いたしました。とりわけ今、憲法九条の精神に基づいた外交と政治が強く求められていると申し上げました。それは、戦争と平和が今鋭く問われているからです。
 アメリカとイスラエルによる無法なイラン攻撃で始まった戦争によって、イランでは、二百人以上の子供を含め、何の罪もない多くの民間人が犠牲になっています。戦争により世界中の石油市場が打撃を受け、日本でも、医療や建設の資材不足など、国民の命と暮らしが脅かされる事態になっています。戦争を終結させることが何よりも必要です。憲法九条を持つ日本政府は、そのための役割を果たすべきです。
 アメリカとイランは二週間の停戦に合意しましたが、イスラエルはレバノンへの攻撃を続け、アメリカはそれを容認しています。さらに、アメリカは、ホルムズ海峡の逆封鎖を始めました。日本政府は、両国が全ての攻撃を中止し、再び攻撃しないことを保証するよう、強く求めるべきです。アメリカとイランが外交交渉によって問題を解決するよう、働きかけを強めるべきです。それこそ、絶対に戦争を許してはならないという、憲法九条が求めていることです。
 ところが、日本政府は、国際法違反の先制攻撃を一切批判せず、攻撃の停止を求めていません。国際秩序を揺るがす暴挙を容認したのでは、戦争を止めることはできません。さらに、政府は、横須賀基地や沖縄などの在日米軍基地からの出撃を許しています。日本が無法な攻撃に加担するもので、極めて重大です。
 高市首相は、トランプ大統領との会談で、できることとできないことがあると述べていますが、その内容については何も説明していません。
 茂木外務大臣は、ホルムズ海峡の機雷掃海のために自衛隊を派遣する可能性に言及しています。国際法違反のアメリカの戦争を助けるために憲法が禁じる海外での武力行使を行おうというものであり、絶対に容認できません。
 戦争を止める上で、今回のイラン戦争で何が問題なのか、二つの点を述べておきたいと思います。
 まず何よりも重大なのは、今回のアメリカとイスラエルの攻撃が幾重にも国際法に違反するものだということです。これは絶対にゆるがせにできない問題です。
 アメリカとイスラエルは、イランとの核協議が継続中にもかかわらず、一方的にイランに対して大規模な攻撃を開始しました。国連憲章が禁止する先制攻撃にほかなりません。いかなる理由があろうとも、独立した主権国家の最高指導者を殺害するなど、絶対に許されることではありません。トランプ大統領は、公然とイランの体制の転覆を呼びかけました。まさに力による現状変更そのものです。
 アメリカとイスラエルは、軍事施設だけでなく、学校や病院など民間施設も攻撃しています。アメリカによる最初の攻撃で、女子小学校にトマホークが直撃し、百七十人以上もの子供と教師が犠牲になりました。その大多数は七歳から十二歳の少女たちです。トランプ大統領は、発電施設にも大規模な攻撃を行うとイランを脅し、一つの文明が滅びるとまで発言しました。
 こうしたアメリカの無法な攻撃に対して、国内外から批判の声が上がっています。アメリカの国際法学者百七十三人が四月二日に出した声明は、アメリカの攻撃が明確に国連憲章に違反し、戦争犯罪に当たる可能性があると述べ、トランプ大統領の発言を、国際人道法を軽視するものだと批判しています。
 第二に、アメリカによる国際法違反の攻撃は、世界の安全保障の土台を根底から踏みにじる点で重大です。
 これまで国際社会は、一九二〇年の国際連盟規約、一九二八年のパリ不戦条約を経て、一九四五年の国連憲章に至るまで、戦争違法化の努力を続けてきました。その背景にあるのは、二度の世界大戦を防ぐことができず、無差別攻撃によって多くの民間人を犠牲にしたという痛苦の教訓です。これは、戦後の国際秩序の根幹を成すものです。だからこそ、スペインやフランスなどNATO諸国からも、アメリカの攻撃は国際法の範囲外だという批判が起き、イタリアは米軍基地の使用の拒否をしているのです。こうした世界各国の動きに目を向けるべきです。日本政府の姿勢が厳しく問われていると思います。
 政治の最大の役割は、戦争を絶対に起こさないということです。軍事力の強化で平和をつくることはできません。戦争を許してはならないという憲法九条の精神に立って、争い事を話合いで解決するために知恵と力を尽くすことが必要だと申し上げて、発言を終わります。
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発言情報

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発言者: 畑野君枝

日付: 2026-04-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会