浅野哲の発言 (憲法審査会)

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○浅野委員 国民民主党の浅野哲です。
 今後の憲法審査会の議論の進め方について意見を申し述べます。
 まず、私たちが共通認識として持つべきものは、審査はそれ自体が目的ではないということです。憲法審査会は、日本国憲法及びこれに密接に関連する基本法制を調査し、憲法改正原案や憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するための機関です。したがって、当面の活動目的は明確です。第一に憲法改正原案の構築、第二に憲法改正手続環境の整備、この二つに絞って議論を前に進めるべきであります。
 第一に、まずは選挙困難事態における国会機能維持に論点を固定し、議論を着実に前進させるべきと考えます。
 大規模災害、感染症の蔓延、武力攻撃事態等により選挙が予定どおり実施できない場合にも国会機能をどう維持するのか、これはまさに憲法上の空白をどう埋めるかという問題であり、まずはこの一点に集中すべきです。論点を広げるより、まず一つ、原案の形が見えるところまで到達することが重要です。
 第二に、憲法改正手続環境の整備についてです。
 令和三年の国民投票法改正時には、施行後三年を目途として国民投票の公平及び公正を確保するための検討条項が追加されました。そこでは、広告放送及びインターネット等を利用する方法による有料広告の制限、国民投票運動等の資金に係る規制、そして国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策について検討し、必要な措置を講ずるとされています。これらについて、いつまでも検討中のままでよいはずがありません。精度の高いマイクロターゲティングや精巧な偽情報、AIを活用したエコーチェンバーの意図的な形成の容易化など、前回の改正当時には考えられなかったような手法が日々出現し、複雑化、高度化しています。この論点については早急に一定の方向性を定め、法改正に進むべきであります。
 また、ネットCM規制や資金規制についても対応策の具体化が必要です。今後の審査会では、この点にも正面から向き合う必要があります。
 本審査会の前身である衆議院憲法調査会は、平成十二年から十七年までの五年間に調査会六十九回、各小委員会六十二回、公聴会五回、地方公聴会九回を開催し、延べ百六名の参考人等から意見を聴取し、総開会時間は四百五十一時間五十五分に及びました。これに対し当審査会は、平成二十三年から昨年の二百十九回国会までで合計百六十七回開会され、参考人は四十名、総開会時間は二百二十時間二十一分です。憲法改正条文原案の構築や手続環境の整備という観点から見れば、なお議論の量も議論の密度も足りないと言わざるを得ません。だからこそ、私たち国民民主党は、より着実に成果を固めるための運用を求めたいと思います。
 先ほどの玉木委員からの発言のとおり、まずは、選挙困難事態における国会機能維持に係る条文案の検討に集中するため、自民党や日本維新の会以外の会派も加わった条文起草委員会を設置し、与野党共同で条文起草作業を進めるべきと考えます。
 ただし、本審査会の毎週木曜日とされている定例の審査枠だけでは検討の時間に限界があります。そこで、条文起草委員会をどのような形で設置するかという点についても具体的に考えるべき時期が来ていると思います。今後の審査会の中で条文起草委員会の在り方についても各会派の見解を示し、議論を前進させていくことを求めます。
 憲法審査会は、議論のための議論を繰り返す場ではありません。改正原案の構築と改正手続環境の整備、この二つを当面の目標として共有し、まずは選挙困難事態の論点固定、そして国民投票法の検討条項についての結論を急ぐ、このことを通じて当審査会の責務を果たしていくべきだと申し上げ、私の発言といたします。
 以上です。

発言情報

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発言者: 浅野哲

日付: 2026-04-16

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会