新藤義孝の発言 (憲法審査会)
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○新藤委員 自由民主党の新藤義孝であります。
ただいま衆議院法制局から、緊急事態条項に関するイメージ案についての説明を受けました。
連休前の幹事懇において衆議院法制局そして憲法審査会事務局に整理、作成を依頼をいたしましたけれども、連休中を含め精緻な作業をしていただいたことに、まず感謝を申し上げたいと思います。
本日は、このイメージ案で整理された中で、私とすれば、おおむね合意を得られるとみなせる、いわゆるピン留めされたと言える論点、そして、いまだに見解が分かれており更に議論を深めていくべきと思われる論点、これについて私なりの整理をさせていただきたいと思っています。
まず、一ページ目の1、衆議院議員総選挙の延期及び参議院の緊急集会の射程の明確化につきましては、その一の1において、解散から四十日以内に国政選挙の一体性が害されるほど広範な地域において衆議院議員の総選挙を実施することが困難な場合に総選挙延期の明文規定を置くとされています。この部分は特に異論はなく、ピン留めしてもよろしいのではないかな、このように思います。
次に、二の1におきまして、参議院の緊急集会の射程が明確に整理されたと思います。すなわち、総選挙が延期されて衆議院が不在となった場合に、一定の場合には、参議院の緊急集会の射程を拡大しつつ対応すること。他方、衆議院議員の不在が相当程度の長期間に及ぶときには、二院制国会の原則に基づいて、議員任期の特例の制度を用意しておくべきことが記載されております。参議院の権能を適用しつつ、適正なバランスを図る方策としてまとめられており、この点もピン留めしてよろしいのではないかな、このように思います。
次に、二ページの第一の二の1、内閣による選挙困難事態の認定であります。選挙延期の場合の要件である国政選挙の一体性が害されるほど広範な地域に加えて、適正な選挙実施が相当程度長期間にわたり困難であることが明らかであるとき、この二点をもって判断するのが適切と位置づけられました。この点もピン留めしてもよろしいのではないかな、このように思います。
この広範性要件と長期性要件の具体化に関しましては、今後の議論への問題提起として、私なりの考えを少し述べたいと思います。
まず、広範性要件でございますけれども、衆議院の小選挙区比例代表並立制を前提とすると、被災地域が複数の比例ブロックにまたがること、かつ、一つの比例ブロック内の過半の小選挙区において選挙実施が困難であることという二つの具体的な基準が考えられます。これを東日本大震災のケースに当てはめますと、被災地域は、東北ブロック、北関東ブロック、南関東ブロックといった複数のブロックにまたがっておりました。また、東北ブロックの全二十一選挙区のうち十一選挙区で選挙実施が延期されたことといった状況は、まさにこの基準に当てはまるのではないかな、このように思われます。南海トラフ巨大地震や首都直下地震の被害想定に照らしても同様と考えられ、これはかなり妥当な基準ではないのかな、このように思うわけであります。
また、長期性要件でございますけれども、五十四条一項に鑑みて七十日程度を基本としつつも、それを多少超えたとしても、総選挙の実施がある程度見通せるような場合には参議院の緊急集会で対応できるということは、これまで議論してきたとおりであります。
他方、これを大幅に超えて、相当程度長期間にわたり選挙実施が全く見通せない、いわば国難ともいうべき場合には、二院制国会の原則に基づきつつ、議員任期の延長特例の制度を備えこれを適用すると整理されたことにつきましては、これも非常に重要な部分でございますけれども、おおむねの理解が得られるのではないか、ピン留めしてもよいのではないのかな、このように思うわけであります。
この参議院の緊急集会と議員任期の延長特例とのすみ分けを図る長期性要件の具体化につきましては、これは引き続き議論を深めていかねばならない、このように思いますし、重要な論点だと思います。
次に、同じく二ページの第一の三の1、一回当たりの選挙困難事態の期間の上限が空欄となっておりますけれども、私としては、ある程度の長期性を考えたとしても、六か月程度が妥当ではないかと思います。今後、この期間をどの程度に設定するかは皆さんと議論をしていきたいと思います。
他方、2、選挙困難事態の期間の延長及びその場合の通算期間の上限につきましては、期間延長が必要なことは当然と思われますが、通算期間の上限については、その要否も含めて、今後更に議論を深めていく必要があると思います。
次に、第二の二の「議員任期の特例等」のうちの「2 任期が終了している議員の身分復活」についてであります。
まず、解散後や任期満了後に選挙困難事態が発生し、その事態認定のための国会承認を行うに当たっては、多くの人が知恵を出し合って、より慎重に判断する必要があると思います。ですから、そのために、選挙困難事態の認定に当たっては、現職の国会議員に加えて、前職の国会議員にも暫定的に身分復活を認め、この国会承認の議決に加わってもらうことが適切だと考えます。
その上で、選挙困難事態が国会承認により認定された後に、いよいよ、二院制国会の原則に基づいた国会活動を可能にする必要がございます。そのため、身分を失っていた前職の国会議員に、今度は本格的に身分を復活させて、国難対処のための国会活動に当たってもらうことが必須だと思います。
その意味におきまして、この第二の二の2の後段の、任期が終了していないものとみなされた衆議院議員、参議院議員は、選挙困難事態の認定の日に再び衆議院議員、参議院議員になったものとみなし議員任期の特例を適用するという記載は、非常に重要な整理であり、今後更に議論を深めたいと思います。
次に、三、「その他」に記載されている「国会の閉会及び衆議院解散の禁止」そして「2 憲法改正の禁止」につきましては、妥当な整理であり、これはピン留めされてもよいと思います。
三ページ目の3、オンライン国会でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の蔓延等が起こった際に、審査会として具体的な討論を行い、憲法審査会設置以来初めて議決を行いました。当時与党筆頭幹事として取りまとめに当たりました者としても、とても意義があったものだと思っております。
なお、オンライン国会につきましては、停電等による通信途絶への対応、セキュリティーの確保、そして議長の議事整理の在り方など、今後更に深めていかなければならない問題があるんだ、このことも指摘したいと思います。
最後に、緊急政令、緊急財政処分につきましては、様々な手を尽くして国会機能の維持を図った上で、それでも国会の会議を開くことができない、国会議員が参集することができないという究極の事態に陥ったときに備えて国家の機能を維持するための条項を設けることは必須と考えます。詳細は次の機会に申し上げたいと思います。
本日は、衆議院法制局からの説明を受けて各会派一巡の討議を行いますけれども、より多くの意見を得て更に議論を深めるためにも、来週の定例日にもう一度この緊急事態条項に関するイメージについての討議を行ってはどうかと提案をしたいと思います。詳細は筆頭間で協議をした上で各会派と御相談したいと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。