玉木雄一郎の発言 (憲法審査会)

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○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 まず、衆議院法制局の橘特別参与から冒頭御説明いただきました。本当に丁寧な御説明で、これまでの論点をきちんと整理していただいたことに心から感謝を申し上げたいと思いますし、是非、改憲派、護憲派関係なくこれは読み込んでいただきたいのと、メディアの皆さんにもまずよくこれを読んでいただいて、それに基づいた現状の報道をお願いしたいというふうに思います。
 その上で、国民民主党の考える緊急事態条項、とりわけ、選挙困難事態における選挙期日、議員任期の特例等に関する考え方を申し述べたいと思います。
 私が今から申し述べることは、時系列上にもありましたが、二年前の二〇二四年六月十三日の当憲法審査会において、当時の自民党の中谷筆頭幹事から五会派の意見を集約、代表する形で述べられたものと同じ内容です。それがまた昨年の六月にも当委員会に示されております。
 まず申し上げたいのは、五会派で合意した考え方を基に具体的な条文案作りに着手することが憲法改正に向けた最も現実的な進め方であることを、改めて強調したいと思います。
 まず私たちが対応しなければいけない課題は、大規模自然災害等、またこれらに匹敵する事態の発生によって国政選挙を適正に実施できない事態が起こり得るという現実に向き合うことです。二〇一一年の東日本大震災の際、自治体議員・首長選挙を最大八か月延期せざるを得なかった、その現実から私たちは目をそらしてはなりません。
 選挙困難事態において国会の機能を維持するためには、選挙困難事態の認定手続、選挙期日及び議員任期の特例を定める必要があります。
 まず第一に、認定の手続であります。
 この選挙困難事態の認定要件については、まず、選挙の一体性が害されるほど広範な地域において国政選挙の適正な実施が困難であること、先ほどもありました広範性の要件に加えて、七十日を超えて困難であることが明らかな場合、長期性の要件を実体的な要件として規定することが必要だと思います。我々も、七十日を超えてという具体的な期間を条文上にも入れるべきだという考えです。
 また、手続要件として、内閣による認定に加えて国会による事前承認を必要とし、その際には三分の二以上の特別多数を求めることで、内閣の一存だけで恣意的に認定できないよう厳格な歯止めを設けることとしています。認定する期間も、無制限ではなく、これは新藤幹事と同じですが、最長六か月とし、我々は、延長する場合には、国会承認を必要としつつ、通算で最大一年を限度としてはどうかと考えています。
 加えて、司法によるチェックの重要性も考慮し、司法の関与については、客観訴訟の制度を新設することで、選挙困難事態の認定の適否を司法の場でも争えるようにしております。
 第二に、選挙期日の特例です。
 選挙期日の延期は、選挙困難事態が認定された場合に認められる効果の一つでありますけれども、逆に、選挙困難事態が解消し次第、選挙困難事態の期間の経過前であっても、適正な選挙実施が可能と認められるに至ったときには速やかに実施すべきとしています。
 第三に、議員任期の特例等についてであります。
 議員任期の特例も、選挙困難事態が認定された場合に認められる効果の一つでありますが、具体的には、選挙期日の前日まで国会議員の任期を延長可能とし、また、解散や任期満了によって身分を失った議員については、その期間中は身分を復活させることとしております。
 さらに、選挙困難事態の期間中は国会の閉会や衆議院解散を禁止し、加えて、権力濫用を防ぐ観点から、憲法改正の発議も当然禁止するとしています。また、緊急事態を口実として内閣に権限が過度に集中することへの国民の懸念に応えるための方策が必要だと考えるからであります。
 また、参議院の緊急集会については、機能拡充を検討することとしております。具体的には、先ほど橘特別参与からもありましたけれども、解散のときだけではなくて、任期満了のときも緊急集会が開催できるように条文上明確にしたいと思います。また、衆議院選挙の実施が四十日を超えて七十日以内という場合にも、緊急集会を開催することでしっかりと隙間を明文上埋めたいと思います。
 次に、オンライン国会について申し上げます。
 新型コロナ感染症蔓延の際、本憲法審査会で、二〇二二年三月三日だと思いますが、憲法第五十六条第一項の「出席」の概念について取りまとめ、解釈によってオンラインによる出席も含まれると整理をいたしました。
 大規模自然災害や感染症の蔓延などにより議員が議場に参集することが困難な場合には、情報通信技術を活用して、オンラインによる出席を明確に条文上認めるということを明記することとしております。
 最後に、緊急政令について申し述べます。
 国民民主党は、先ほどの表にもありましたが、二〇二二年十二月にまとめた条文イメージ案で、国会による法律制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときには、あらかじめ法律で定めるところにより、内閣は法律で定める事項を定める政令を制定可能とする規定を創設することを提案いたしました。ただ、これは、現行憲法下でも可能なことを確認規定として明記したものであります。
 また、そもそも緊急政令は国会が機能しないことが前提ですけれども、これまで説明したとおり、議員任期の特例延長、緊急集会の機能の拡充、そしてオンライン国会を可能とする規定を設けた場合には、国会を開くことができず、法律が作れない場合は原則想定されないと思います。オンライン国会すら開けないときには、内閣による閣議の開催も難しいのではないでしょうか。
 正直なところ、当初、我々もこの緊急政令案を提案しましたけれども、先ほど申し上げた、二〇二四年の六月に五会派でまとめる際も、緊急政令については様々な意見があり、その取りまとめの中には入れなかった経緯がございます。もし、合意形成を急ぎ、総理がおっしゃるように来年の春の発議を目指すのであれば、この緊急政令の話はあえて蒸し返さない方が得策ではないかと考えます。
 以上、国民民主党の考えを申し述べましたけれども、来年の春の発議を目指すのであれば、積み上げのない新たな論点を追加するのではなく、二〇二四年六月の五会派の案をベースに条文案作りに着手することを求めたいと思います。
 追加のテーマとしていろいろ言われますが、通常時の臨時国会召集期限の明記も賛成でありますので、これも条文化を進めればいいと思いますし、参議院で議論が進む合区の解消もやればいいと思いますが、ただ、大事なのは、そろそろ、何を議論するかよりも、何を議論しないかを意識しないと、憲法改正がかえって遠のくことを危惧しておりますので、改憲を訴える先生方におかれましても是非その点を意識していただくことを最後にお願いして、国民民主党の発表とさせていただきます。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

日付: 2026-05-14

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会