稲田朋美の発言 (憲法審査会)
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○稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。
私からは、合区の問題点や、この問題に関する我が党の憲法改正案について申し上げます。
都道府県は、昭和五十八年の最高裁判決でも言及されているように、歴史的にも政治的、経済的、社会的にも独自の意義と実体を有し、政治的に一つのまとまりを有する単位として捉えられるものであり、都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出すべきとの考えは、有権者に根強いものがございます。
しかし、一票の格差を是正するために参議院選挙に合区が導入されたことで、対象県では様々な問題が生じています。
まず、有権者と国会議員の距離が遠くなってしまうことです。
投票価値の平等は、憲法の要請に基づく重要なものであり、当然、可能な限り追求すべきものです。しかし、都市部への人口集中や地方の過疎化が進む中、一票の格差を縮小しようとして導入された合区制度の下では、対象県において身近な議員を出すことが難しくなっております。候補者が隣の県のよく知らない人ということにもなりかねません。
さらに、新幹線のように県をまたぐような重大政治課題に関して隣接県同士で意見を異にするような場合、非常に深刻です。双方の声が国政に届かなくなってしまいます。選挙区の地域の課題や利害、地域の意見を離れての国政はあり得ません。
議員及び国民の認識として、議員が選挙区と結びついていること、有権者と結びついていることは民主主義の大前提であり、そのためにも議員と有権者のきずなが大切です。このことは衆議院においても同様だと思います。有権者にとって候補者がなじみのない人になってしまえば、選挙への関心も薄れてしまいかねず、実際、合区対象県において投票率の低下が指摘されております。
本日複数の委員から指摘された、五月二十九日に発表された令和七年国勢調査の速報値によれば、参議院の最大格差は、東京と私の地元福井県とでは約三・二倍と拡大をしております。
現在実施されている合区は隣の県同士の合区ですけれども、そういたしますと、半世紀にわたる県民悲願の問題について意見が異なる隣接県との合区、さらに飛び地の合区が誕生する可能性があることも指摘されていますが、そうなれば、地域の課題、悲願を理解していない、遠くのところの全然知らない人になってしまいかねません。一票の格差という数字だけでなく、政治家と有権者との距離や地域の一体性という定性的な要素も考慮することが重要です。
このような観点から、自民党は、一票の価値の平等と議会制民主主義の基礎となる地域の民意の反映のバランスを図るため、憲法の改正案を提案しております。
まず、四十七条を、人口を基本としつつも、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案する旨明記し、地域の民意を適切に反映する選挙制度が構築できるように改めることとしております。特に、参議院の選挙においては、都道府県を選挙区とする場合、改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙すべきものとすることができると規定し、合区を解消できるよう憲法上担保しております。
あわせて、九十二条において、基礎自治体、広域自治体を明記することで、地域の民意反映のエリアの基本的単位となる基礎自治体を憲法に位置づけるとともに、現行法において参議院の選挙区の単位となっている広域自治体をも憲法に位置づけております。
以上、参議院の合区解消のための憲法改正に関して申し上げました。
この問題に関しては、参議院において選挙制度の議論や憲法審査会における熱心な議論が行われていることを承知しております。私たちも引き続き本審査会でしっかりと議論を行っていく必要があると考えます。この問題に関し本審査会において集中的な討議を行うことを提案し、私の発言といたします。
ありがとうございました。