畑野君枝の発言 (憲法審査会)

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○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 本日のテーマに関連して、選挙制度の在り方について幾つか意見を述べます。
 日本国憲法の前文は、日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動しから始まり、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないよう決意し、主権者が国民であることを明記しています。
 民意を正確に反映した国会での徹底した議論を通じて国の進路を決めることこそ、国民主権における議会制民主主義の原則です。その根幹を成すのが選挙権です。したがって、選挙制度は、国民の多様な民意を正確に反映するものでなければならず、投票価値の平等を求める十四条や、国会議員が全国民の代表であるとする四十三条一項など、憲法の要請に基づくことは当然のことです。
 この観点から、三つの点を指摘しておきたいと思います。
 一つ目は、参議院選挙での合区の問題です。
 前回述べたように、合区は自民党の党利党略によって持ち込まれたものです。二〇〇九年の最高裁判決は、参議院選挙の一票の格差について、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、投票価値の平等が憲法上の要請であると指摘しました。さらに、二〇一二年に最高裁が再度出した判決は、二〇一〇年の参議院選挙を違憲状態とし、都道府県を参議院選挙の選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はないとして、再び、仕組み自体を見直すことを求めました。
 国会に問われていたのは、投票価値の格差是正のための選挙制度の抜本的な改革でした。ところが、自民党は、この最高裁の指摘に背を向け、二〇一五年に二つの合区を含む十増十減の改定案を突如提出し強行したのです。
 前回の審査会で、自民党の委員から、合区による弊害が表れているとの発言がありました。合区が地方の声を切り捨てることにつながるという批判は、当初から出されていたものです。私たちは、一部の県だけが対象となる合区制度は不公平だと指摘してまいりました。こうした反対意見を一顧だにせず、自民党は、衆議院、参議院を合わせても数時間の審議で制度を強行したのです。その責任をどう考えているのでしょうか。自らの責任を棚に上げて、合区の解消を理由に改憲を主張するなど、断じて認められません。
 参議院の選挙制度は、都道府県を選挙区の単位とするのをやめて、比例代表を中心とした制度に改革すべきです。
 二つ目に、衆議院選挙での小選挙区制度の問題です。
 小選挙区は、得票率と獲得議席に著しい乖離を生み出し、民意をゆがめるものです。一九九四年に小選挙区比例代表並立制が導入されて以降、一貫して、小選挙区において第一党は、四割台の得票率にもかかわらず、六割から八割もの議席を獲得してきました。議席に反映しない死に票は、各小選挙区の約半数にも上っています。まさに小選挙区の根本的欠陥が浮き彫りになっています。
 小選挙区制による民意をゆがめた虚構の多数の下で、自民党政権が安保法制を強行成立させ、敵基地攻撃能力を導入するなど、平和主義や立憲主義を破壊する政治を強行してきたことは極めて重大です。小選挙区制は廃止し、比例代表中心の選挙制度に抜本改革すべきです。
 三つ目に、与党が衆議院の比例定数の削減を推し進めようとしていることです。
 国会議員は多様な国民の声を正確に国会に反映させるための手段であり、そのためには一定の議員数が必要です。とりわけ、地方や女性などの意見を議席に反映することは、国会が行政監視の役割を果たすために不可欠です。
 しかし、国会議員の定数削減は、地方の議席を減らし、少数者の声を切り捨てることにつながります。議会制民主主義の土台を崩し、政権への反対意見や少数意見を封じ込めようというものにほかなりません。議会を形骸化させ、翼賛体制をつくるもので、断じて認められません。
 そもそも日本は、歴史的にも国際的にも、国会議員は極めて少ない水準になっています。日本の国会議員の総定数は、一九八〇年代には衆議院五百十二、参議院二百五十二でした。ところが、いわゆる政治改革以降、衆議院、参議院とも定数が削減され、現在では衆議院四百六十五、参議院二百四十八となっています。その結果、人口当たりの国会議員数はOECD加盟三十八か国中三十六番目と、最低水準となっています。国民の多様な意見を正確に反映させるためには極めて不十分です。
 今必要なのは、国民主権に基づき、民意を公正に反映する選挙制度へと抜本的に改革するための議論だということを指摘して、発言を終わります。
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発言情報

speech_id: 122104183X01220260709_014

発言者: 畑野君枝

日付: 2026-07-09

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会