浅野哲の発言 (憲法審査会)

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○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
 本審査会では、この国会会期中、選挙困難事態における国会機能の維持、すなわち議員任期延長をめぐる議論、憲法九条をめぐる議論、そして本日のテーマであります参議院選挙の合区の問題と、論点を絞りつつ議論を深めてまいりました。これらを振り返り、私からは、今後更に議論を深めるべき三つの論点を提示したいと思います。
 第一に、選挙困難事態における国会機能維持の条文案の起草であります。
 本年、衆議院法制局から示されたイメージ案は、大規模な自然災害、感染症の蔓延、内乱、外部からの武力攻撃など五つの類型を挙げ、認定期間中は次の選挙期日の前日まで議員任期を延長するという具体的な骨格を示しました。また、賛否が分かれた点として緊急政令や緊急財政処分が挙げられますが、その分、議論を深めるべき論点の所在は相当明らかになったと考えます。次は、抽象論、機能論から具体的な条文起草へと歩みを進めるべきであります。是非、論点の拡散を防ぎつつ、当審査会における審査スケジュールを明確にすべきと考えます。
 第二に、本日の主題である合区の問題です。
 参議院側では、本年四月、参院改革協議会が合区解消の具体策を検討する専門委員会の設置を決めました。もっとも、その解決策としては、憲法改正が必要とする立場と公職選挙法の改正で対応可能とする立場とが併存しています。
 他方、昨年の参議院選挙では、一票の格差をめぐり、違憲状態との高裁判決が相次ぎました。本日、我が党の飯泉委員の発言にもあったように、投票価値の平等と都道府県という地域代表制の確保、この二つの要請の調整は、純粋な法律論だけでは決着せず、まさに政治判断を要します。であればこそ、両院協議会を始めとする衆参両院の意思疎通の場を設け、議論を前進させる環境を整えることを提案いたします。次の参議院選挙は二〇二八年、時間は限られています。
 第三に、国民投票法改正と、広報協議会の規程、そしてインターネット広告規制の具体的イメージの作成です。
 去る六月十八日、投票環境を整える三項目の改正案は衆議院の憲法審査会で可決され、現在、参議院憲法審査会でも質疑が始まっております。しかし、二〇二一年改正の附則が三年をめどに措置をするとした宿題、すなわち、CM、ネット広告、運動資金の規制は今なお手つかずのままであります。
 ここでは、客観的な海外事例に基づき申し上げます。
 EUは、政治広告透明化規則を制定し、昨年十月から全面適用しています。費用を誰が負担したのかの表示義務、投票日前三か月間の外国資金による広告の禁止、七年間の記録保存、そして違反には全世界売上高の最大六%という制裁金を定めました。
 一方で、その定義の広さゆえに、メタやグーグルなどはEU域内での政治広告の取扱いから撤退をしています。規制が過度に広ければ有権者の正当な情報アクセスまで失われる、これが教訓だと思います。
 他方、英国、EU、ドイツの調査で共通していた原則は、国家はコンテンツの真偽に直接介入しないというものでありました。
 この原則を踏まえ、透明性の確保を軸に据えた上で、広報協議会にプレバンキング、すなわち予測される偽情報への事前の備えの機能を持たせること、そして民間のファクトチェック機関に独立性を担保した公的支援を行うこと、この具体的イメージを本審査会で作り上げることを提案してきました。
 以上三つの論点はいずれも、法律論を超えた政治判断と衆参、与野党の合意形成を必要とします。また、現時点において、その実現可能性が十分に見込める論点でもあると言えます。会長そして各会派の皆様には、これらのテーマについて、限られた期間の中で具体的な成果を出すための十分かつ円滑な議論の機会を設けていただくことを求め、発言を終わります。
 以上です。

発言情報

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発言者: 浅野哲

日付: 2026-07-09

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会