小原成朗の発言 (地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○小原参考人 御指名をいただきました連合の小原でございます。
 本日は、このような場で連合の意見を表明する機会をいただき、感謝申し上げます。
 連合は、働くことを軸とする安心社会の実現を目指した取組を推進しております。本日は、働く者、生活者の立場から意見を申し上げます。
 AIやIoTを始めとするデジタル技術は、産業構造変革への対応並びに労働力不足の解消に向け、その利活用を積極的に支援する必要がございます。また、マイナンバー制度は、公正公平な税、社会保障や行政の効率化、国民の利便性向上を実現するための基盤であり、ただ、その大前提としては、プライバシーを始めとする個人の権利利益の保護が不可欠であると考えてございます。
 本委員会の審議対象である、情報通信技術を活用した行政の推進などに関する法律及び情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案においても、個人情報については個人情報の保護に関する法律に従うものとして理解してございますので、今回は、個人情報の保護に関する法律などの一部を改正する法律案に絞り、三点意見を申し述べます。
 配付資料は、改正内容に対する連合の意見や参考情報などをまとめたものですので、適宜御参照いただければというふうに思います。
 個人情報に関する統計等の作成について、一点目でございます。資料は一ページ目でございます。
 まず、改正法案において、統計作成等は、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして個人情報保護委員会規則で定めるとされています。
 この統計作成等は、個人情報保護委員会の資料において、先ほどもありましたけれども、統計作成等であると整理できるAI開発等を含むとされていると承知していますが、開発されたAIが統計作成等であると整理されるには、国民の感覚でいえば、そのAIにより特定の個人の情報を推測、復元できないことが必要条件であると考えます。
 そのため、統計作成等にAI開発を含むのであれば、特定の個人の情報を推測、復元できないことが要件であるということを、仮名加工情報や匿名加工情報と同様に、法で明確に定めるべきと考えます。
 次に、改正法により、統計作成等を目的とする場合の特例を設け、本人同意を得ずに個人情報取扱事業者が個人情報、個人関連情報を取得できるようにするのであれば、法違反を問わず、利用停止、消去の請求を可能とすべきです。また、その際、一個人が全ての個人情報取扱事業者や行政機関の長などが公表した事項を把握することは困難ですので、例えば、公表に当たり個人情報保護委員会などへの届出を義務化し、個人情報保護委員会のホームページなどを確認すれば把握できるような仕組みの構築も必要と考えます。
 資料は二ページに入ります。
 AIが学習した個人情報の個人を特定できたり、個人情報を復元できたりするリスクを否定できず、先ほどもございましたけれども、否定できない、仮名加工情報ですら危険との指摘がございます。AI開発の現場では、先ほども御紹介いただきましたけれども、プライバシーを保護しながら学習させる技術が使用されていると承知してございます。
 そのような中、AI開発が含まれる統計作成等を行う目的で、個人情報をそのまま取得、提供できるようにすることには問題があると考えます。個人情報取扱事業者が統計作成等を行う目的で本人の同意を得ずに取得、提供できる個人情報は、これも先ほどもございましたけれども、EU一般データ保護規則を参考に、特定の個人を識別できないよう仮名化すべきと考えます。
 また、行政に対する国民の信頼を確保するために、行政機関等が提供する個人情報は匿名化すべきと考えます。
 あわせて、統計作成等を行う目的で取得した個人情報並びに作成したAIの利用についても、厳格な規制が必要と考えます。
 今回の法改正によって、個人情報取扱事業者が本人の同意を得て自ら取得した個人情報だけでなく、他の個人情報取扱事業者などが取得した個人情報や個人関連情報を大量に取得してAI開発を行うことで個人の権利利益が侵害されるおそれが格段に高まる懸念があります。
 そのため、個人情報や個人関連情報による個人の特定や分析を禁止するとともに、これも先ほどありましたけれども、EUのAI規則を参考に、個人やグループの社会的、経済的脆弱性などにつけ込むことや、評価や分類を目的とすることなどを禁止される行為として厳格に規制すべきと考えます。
 二点目は、十六歳未満の者が本人である場合の同意取得などについてです。資料は五ページに入っています。
 改正法は、十六歳未満の者が本人である場合、個人データの利用停止などの請求の要件緩和や同意取得、通知などについて本人の法定代理人とすることを明文化するとともに、未成年者の個人情報などの取扱いなどについて、本人の最善の利益を優先して考慮すべきとしています。しかし、民法は、十八歳をもって成年とし、未成年と成年を明確に区別して未成年を保護しておりますので、利用停止請求の要件緩和などは、十六歳未満ではなく、未成年が本人である場合にすべきと考えます。
 最後に、相当の理由などの明確化についてでございます。資料は七ページでございます。
 改正法案は、人の生命などの保護のために必要がある場合及び公衆衛生の向上などのために特に必要がある場合は、本人の同意を得ることが困難であるときに加え、本人の同意を得ないことについて相当な理由があるときは、本人の同意を得ずに、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱い、要配慮個人情報を取得し、又は個人データを第三者に提供することができるものとしています。
 この相当な理由が恣意的に判断そして濫用されることのないように、個人の利益よりも、人の生命、身体又は財産の保護や公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進が優先されるための判断要素やその程度を法で明確に定めるべきと考えます。
 あわせて、提供される個人情報の匿名化や提供先との守秘義務の契約締結など、本人のプライバシーを保護するための必要な措置を講じることも法で明確に定める必要があると考えます。
 次に、改正法案は、本人との間の契約の履行のために必要やむを得ないことが明らかである場合その他個人情報の取得の状況から見て本人の意思に反しないため本人の権利利益を害しないことが明らかである場合、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱い、要配慮個人情報を取得し、又は個人データを第三者に提供することができるものとしていますけれども、これらの明らかである場合についても、どのような場合なのかを法で明確に定めるべきと考えます。
 また、改正法案は、漏えいなどが発生した場合に、本人への通知が困難な場合に加え、本人への通知が行われなくても本人の権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合も、本人の権利利益を保護するために必要なこれに代わる措置を取ることができるものとしていますが、この本人の権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合についても、どのような場合なのかを法で明確に定めるべきと考えます。
 プライバシーを始めとする個人の権利利益が保護されることは、マイナンバー制度を始め、デジタル技術の利活用や社会のデジタル化を推進するための大前提と考えます。
 行政に対する国民の信頼を確保するとともに、国民が不安を感じることのないよう十分な審議をお願いし、発言を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 122105367X00720260514_008

発言者: 小原成朗

日付: 2026-05-14

院: 衆議院

会議名: 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会