尾辻朋実の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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尾辻朋実君 チームみらい・無所属の会、尾辻朋実です。
 冒頭、委員の先生方各位に本日も意見の時間を賜りました御配慮に感謝を申し上げ、また、各回御出席くださいました参考人各位に敬意を表しながら、意見を申し述べます。
 四回の議論を通じまして、私は、中長期的には人口減少にどう対応するのか、そして社会保障の持続のために何をすべきか、また地域の暮らしをどのように守るのかという課題があり、他方で、直近の課題としては働き手不足があるのだろうと、このように感じたところであります。
 人口減少は中期的には止めようがないと思います。団塊ジュニア世代をロストジェネレーションにしてしまったことは社会全体にとって余りにも大きく、取り返しの付かないことであります。多くの委員御指摘のとおり、これからは人口減少という現実を前にどうするのかを考えるしかありません。一人の人間として、そして国会議員として、私たちより下の世代の誰一人失われた世代などと言われることのない社会づくりに努力しなければならないと考えるゆえんであります。
 そして、人口減少局面において社会保障をどう守るか。本音を言えば、ひたすら頭を下げるしかないと思っています。
 いわゆる大きな政府か小さな政府かでいえば、国民負担率が五〇%に迫ろうという現在、我が国はもはや大きな政府の入口に立っています。
 では、この国に暮らす皆さんがそれに見合っただけの安心を得ているか。この国に生まれたら、ある日事故に遭って急に働けなくなっても、あした病気が見付かって収入が急に失われても、もう今日学校に行くために起きてお母さんにおはようと言えなくなっても、大丈夫、安心していいよと迷わず言える国なのか。真に弱者に優しい国に近づいているのか、真剣に自問し、真摯に議論を重ね、同時に、国民の皆さんにひたすら誠実に説明する必要を感じています。
 地域の暮らしについては、議論の中で一度、サトウキビは国防だと申し上げました。言葉足らずであったと思いますので、この機会に補足をさせていただきたいと思います。
 防衛力は国防の要です。同時に、国防の基礎は、あまねく国土全体に人の営みがあることだと考えます。食料自給率は食の安全保障であり、ナフサや半導体の確保は経済の安全保障である、このことは理解が広がっているように感じますが、有人国境離島が次々と無人島になってしまったときのリスクについてはまだ理解が十分でないように思います。この日本の美しい海岸線の津々浦々に人々の暮らしがあって、その営みが守られることは肝要だと私は考えます。島の基幹産業を守ることは国土を守ることであって、国防にとっての一大事であると申し上げたかったのであります。私は、我が国の政治が余りにも新自由主義的になっていやしないかと心配しています。
 最後に、人手不足について私の思うところを述べます。
 経済合理性、今の方たちの表現で言えばタイパやコスパの視点からすれば、医療業界の直美、直接美容整形外科や直産、直接産業医は、あくまでもその視点に立つ限り理にかなっています。これまで余りにも私たちはお医者さんたちの倫理観と良心を頼り過ぎてきたのではないかと思います。
 医療、介護、看護、保育、教育、建設、土木、管工事、電設、運送、あらゆる現場の人手不足、職人、そして農業、林業、水産、漁業、畜産の後継者不足は顕著です。生産年齢人口の減少幅だけでは、ここまで一斉に人手不足の悲鳴が上がっていることは説明し切れないように思います。若い皆さんたちに、余りにも強く自己責任、タイパ、コスパ重視の考えを当然のように思わせてしまったのではないかと危惧するのであります。
 自己責任で、強い者が勝ち上がっていく。そうすると、強い者が社会経済全体を引っ張っていくので、結果として国家の競争力が高まるという理屈は理解します。しかし、それが行き過ぎて、社会の構成員全員がそればかり目指してしまえば、社会は土台を失います。これからしばらく人口減少傾向が続くことが予想される中、改めて、誰も置いていかない社会のために何ができるのか、社会が安心できるものであればこそ、若い方たちも結婚に踏み切るのであろうと考えます。
 様々なお考えの下、各々真剣に国家を思う議論が重ねられ、その考えに触れることができる本調査会が、これからもより良い日本の未来のための場であり続けますことを願い、私の発言といたします。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 尾辻朋実

日付: 2026-06-10

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会