財務金融委員会

2025-05-30 衆議院 全175発言

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会議録情報#0
令和七年五月三十日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 井林 辰憲君
   理事 大野敬太郎君 理事 国光あやの君
   理事 小林 鷹之君 理事 阿久津幸彦君
   理事 稲富 修二君 理事 櫻井  周君
   理事 長谷川嘉一君 理事 斎藤アレックス君
   理事 田中  健君
      東  国幹君    石田 真敏君
      伊藤 達也君    上田 英俊君
      大西 洋平君    田中 和徳君
      土田  慎君    長島 昭久君
      中西 健治君    根本 幸典君
      福原 淳嗣君    古川 禎久君
      牧島かれん君    松本 剛明君
      向山  淳君    江田 憲司君
      岡田  悟君    海江田万里君
      川内 博史君    階   猛君
      末松 義規君    原口 一博君
      水沼 秀幸君    三角 創太君
      矢崎堅太郎君    萩原  佳君
      村上 智信君    岸田 光広君
      角田 秀穂君    中川 宏昌君
      福重 隆浩君    山口 良治君
      高井 崇志君    田村 智子君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       加藤 勝信君
   内閣府副大臣       瀬戸 隆一君
   財務副大臣        斎藤 洋明君
   厚生労働副大臣      仁木 博文君
   内閣府大臣政務官     西野 太亮君
   財務大臣政務官      東  国幹君
   財務大臣政務官      土田  慎君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  伊藤  拓君
   政府参考人
   (内閣官房就職氷河期世代支援推進室次長)     廣瀬 健司君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    伊藤  豊君
   政府参考人
   (総務省統計局統計調査部長)           永島 勝利君
   政府参考人
   (法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)           中村 功一君
   政府参考人
   (財務省大臣官房総括審議官)           寺岡 光博君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   吉野維一郎君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    青木 孝徳君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    窪田  修君
   政府参考人
   (国税庁次長)      小宮 敦史君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           青山 桂子君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           吉田  修君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房新事業・食品産業部長)    小林 大樹君
   政府参考人
   (農林水産省農産局農産政策部長)         山口潤一郎君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           奥家 敏和君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房審議官)           堤  洋介君
   参考人
   (日本銀行総裁)     植田 和男君
   参考人
   (日本銀行理事)     諏訪園健司君
   財務金融委員会専門員   二階堂 豊君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  牧島かれん君     向山  淳君
  中川 宏昌君     福重 隆浩君
同日
 辞任         補欠選任
  向山  淳君     大西 洋平君
  福重 隆浩君     角田 秀穂君
同日
 辞任         補欠選任
  大西 洋平君     牧島かれん君
  角田 秀穂君     中川 宏昌君
同日
 理事長谷川嘉一君同日理事辞任につき、その補欠として櫻井周君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
五月二十九日
 信託業法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 信託業法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
 財政及び金融に関する件
     ――――◇―――――
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井林辰憲#1
○井林委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事長谷川嘉一君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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井林辰憲#2
○井林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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井林辰憲#3
○井林委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に櫻井周君を指名いたします。
     ――――◇―――――
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井林辰憲#4
○井林委員長 財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁植田和男君、理事諏訪園健司君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣参事官伊藤拓君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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井林辰憲#5
○井林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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井林辰憲#6
○井林委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。階猛君。
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階猛#7
○階委員 おはようございます。立憲民主党の階猛です。
 本日は、米を含めた物価の情勢と日銀の金融政策の在り方、金融機関の相次ぐ不祥事に対する当局の責任、そして、採算を度外視した運営を続けている官民ファンドの扱いなどについて議論をさせていただければと思っております。
 最初に、米の問題ですが、足下、生鮮食品を除く物価上昇率は三・五%となっています。そのうち約〇・六%分は米の値上がりによるものだと言われています。ですので、物価高対策として米価を下げる必要性は理解いたしますけれども、一方で、生産者への影響や緊急時の備蓄への影響もよく考えるべきだと我々は思っております。今日は、こうした観点はひとまずおいておいて、今回の随意契約による政府備蓄米の売渡しということが物価高対策として有効なのかどうか、これを政府に確認したいと思います。
 まず、今回の政府売渡価格と小売見込み価格の妥当性についてです。
 一ページ目を御覧になっていただきたいんですが、私の資料の一ページ目の下の方ですが、今回、売渡価格の加重平均が六十キロ当たり一万七百円ということが書いてあります。これは五キロ当たりに直すと八百九十一円とか二円です。これを、直接買った小売業者には二千円程度で売ってほしいということですから、こうしたことを前提にしますと、マージンは千百八円とか九円とか、率にして五五%ということですから、小売業としては異常に高いわけです。
 ところで、このマージンの割合というのは、今御覧になっている一ページ目の下の方に米印五というのがありますが、昨年同時期の相対取引の価格と小売価格の比率を基に算出というふうに書いてあります。
 ただ、私はこれは疑問です。というのも、この米印五で言っている比率というのは、中間の卸売業者の利益とか米の輸送費を織り込んだものですから、こうしたものが含まれない今回の随意契約の価格には当てはまらないのではないかと思っております。つまり、何が言いたいかといいますと、マージンをもっと抑えることができて、小売価格はもっと低くできるのではないかと考えております。
 今回のマージンの妥当性について、農水省の答弁を求めます。
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山口潤一郎#8
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 今般お示しいただいている五キログラム当たり二千円という数字でございますが、今回は、国がモデル的な価格の試算を示すことによりまして、売渡価格で販売した場合のスーパー等での精米の価格……(階委員「マージンの妥当性だけ述べてください」と呼ぶ)はい。このイメージを国民の皆様にお示しするために行ったものでございます。
 計算方法については、今回、小売業者に直接販売するという異例なケースでございますので、コストについても通常に異なる部分があるということは確かでございます。
 国が輸送費を持つという点がございますので、コストがかからない部分があるという御指摘、これがある一方で、日頃つき合いのない精米工場に搗精を委託するといったこと、あるいは、より離れた搗精工場から物流センターへの輸送をするといったようなことなど、通常ではないコストもかかるというふうに考えていますので、従来の流通と同じ場合のコストとかかることを前提として今回は計算したというものでございます。
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階猛#9
○階委員 普通は、小売業界でマージン五五%というのはあり得ないわけですよ。本当にこれでいいのかどうか、農水省、ちゃんと考えてくださいね。
 それで、今の二千円が妥当かどうかということは別として、実勢価格の半額程度の米が、三十万トン、店頭で売られることになるわけですね。これによって全体の米価はどの程度下がると考えているのか、農水省、答弁をお願いします。
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山口潤一郎#10
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 今後の米価についてでございますが、これを具体的に見通すことは困難でありますけれども、国民の主食である米の価格、こちらは生産者と消費者が双方納得のいく価格であることが重要と考えてございます。生産者であっても消費者であっても、特定の一方にしわ寄せが行くという仕組みでは、米の安定的な生産に支障が生じまして、最終的には国民の主食である米の安定供給の確保が果たせなくなるという事態にもなりかねないと認識しています。
 ただ、一方で、現在の昨年の二倍にもなっている米価、こちらは引き下げなければならないというふうに認識してございます。このため、今回、八月までの緊急的な措置として、随意契約による売渡しを行っているというところでございます。
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階猛#11
○階委員 結局、今回の随意契約による売渡しによって将来米価がどうなるかというのは分からないわけですよね。そのことを指摘したいのと、もう一つ、今、先物価格の二倍とおっしゃいましたかね、今の価格が。
 ちょっと、私、誤解していたかもしれないので教えていただければと思うんですが、私の理解では、二ページ目につけておりますが、米の先物価格の推移というところを見ますと、これは六十キロ当たりと理解しておりますが、もしそれで正しければ、今回の随意契約の発表によって先物価格は少し、このグラフで見ると下がりました。だけれども、この右側の方に価格が各限月ごとに書かれております。先物の一番近い限月、六月限で見ますと、二万七千二百五十円ということですから、今とそんなに変わらないわけですよね。それで、例えば十二月限になりますと、二万八千八百円ということで今より高くなるとか、一年近くたって来年の四月ぐらいになると、三万一千八百円だからもっと高くなるとか、こういう理解なんですけれども、そうじゃないですか。教えてください。
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山口潤一郎#12
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 まず最初に、二倍という点でございますけれども、済みません、私の滑舌が悪くてあれですが、昨年の二倍になっている、昨年の一般の価格の二倍となっている……(階委員「先物価格の話じゃなかったんですね。分かりました」と呼ぶ)ええ、先物とは申し上げておりませんでした。
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階猛#13
○階委員 ということは、私の理解は、先物価格が先々高くなっているわけですよ。だから、さっき、随意契約によって米全体の価格がどうなるか分からないとおっしゃいましたけれども、市場ではこういう予想になっている。つまり、先々も米の値段は、下がるどころか上がるという予想になっていますよ。どうなんですか、これは。それで、この予想が正しいか、あるいは、もし正しくないと考えるのであればその理由を述べてください。
 それから、この米の先物価格、先物取引が上場されたのは昨年の八月なんですよね。実は、ちょうどその頃から米価が急に上がり出しているわけですよ。ということは、先物を売っておけば将来の米価の下落リスクをヘッジできるわけですね。その結果、卸売業者などは仕入れた米を急いで売りさばく必要がなくなっているわけですよ。そのことが米の需給のバランスを崩して米価の値上がりにつながっているというふうに私は推認するんですが、この点、いかがでしょうか。
 二点、お答えください。
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小林大樹#14
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど山口農産政策部長から答弁があったとおり、今後の米価について具体的に見通すというのは困難なんですけれども、一般に、現物の価格形成に当たりましては、需給事情とか品質評価を始めまして、様々な事情が反映されます。したがいまして、先物取引が現物に影響を与えることが一切ないということまでは言い切れないと考えております。
 しかしながら、現在行われております米の先物取引につきましては、昨年八月に開始したばかりでございまして、まだまだ取引量も非常に少ないという状況でございますし、また、仕組みの上でも、百を超える産地品種銘柄の相対取引価格を基にした平均価格がどう推移するのかというのが取引対象であって、現物の受渡しは想定していない、こういったものでございますので、米の小売価格などに大きな影響を与えるということは難しいんじゃないかというふうに考えております。
 これまでの米の推移を見ましても、現時点では、先物取引が今回の米の価格高騰を招いたという認識は持っておりませんけれども、私ども、先物市場につきましては、引き続き、安定的な市場運営が行われるように、市場の監視、監督はしっかりやっていきたいと考えております。
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階猛#15
○階委員 前段の質問に答えていないと思うんですが。
 米の先物価格を見ると、これからも米の値上がりが続いていくように思えるんですが、それは違いますか。どちらの参考人でもいいですので、お答えください。
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山口潤一郎#16
○山口政府参考人 お答え申し上げます。
 価格の見通しは、私ども具体的に申し上げることはできませんが、私ども、現在、備蓄米の随意契約による売渡しを行っております。こうした動きが出る中で、先物価格についても下落するような傾向も出ているというふうに見ております。
 こういったものが今後どういうふうに動いていくか、この辺は推移を見守っていきたいというふうに考えております。
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階猛#17
○階委員 その下落傾向というのを織り込んだ価格ですよ、これは。それを示しているわけですよ。下落してもなお、先高感は消えていないわけですよ。これをどう考えるかということですよ。
 本当に随意契約をやることで全体の価格が下がるかということは甚だ疑問です。これはちゃんと分析して、この委員会に報告していただけますか。
 委員長、お取り計らいをお願いします。
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井林辰憲#18
○井林委員長 後刻、理事会で協議いたします。
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階猛#19
○階委員 日銀総裁に伺いたいと思います。
 三ページ目を御覧になってください。こちらは、私がこれまでも何回も示したものの直近版なんですが、日銀政策委員の物価見通しの推移ということです。
 一番下の行を横に見ていただくと、これが直近、今年四月時点のものでして、そのすぐ上の行と比べますと下方修正されているわけです。前回は見通し期間が二〇二六年度まででしたが、その最終年度には二%に達するという見通しでした。今回、見通しの期間が一年延びまして、見通し期間の最終年度は一・九%と、二%に達しない予想。そして、その手前、二〇二六年度は、二%が一・七%というふうに下がっているわけですね。
 総裁にお聞きしたいんですが、昨今の米の価格が象徴しているように、私は、企業の行動様式が変わってきているというふうに思っています。人手不足や働き方改革によって供給量が伸ばせなくなったので、量を増やすのではなくて価格を上げることによって収益を稼ぐ、そんなビジネスモデルが広まりつつあるのではないかと考えています。
 総裁は、これまで、物価の押し上げ要因として、コストプッシュを第一の力、賃上げを第二の力というふうに呼んできたと理解しておりますが、私はここで、第三の力として、量より価格を重視するビジネスモデルの広がりということも考えるべきだと思います。その観点からしますと、先ほど申し上げました今回の物価見通しは余りにも低過ぎるのではないかと考えますが、総裁の見解をお願いします。
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植田和男#20
○植田参考人 委員御指摘の第三の力ですか、量より価格を重視するようなビジネスモデル、これは、どういうふうに名前をつけるかという論点はありますが、私どもでは、以前よりも積極的な価格、賃金設定行動というふうに呼んだりもしていますが、それが続いていることは、私どもも認識しております。
 その上ででございますが、今回の物価見通しの下方修正でございますが、これは幾つかの要因の結果でございます。
 一つは、二月以降の各国の通商政策の緊張の高まりの影響を受けまして世界経済の見通しをやや下方修正する、その影響で我が国の成長ペースも鈍化するという見通しをつくり、それが先行きの物価にある程度の押し下げ圧力になるということを織り込んだものであります。
 それから、ここのところ、大まかには昨年の秋以降くらいからのインフレ率の上昇の中に、委員もおっしゃいました様々なコストプッシュ要因、特に食料価格の上昇の影響は大きく含まれております。これが、今年の秋口以降、水準として下がっていくかどうかという点については非常な不確実性がありますが、インフレ率、つまり物価の上昇率という意味では、落ち着くあるいは低下していくというような姿を織り込んでおります。さらに、ここ数か月、原油価格がかなりはっきりと下落しております。これらを織り込んで、先ほど御指摘のインフレ見通しの下方修正の姿となったところでございます。
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階猛#21
○階委員 トランプ関税の影響であるとか、第一のコストプッシュの力が弱まっていく、これはある程度、私もあると思いますよ。ただ、私が言うところの第三の力、この力もあるわけで、価格、物価を引き下げる要因と物価を引き上げる要因、これが両方ある中で、今、足下三・五%なんですよ。三・五%が、この見通しだと、だんだん下がっていって、一・七とかまで下がるのかということなんですよ。そこまではさすがにいかないでしょう。私は、どんなに下がっても、やはり二%は優に上回るんじゃないかと思っていますが、それは違いますか。総裁、お答えください。
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植田和男#22
○植田参考人 そこは、インフレ率を上げようとする力と、先ほど申し上げたような下げる力とのバランスをどこに見るかというところになりますが、私どものバランスでは、見通しの数字に、お示ししたような姿になるというのが一応、中心的な見通しで、その両側にリスク、それよりも高いインフレ率になったり、更に低めになったりというリスクがあるというふうに考えてございます。
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階猛#23
○階委員 総裁、是非、この第三の力、よくよく考えていただきたいと思うんですが、物、財の価格について、価格を引き上げる、量でなく価格で収益を上げるという動きだけではなくて、サービス価格についても、量ではなくて価格で引き上げる動きが私は広まってきていると思います。
 実は、ちょっと余談になりますけれども、先日、夜、時間があったので、土曜日でしたけれども、神宮球場にプロ野球のナイターを見に行こうと思ったんですよ。一番安い席を、息子と一緒に入ろうと思って、窓口で、一番安い席は幾らですかと聞いたら、何と、一人五千八百円ですよ。私の感覚だと、一番安い外野の端っこで見るんだったら二千円ぐらいかなと思ったら、ダイナミックプライシングということで、土曜日の夜は高いんですと言われました。五千八百円、二人で一万円以上も出して、特にファンのチームでもない試合を見に行くのもどうかなと思いまして、結局やめました、私は。
 でも、何が言いたいかというと、それぐらい、サービス産業でも価格を引き上げる動きが広まっているということなんですよ。私は、この第三の力で物価は高止まりするということは、これから物価の見通しを考えるときに是非考慮に入れていただきたいと思っております。
 その上で、金融政策に与える影響、今の物価見通しだけではなくて、ほかにもあると思っています。一つは、この間、櫻井さんが取り上げていました超長期金利の上昇です。これが、実体経済への影響について先日は議論されていましたけれども、私は、日銀が昨年来進めている、保有国債のいわゆる満期落ち、このオペレーションにも影響があるのではないかと思っております。
 この六月に中間評価を行うということなんですが、現在の超長期金利の上昇は、このオペレーションの中間評価でどのように考慮するんでしょうか。教えてください。
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植田和男#24
○植田参考人 国債市場、超長期の部分を含めまして、現在、どういう状況、動向にあるか、あるいは機能度についてどういう動きがあるかという辺り、様々な市場参加者の今御意見を伺っているところでもありまして、これまでの、私どもの昨年七月以降の経験も踏まえてしっかり点検し、六月の中間評価につなげていきたいと思っております。
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階猛#25
○階委員 具体的なことはおっしゃれないということですか。うなずかれたので、これ以上は突っ込みませんけれども、時間がないので先に進みます。
 もう一つ金融政策に影響を及ぼすと思うのが、先日発表された日銀の決算です。
 私の資料の四ページを御覧になっていただければと思うんですが、こちらは損益の状況ということで、私の方で手書きで丸をつけた部分に御注目いただければと思います。
 私どもは、かねがね、ETFの分配金を子供、子育て支援の代替財源として国民に還元すべきだと主張してきたわけですが、これが前年よりプラス一千五百億円程度で、一兆四千億弱というふうになっています。他方で、日銀が当座預金を預けている金融機関に払う利息、これが何と前年より一兆円も増えて一兆二千五百十七億ということで、ほぼ分配金収入と利息支払いが見合うぐらいになってきていますね。これが一つあります。
 そしてもう一つは、バランスシートの方、五ページ目を見てください。これも非常に特徴的でして、保有国債の評価損益、これはニュースにもなっていましたが、過去最大で二十八兆六千億の評価損。他方で、ETFの方は含み益で、これは前年より少し下がりましたけれども、三十二兆八千億、含み益です。これは相殺するとまだプラスではありますけれども、いわば金融政策を正常化してきた副作用によって、損益やバランスシートが悪化傾向にあるわけですね。
 こうした金融正常化の副作用が金融政策に何らかの影響があるのではないかと思いますが、この点についてどう考えるか。それともう一点、この悪影響を緩和しているのが、まさに我々が国民に還元すべきだと言っている保有ETFです。このETFは本来処分すべきだというふうに思うわけですが、この処分の先送りという可能性もあり得るのか、高まっているのかということを教えてください。二点質問します。
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植田和男#26
○植田参考人 まず、財務の悪化が政策に影響するかどうかという御質問でございますけれども、私ども、政策の主なポイントであります短期金利、政策金利の上下、これは、日銀の財務の状態とは関わりなく、物価の安定という目標達成のために適切に行っていきたいというふうに考えてございます。
 その上で、財務の、委員御指摘のような変化、場合によっては悪化のところをどう考えるかというところでございますが、まず、保有債券の評価が金利の上昇で低下しているというところでございますが、ここは、いつも申し上げていますように、評価において償却原価法を採用しておりますので、期間収益には影響を与えないということがございますし、債券については、基本、満期まで持ち切るということですので、評価損になったものが損として実現するということはないということでございます。
 それから、後半の方で御指摘がありましたETFの分配金収入の役割でございますけれども、これはもちろん、向こう数年間、仮に金利が今以上に上がっていくとかいう状態が続いたとしますと、私どものバランスシートで、利払いをする際の利子率と保有債券に入ってくる利子の方の利子率、ここに逆ざやがしばらく続きますので、そこからくるマイナスの力を打ち消す一つの要素になるということは確かでございます。したがって、ETFの分配金収入が仮になかったとしますと、私どもの収益は、向こう数年、あるいはその後もですが、下押しされますという要素はございます。
 ただ、債券取引損失引当金、その他自己資本もございますので、こういうことによって私どもの政策が左右されるということはないというふうに見ております。
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階猛#27
○階委員 では、保有ETFの処分を先送りする理由にはならないということでいいですか。先ほど言った、収益の悪化とかバランスシートの悪化があることによって保有ETFの処分を先送りする理由にはならないというふうに伺っていいでしょうか。端的にお答えください。
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植田和男#28
○植田参考人 ETFの処分につきましては、いつも申し上げています、複数の原則を達成するような処分方法を見つけるということで、時間をかけて検討している状態が続いております。
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階猛#29
○階委員 質問は、損益の悪化やバランスシートの悪化が保有ETF処分の先送り理由にならないかということを聞いております。端的に、イエスかノーかでお答えください。
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