厚生労働委員会

2025-05-08 参議院 全212発言

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会議録情報#0
令和七年五月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     小川 克巳君     山田  宏君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     新妻 秀規君     安江 伸夫君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     安江 伸夫君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柘植 芳文君
    理 事
                神谷 政幸君
                羽生田 俊君
                三浦  靖君
                森本 真治君
                秋野 公造君
    委 員
                石田 昌宏君
                衛藤 晟一君
                こやり隆史君
                自見はなこ君
                比嘉奈津美君
                星  北斗君
                山田  宏君
                石橋 通宏君
                大椿ゆうこ君
                高木 真理君
                塩田 博昭君
                新妻 秀規君
                猪瀬 直樹君
                山口 和之君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
                天畠 大輔君
   国務大臣
       厚生労働大臣   福岡 資麿君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐伯 道子君
   政府参考人
       厚生労働省大臣
       官房医薬産業振
       興・医療情報審
       議官       内山 博之君
       厚生労働省医政
       局長       森光 敬子君
       厚生労働省健康
       ・生活衛生局感
       染症対策部長   鷲見  学君
       厚生労働省医薬
       局長       城  克文君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    日原 知己君
       厚生労働省保険
       局長       鹿沼  均君
       国土交通省航空
       局安全部長    北澤  歩君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第一五号)(衆議院送付)
    ─────────────
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柘植芳文#1
○委員長(柘植芳文君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、小川克巳君が委員を辞任され、その補欠として山田宏君が選任されました。
    ─────────────
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柘植芳文#2
○委員長(柘植芳文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬局長城克文君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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柘植芳文#3
○委員長(柘植芳文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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柘植芳文#4
○委員長(柘植芳文君) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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神谷政幸#5
○神谷政幸君 おはようございます。自由民主党の神谷政幸です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 薬機法改正案の本題に入る前に、後発医薬品調剤体制加算について質問をします。
 私が製薬企業を退職して保険薬剤師になったのは二〇〇六年のことでした。当時の後発医薬品の全国使用割合は三五%前後であり、まだまだ一般的には理解もなじみも薄い状況でした。一方で、社会保障費増大への抑制策として、医師がジェネリックを使ってもよいと判断したときのみ処方箋に署名をするという使用促進策が始まった年でもあり、そのときと現在では随分と社会全体のスタンスが変わっています。
 その背景には、療養担当規則の変更や報酬上の評価などもありますが、礎になっているのは、薬剤師が、来局者はもちろん、地域の健康講座等でも地道に、後発医薬品とは何か、その使用意義について説明を重ねてきたことがあります。
 有効成分は変わらないことや一部添加剤が違うことへの丁寧な対応はもちろん、採用時も錠剤やPTPシートの見た目が変わることで不安を与えないか配慮をしつつ、時には、先発品にはない口腔内崩壊錠の剤形の方があの患者さんにはいいかななど、いろいろなことを考えて取り組んできました。
 余談ですが、私は患者さんから、先発品は舌の上に載せるとほんのり甘いんだけど、後発品は味がしないと言われたことがあります。添付文書を確認すると、確かに先発品のみ添加剤に蔗糖が入っており、それ以来、注目するところは十人いれば十通りあるのだなと肝に銘じたことがありました。
 つまり、経済誘導もありますが、その根底には、薬剤師と患者さん、また薬剤師と処方医の信頼関係があるわけであります。もちろん、様々な要因によって切替えが進まないケースもあります。しかしながら、押しなべて、信頼関係がしっかり築けているほど、薬剤師の何々さんが言うならジェネリックでいいよと使用割合が高くなる傾向があるように思います。現在の長引く供給問題下でも大きな混乱が起きていないことが、まさにその証左であります。
 ところが、このジェネリックの使用割合が高いことは薬局経営の首を絞めることにもなります。当然でありますが、医療費抑制のためのジェネリックでありますから、売上金額は下がります。医薬品は仕入れて出すわけでありますから、売上げが減って手元の現金が減ることは事業を継続していく上で致命的であります。
 また、ある医薬品をAさん、Bさん、Cさん、Dさんが使っているとして、最初の三人はジェネリックでいいよと言って、Dさんは何かしらの事情で先発品を使い続けた場合は、その回転が悪い状態の先発品も置かざるを得ません。それが複数種類にわたり起こるため、経営効率は当然落ちます。しかも、昨今の供給不安下で、同一成分でメーカーの異なる品目が増えたり、在庫量が増えていて、経営効率はますます落ちています。さらに、ジェネリックの使用量が多いところほど供給不足対応に割く時間が増えて、従業員一人当たりの生産性は落ちることになります。
 それらを踏まえて、後発医薬品調剤体制加算については、数量シェア八〇%を超えたことで存在意義を問う意見もあるようですが、本加算が果たしている役割も変化をしてきているのではないでしょうか。その点について厚労大臣の認識はいかがでしょうか。
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福岡資麿#6
○国務大臣(福岡資麿君) 委員は専門家として現場の実態よく御存じだと思いますが、御指摘の後発医薬品調剤体制加算につきましては、薬局における後発医薬品の提供体制の整備を促進するために後発医薬品の使用割合が一定以上である薬局に対して加算する仕組みでございます。この加算は、後発医薬品使用割合の数量シェアが八〇%を超えた現在でありましても、後発医薬品を希望した患者さんに対して後発医薬品を提供できるよう、先発医薬品と後発医薬品の両方を取り扱わなければならないことに伴い発生する作業等について報酬上の評価を行うものでございます。
 加えて、御指摘がありましたように、近年、後発医薬品については不安定な供給が課題となっておりまして、薬局では、複数の医薬品卸への問合せを行ったり、また卸に在庫がない場合は近隣の薬局に対して融通を依頼するといった業務が追加的に生じているというふうに承知をしております。
 後発医薬品に対する診療報酬上の評価の在り方については、こうした後発医薬品の供給不安によって生じている薬局の負担なども踏まえながら、中医協において御意見をいただきながら検討を進めてまいりたいと思います。
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神谷政幸#7
○神谷政幸君 ありがとうございます。
 患者さんにジェネリックを、また場合によっては先発品をちゃんと継続して提供できるように、是非その点への配慮をお願いしたいと思います。
 また、四月の薬価改定で基礎的医薬品の対象になった品目、不採算品再算定で後発品が先発品の薬価を上回った品目、逆に採算悪化でジェネリックが製造中止した品目の影響などでカットオフ値が激減する薬局もあると伺っています。その点への対応も是非お願いをします。
 また、近年では、高額医薬品が不動在庫になって廃棄になるケースもあります。先ほど申し上げたように、利益が減っている状態での影響は計り知れないものがある点も是非御検討いただければと思います。
 続いて、安定供給回復について伺います。
 先ほど、既に五年近く続いている医薬品供給問題について触れ、大臣からもその点について御回答いただきました。後発医薬品に端を発しましたが、その影響による先発品在庫の枯渇や薬価低下による製造中止品目の影響、感染症流行時の使用量増加、またフェンタニルのように海外製造所を理由とするもの、免疫グロブリン製剤のように需要増に供給が追い付かないケースなど、複数の要因があります。
 安定供給回復に向けた現状とこれまでの取組について、端的にお答えいただければと思います。
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内山博之#8
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。
 医療用医薬品については、これまでに、企業に対する増産の働きかけや増産体制整備への補助、薬価の下支え等により足下の供給不安解消に順次取り組んできたところでございます。その結果、医療用医薬品の限定出荷、供給停止の状況にある品目の割合については、令和六年三月時点では約二四%あったものが、令和七年、今年の三月時点では約一五%となっているところでございます。
 引き続き、足下の供給不安対策、これを進めるとともに、今回の法案にも盛り込ませていただいています後発医薬品製造基盤整備基金による後発医薬品産業の非効率な生産体制の解消といった中長期的な課題にも取り組み、安定供給の確保に努めていきたいと考えてございます。
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神谷政幸#9
○神谷政幸君 ありがとうございます。
 パーセント、数字の上で回復しているというお話がありました。例えば、その薬価引上げ、下支えによる収益分で、ある漢方の企業は、中国に中間体まで製造する設備投資をして供給不足対応に取り組んでいると聞いています。また、免疫グロブリン製剤はまだ現状として供給不足が続いていますが、二〇二四年度補正予算で設備投資への予算確保につながったことが改善への見通しにプラスになったという声もあります。これらのように、医薬品産業は設備や製造を担える人材育成も含めて投資が必要です。是非継続した支援をお願いしたいと思います。
 続いて、先ほど答弁の中にもありました後発医薬品製造基盤整備基金の設置とその予算確保について伺います。
 免疫グロブリン製剤のような血漿分画製剤は専用の設備であり、汎用性がないことがコスト面で割高になっているわけでありますが、後発医薬品の製造所を見ると、一つのラインで多品目を製造しています。そのため、事前準備や洗浄などの工程が多発し、御承知のとおり生産性に課題があるところであります。
 この構造を開発して後発医薬品産業全体の生産力を上げていくことが、医薬品供給問題解決に向けて必要不可欠であります。そのため、百八十七社中、保険収載品目が一から十九品目企業が約六五%に及ぶ状況を一定整理をして、重複品目の統合や製造工程統合に向けて連携や協力を促すためにも、今回設置される見込みの基金は期待が高いというふうに私も考えております。
 後発医薬品企業が前向きに連携協力に向けた議論を進めるためには、業界全体の厳しい今の状況も踏まえてもしっかりとした予算確保が重要と考えます。それに対する政府の認識と決意をお聞かせください。
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内山博之#10
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。
 御指摘いただきました後発医薬品製造基盤整備基金、これは、先生にも御紹介いただきましたように、後発医薬品産業における供給不安の原因の一つとして指摘されています少量多品目生産の構造の解消に向けて、企業間の連携、協力、再編を後押しするために五年間の期限を設け設置することとしたものでございます。
 具体的には、後発医薬品企業から安定供給に向けた品目統合や事業再編等の計画を提出いただき、厚生労働大臣が当該計画を認定した場合には、当該後発医薬品企業における品目統合に伴う生産性向上のための施設設備の整備、品目統合や事業再編に向けた企業間の調整、こうした経費について補助することを想定しているものでございます。
 政府といたしましては、令和六年度補正予算におきまして本基金と同趣旨のモデル事業を実施しているところでございまして、まずはこの事業により後発医薬品業界の品目統合、事業再編の動きを後押しをしていきたいというふうに思ってございます。その上で、本法案が成立した場合には、先ほど申し上げたモデル事業の実施状況等も勘案しながら、今後の予算編成過程で必要な予算を要求していきたいというふうに考えてございます。
 この基金の活用によって更にこうした業界の動きを後押しし、後発医薬品産業全体の生産性の向上、それから安定供給の確保、これを図っていきたいというふうに考えてございます。
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神谷政幸#11
○神谷政幸君 御回答ありがとうございます。モデル事業を参考にして、しっかりとした後押しをしていただきたいと思います。
 薬局も卸も製造の現場も相当疲弊をしています。必要な額をしっかりと確保することをお願いするとともに、牽引役である業界団体の日本ジェネリック製薬協会、この所属企業は全企業の約一五%という現状もあります。これも一つの課題であると思いますので、このことをしっかりと、この予算が確保できた場合に、解決に向けて牽引する役割も必要ですから、厚生労働省もしっかりと旗振り役をして、一日も早い解決に導いていただくことを強く希望いたします。
 続けて、供給問題関連で、供給状況のモニタリングへの取組について伺います。
 年末年始のインフルエンザ大流行で、改めて去たん剤、鎮咳薬等の不足が報道をされました。しかし、実際には既に秋口で多くの薬局から、たまにしか入ってこないとか、薬がなくてほかに行ってもらわざるを得なかったという声が多くありました。他方で、その少し前に厚労省に状況を確認した際は、以前より生産量が増えて回復傾向という回答がありました。先ほどの答弁の中でも昨年二〇%が今年一五%というお話がありましたが、やはり製造、流通、医療提供、各所の実感と行政が把握する情報、それぞれで若干のずれがあると感じているところであります。
 そのため、現場での需給状況をリアルタイムで把握し、関係者間で共有できるビッグデータが未整備であるということは大きな課題であると以前より指摘をしてきたところであります。そのため、今回の法案に電子処方箋確認サービスのデータ活用による需給モニタリングが盛り込まれていることは大変うれしく思っております。
 さはさりながら、現場目線では、川上で成分ごとにどの程度の製造が行われているのか、どの程度の在庫が確保されているのか、どの程度の生産計画があるのかといったことも見える化されていることが重要と考えます。安定確保会議では現場の委員も含めて同様の声が多かったと聞いておりますが、今後どういった取組を進めていくのか、政府参考人よりお答えください。
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内山博之#12
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。
 医薬品の需給状況の把握につきましては、今御指摘いただいたように、審議会等におきましても、医療用医薬品の市場全体の供給状況や現場の需給状況、これを把握するビッグデータを整備する必要性、これが指摘されてきたところでございます。
 このため、川上の製造販売業者の供給状況、それから川下の医療現場における需給状況を把握し、可視化する仕組みについて検討を行ってきているところでございまして、今後、医薬品の需給状況を把握する仕組みの構築に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
 具体的には、川上の製造販売業者の供給状況につきましては、令和五年度補正予算事業におきまして医薬品の安定供給に向けた製造販売業者の生産量や在庫量等のデータ活用について検討を行ったところでございまして、今後は、こういったデータを可視化し、市場全体における供給状況を把握する仕組みの構築に向けた検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 また、川下の薬局等の需給状況につきましては、本法案において必要な改正を盛り込んだ上で、電子処方箋管理サービスの調剤データを活用し、薬局における調剤量と卸売販売業者から薬局への出荷量とを比較することにより需給状況を把握する仕組みの構築に向けた検討を行うこととしてございます。
 こうした取組を通じまして、市場全体における医薬品の川上の供給状況や川下の需給状況を把握して医薬品の安定供給の確保、これに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
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神谷政幸#13
○神谷政幸君 回答ありがとうございます。
 薬局、多くの薬局が電子処方箋のシステムを既に導入していますので、それがしっかりと活用されることに期待をしています。それと、どこか一つが欠けても不十分な情報になると思いますので、着実に進めてもらうことを要望いたします。
 ここまでは供給面での質問をしてきましたが、次は創薬環境整備について伺います。
 ボストンが創薬の地として有名ですが、二〇二一年末のデータで、日本の首都圏は創薬シーズ創出能力で世界二位というデータがあります。一方、ライフサイエンスエコシステムランキングでは世界二十五位であり、エコシステム成熟度が大きなネックになっています。それも踏まえ、モダリティーが多様化する中、イノベーションを生み出すためにもオープンラボ活用等は重要であります。
 以前、私はつくばのSakuLabへ視察に行きましたが、ピッチイベントの開催や、またシェアラボですぐに実験が開始できるすばらしい設備がそろっている点、また食堂でアステラス研究員といつでも意見交換ができる環境があることは非常に大きな利点であると感じました。それは、委員会視察先のiCONMでも同様でありまして、今後、こうした創薬クラスターの活性化が創薬基盤強化に重要です。
 こうした動きを加速化させるためには、今回整備される革新的医薬品等実用化支援基金においても十分な予算を確保し、日本の創薬力を強化していくことが必要と考えます。改めて、厚労省にこの基金の趣旨と決意をお尋ねします。
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内山博之#14
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。
 我が国では、基礎研究段階を担うアカデミアの支援や臨床試験実用化段階を担う創薬スタートアップの支援に比べて、その間への段階への支援、これが手薄であり、他国と比べてもその分野が弱く、上市に至りにくい状況が生じているというふうに指摘をされています。こうした状況を踏まえまして、本基金では、官民連携して継続的に創薬スタートアップから革新的新薬を生み出す創薬基盤インフラの強化を目指すものでございます。
 政府としましては、これにつきましても令和六年度補正予算において本基金と同趣旨のモデル事業を実施しているところでございまして、このモデル事業では、いわゆる創薬クラスターにおいて不足している施設整備への補助を行うほか、海外人材とのネットワークを有する民間事業者による創薬シーズの実用化支援の補助を行うことを想定をしているところでございます。
 その上で、本法案が成立した場合には、このモデル事業の実施状況等も勘案しつつ、今後の予算編成過程で必要な予算を要求していきたいというふうに考えてございます。
 この基金の活用によりまして、こうした創薬エコシステム構築の動きを後押しし、日本の創薬基盤の強化を図っていきたいというふうに考えてございます。
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神谷政幸#15
○神谷政幸君 御回答ありがとうございます。
 先ほども申し上げたように、日本独自の強みが現時点あります。それを事業化につなげて、日本初、世界初の革新的医薬品が創出される好循環に向けてしっかりとした額の確保をお願いします。
 続いて、条件付承認の適用対象について伺います。
 国内開発未着手の医薬品があるドラッグロスも大きな課題であります。本年三月三十一日発表の厚労省実態調査結果のうち、八十六品目中十四品目が開発の必要性が特に高い薬です。例えば、その中にはベンチャー企業が開発した抗がん剤があります。一般的に、投資回収目的からまず最大市場の米国で上市をします。そして、それらベンチャーのシーズをメガファーマが受け取って、その後グローバル開発をすることがこれまでの流れでした。
 しかし、昨今、ベンチャー独自での開発も増えています。その場合、米国上市後に日本での開発を検討しても、症例数の少なさや薬事制度への理解度がハードルになり止まってしまうことが多いと聞いています。一方で、それは既に海外で実用化されている治療薬です。我が国で待ち望んでいる患者さんや御家族にとっては一縷の望みであり、この問題を何とかする必要があると思います。
 このようなケースに条件付承認を活用すべきではないかと考えます。今回、条件付承認制度について活用の拡大を目指した改正内容が盛り込まれていますが、どのような患者に早期に医薬品を届けようと考えているのか、厚労省のお考えをお聞かせください。
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城克文#16
○政府参考人(城克文君) 御指摘いただきました条件付承認制度でございますが、これ、令和元年の薬機法改正で導入されたものでございますが、その要件として、対象患者が少なく臨床試験が実施困難である場合に限られておりましたことから、これまで制度の利用実績がないところでございます。そのため、今回の制度改正におきましては、対象疾患の患者数の大小によらず、重篤かつ適切な治療法がないなどの医療上の必要性が高い場合に適用できる仕組みとすることといたしております。
 今回の改正によりまして、海外で承認された薬剤を国内で入手できず治療法がないと感じておられる患者様に対しまして早期に医薬品を届けることにつながるものと考えております。具体的には、ドラッグロスが生じていると指摘されております品目のように、欧米のベンチャー企業が独自開発をして欧米で承認されているが日本では承認されていない抗がん剤等が対象になり得るものと考えております。
 有効性、安全性の確認はこれまでの条件付承認制度と変わらない水準を維持しつつ、ドラッグラグ、ロスの課題に対応し、国民に最新の医薬品を迅速に届けられるよう、条件付承認制度を含む薬事制度の適切な運用に取り組んでまいりたいと考えております。
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神谷政幸#17
○神谷政幸君 ありがとうございます。
 条件付承認制度は既にある仕組みですから、成立した暁にはドラッグロスの深刻な課題解決につながることを願っています。
 続いて、零売について伺います。
 まず、本題に入る前に、私は、町の相談薬局で生まれ、幼い頃から父が薬局で健康相談に乗る姿を見て育ち、自分自身も同じように十五年近く働いてきました。その経験をもって、零売について議論される際にセルフメディケーションが引き合いに出されることに強い違和感があります。
 我が国においては、セルフメディケーションとは、自分自身の健康に責任を持ち、軽度の身体の不調は自分で手当てすることとされています。また、WHOの定義を読み解くと、自己診断された症状に対してという枕言葉が付き、定義の後段の文章には、処方された薬を適切に使用する、これは服薬コンプライアンスを意味すると思いますが、そのような内容が含まれています。
 それを踏まえますと、服薬コンプライアンスとは別にして、我が国のセルフメディケーションの考え方では、基本的に医師の診断前になるため、薬機法に需要者の選択により使用されると定義付けられた一般用医薬品が使用されることになると考えます。そして、その際は、薬剤師が適切に介入することでより良い薬が選ばれる、また必要に応じて受診勧奨につながるべきだと思います。そのことも踏まえ、零売とセルフメディケーションを混同して考えることでより議論が分かりにくくなっているのではないでしょうか。
 その上で、近年、零売を薬局営業の主たる目的として掲げる薬局が現れ、本来診療が必要な疾病であっても医師の診断を経ずに購入できるような販売形態を取っている事例なども見られると聞いています。
 今回の改正法では、不適切な零売を制限し、現行で認められているやむを得ない場合を明確化するものだと理解していますが、不適切な零売としてどのような事案があるのか、厚労省にお尋ねします。
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城克文#18
○政府参考人(城克文君) いわゆる零売におきます不適切な事例につきましては、これ、悉皆的に把握しているものではございませんけれども、例示いたしますと、例えば、緊急時等のやむを得ない場合ではなく日常的に医療用医薬品が販売されている事例、また、医師が通常処方する数量を大きく超えた数量の販売等がなされている事例、複数の医薬品を組み合わせた上で効能、効果を逸脱した標榜をした販売等がなされているという事例で行政指導が行われていることを把握をいたしております。
 今回の改正は、こうした保健衛生上の懸念がある事例が散見されることを踏まえまして、適正な情報提供や数量に基づく販売が行われるよう、零売の要件を明確にし、適正な運用を確保することを目的とするものでございます。
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神谷政幸#19
○神谷政幸君 ありがとうございます。少なくとも法令遵守は医療に関わる者としては最低限守らなければならないことだと思います。
 その上で、次の質問に入りますが、今回の法改正に不安の声も聞こえています。
 御存じのとおり、コロナ禍では、行政と薬剤師会が連携を取って解熱鎮痛剤の販売対応をしたことで地域の医療従事者の負担軽減につながりました。それも含めて、薬剤師がその職能を生かし適切な対応により零売を行っている現場の薬局からは、本改正に対し多くの不安の声があります。
 やむを得ない場合に最小限の数量を販売する本来の趣旨にのっとった零売はこれまでどおり継続できるという点を問いたいと同時に、そのような声が上がる要因に、スイッチOTC医薬品の上市が遅々として進まない、セルフメディケーションの先の展望が見えないというフラストレーションもあると考えます。上市が順調に続けば、先ほど申し上げた専門家の能力が生かされたセルフメディケーションにつながります。また、その際は適切な受診勧奨がなされることも重要です。リスク区分の見直しは、専門家の意見を十分に反映して、安易な引下げがないように行う必要があると考えます。
 そこで、三点伺います。
 今回の法改正が本来の趣旨にのっとった零売を行っている現場を規制するものではないという点、二点目にスイッチ化促進について、三点目にリスク区分の見直しについて、厚労大臣に伺います。
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福岡資麿#20
○国務大臣(福岡資麿君) 今般の改正案につきましては、緊急時等のやむを得ない場合に薬剤師と相談した上で必要最小限の数量を販売する本来の趣旨にのっとって行われる零売につきましては、現行と比較して制限の範囲が変わるものではございません。そういう意味では、本法案が成立した場合にもこれまでどおり継続していただくことが可能でございます。
 また、スイッチOTC化に関しましては、昨年、厚生労働省においてワーキンググループを設置いたしまして、承認申請時の添付資料の簡素化の見直しなどを行ったところでございます。関係者の御意見も伺いながら、引き続きスイッチOTC化の推進を図ってまいりたいと思います。
 そして、スイッチOTC化後のリスク区分は現行でも薬事審議会の意見を聞いた上で変更が可能でございますが、長年第一類医薬品にとどまっている品目があることを踏まえまして、今後、定期的にリスク区分の変更の要否を検討する仕組みを検討していくこととしております。その検討に当たりましても、個別品目のリスク区分の定期的な変更につきましては、引き続き薬事審議会において専門家の御意見を聞くことが必要だというふうに考えております。
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神谷政幸#21
○神谷政幸君 御回答ありがとうございます。
 本来の趣旨にのっとった零売の規制にはつながらないということ、また、スイッチ化に関して、これをしっかりと進めていただくこと、また、リスク区分の引下げに関しては専門家の意見をしっかりと反映をして慎重に検討すること、それらを重ねてお願いをいたします。
 関連して、最後に、セルフケア、セルフメディケーション推進においてPHRを活用する方策について伺います。
 先ほど申し上げましたスイッチ化促進とセルフケア、セルフメディケーション推進は、過疎化と高齢化率が高まる我が国において、医薬品アクセス向上と医療資源の有効活用を考える上でもより必要性が高まってくると考えます。その際、相談者の生活習慣や状態などの情報が多いほど薬剤師の指導、助言の一助になります。
 その上で、昨今は、スマートウオッチに心拍数や血圧、睡眠スコアなど様々なパーソナル・ヘルス・レコード、PHRを記録できるようになっており、これを利用しない手はないと思います。また、セルフケア、セルフメディケーションで活用するには相談者の手元の情報と薬剤師をつなぐツールが必要になってきます。
 そこで、現在、処方された薬がPHRとして電子お薬手帳で確認されていることを踏まえ、その電子お薬手帳へ一般用医薬品情報とともに心拍数や睡眠スコアなどをPHRとして組み込み、活用できるのではないでしょうか。セルフケア、セルフメディケーション推進に当たって、電子お薬手帳に幅広いPHRが登録されて、薬剤師や登録販売者が活用しやすい環境整備が有用と考えますが、政府のお考えをお聞かせください。
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城克文#22
○政府参考人(城克文君) 御指摘いただきましたように、限られた医療資源を有効に活用しながら国民の健康づくりを促進するために、セルフケア、セルフメディケーションを推進することは必要と考えてございます。このため、スイッチOTC化の推進のほかにも、電子版お薬手帳の活用推進、税制上のインセンティブでありますセルフメディケーション税制やその周知、広報等の取組を行ってきたところでございます。
 特に電子版お薬手帳につきましては、厚生労働省におきまして定めておりますガイドラインにおきまして、実装すべき機能として一般用医薬品等の登録機能を位置付けておりますほか、将来的に実現することが望ましい機能として、健康食品の購入、使用について記録することができる機能やバイタルデータ等の記録機能などを掲げ、民間事業者に対して機能の実装を求めてきたところでございます。既に一部の電子版お薬手帳ではこれらの機能が実装されているものと承知をいたしております。
 引き続き、適切なセルフケア、セルフメディケーションの推進とその環境整備等に向けまして取り組んでまいりたいと考えております。
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神谷政幸#23
○神谷政幸君 御回答ありがとうございます。
 今改正法案では、健康増進薬局の法制化も盛り込まれていますが、そういった視点や、受診勧奨を含めた機能を生かしてもらうことをお願いすると同時に、そこへつながるための方策の一つとしてPHRが活用しやすい環境整備をお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
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大椿ゆうこ#24
○大椿ゆうこ君 立憲・社民・無所属、社民党の大椿ゆうこです。
 このゴールデンウイークの期間、厚労省に関連して二つほどちょっと大きな動きがありましたので、法案の質問の前にその二点について簡単に質問をしたいと思います。
 福岡大臣、パラオ・ペリリュー島ですかね、での会談、大変お疲れさまでした。昨年、千人以上と見られる日本兵の集団埋葬地が見付かったことを受け、厚労省は、関連予算を昨年度の二倍の九千三百万円計上、現地パラオの協力を得ながら二〇二七年度までに御遺骨を収容するというお話を現地でされてきたということを報道で知りました。つまり、こういうふうに事態が変われば弾力的に予算を計上することができるんだなということもこの報道から私は受け止めました。
 この委員会で私は度々長生炭鉱のことを取り上げておりますけれども、戦争によって、又は戦争に関連し、八十年たってもなお御家族の元に帰ることができていない御遺骨というものは本当にたくさんございます。更に力を入れていただくことを福岡厚労大臣には強くお願いを、改めてお願いをしたいなと思っていますが、大臣、現地に行った感想や、そして今後あらゆる御遺骨の収容に向けた決意、一言いただければと思います。
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福岡資麿#25
○国務大臣(福岡資麿君) 国会の御理解もいただいて、五月の四日から六日までパラオに行かせていただきました。
 激戦地でありますペリリュー島においては、当時の戦車であったり武器であったり、また日本兵が滞在されていたごう等を実際かいま見ることができまして、その当時の激戦の様子について十分うかがうことができたわけでございます。そして、遺骨収集をされる現場についても、八十年たっていますので、すごくもうジャングルのようになっていて、その大木を切り開きながら炎天下の中作業をやられる、そういう過酷さについても改めて感じてきたところでございます。
 改めて、さきの大戦で亡くなられた方々に心から哀悼の誠をささげますとともに、御指摘ありましたように、公文書等によりまして集団埋葬地としてある程度特定されたところに関しては、いち早く、もう八十年たっていますから、一刻も早く御遺骨を日本にお迎えできるように、そのスピードアップを図らなければいけないというふうに思っています。
 先方の大臣との会談の中でも、当然その作業を急ぐためにはこれまで以上に頻度を上げてその作業を行っていただく必要があるわけですが、現地においてはその現地スタッフが必ずそこに帯同するというような決まりになっていますことから、パラオ共和国の御理解もなければ進まないわけでございまして、そういった御協力を要請し、御理解をいただいてきたというところでございます。
 重ねてになりますが、一日も早くその御遺骨が祖国にお迎えできるような環境整備に努めてまいりたいと思っています。
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大椿ゆうこ#26
○大椿ゆうこ君 ありがとうございます。
 本当にパラオのみならず様々なところでこの御遺骨の問題というものはあります。一旦戦争になってしまえば、八十年たってもなお祖国に帰ることができない方々を生み出してしまうという戦争の責任の重さというものを私たちはしっかりと受け止めるとともに、そして、今なお帰ることができていない方々のために、厚生労働省、そして私たち委員もやっぱりこの問題に真剣に取り組んでいきたいなという思いを新たにしましたので、大臣、引き続きよろしくお願いします。
 そしてもう一点、障害年金をめぐり、支給を申請しても不支給と判定されるケースが二〇二四年に急増した件についてお尋ねします。
 二〇二三年度の二倍以上に急増し、約三万人に上るという問題です。なぜ不支給と判断される人がここまで急増したのか。大臣は、昨日の衆議院厚生労働委員会で、早期の実態把握に向けて日本年金機構などに抽出調査を指示したと答弁をされましたけれども、一体この調査結果というのはいつをめどに明らかになるのか、その御予定を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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福岡資麿#27
○国務大臣(福岡資麿君) 障害年金の認定件数につきましては、日本年金機構で集計を行った上で、障害年金業務統計として毎年九月に公表しておりますため、令和六年度の数値についてはまだ集計を終えておりません。ただ、今おっしゃいましたように、様々な報道出ておりますことから、令和六年度の認定状況について抽出して調査を行うように指示を行ったところでございまして、その実態把握について日本年金機構とも連携しながら行ってまいりたいというふうに思います。
 いつ頃までかということでございますが、一か月後を目途に公表できるように作業を進めたいと考えております。
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大椿ゆうこ#28
○大椿ゆうこ君 四月二十八日の共同通信の記事によりますと、障害年金センターに二〇二三年十月の人事異動で就任したセンター長が障害年金申請書類の要件を厳格化したと報じています。センター長の厳しい方針を受け、職員が判定医に低い等級や等級非該当と提案するケースが増えたため不支給が増加したと、同センター職員が取材に答えています。
 大臣、センター長への聞き取り調査は予定されているでしょうか。
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福岡資麿#29
○国務大臣(福岡資麿君) 令和六年度の認定状況の調査の中で、その必要な対応について行ってまいりたいと思います。
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