内閣委員会公聴会
○和歌森公述人 お答えします。ただいまのお話は、私の学問に非常に近い話ですが、私は実際は文献一本やりでない主義で歴史をやっておりまして、口碑を十分に調べて、民族学でございますから、民族伝承になっておる言い伝えの方を非常に重い材料と見るのであります。そういう点で、私どもの調べた中で感じられますことは、年代とか時とかいうものに関しましては、口碑はまことにおぼろであって、それがずっと内容的には真実な形で伝わってきていても、年代がさだかでない口
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発言数 22件
初発言日: 1957-05-08 / 最新発言日: 1957-05-08 / 1 ページ目 / 全体 2ページ
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○和歌森公述人 お答えします。ただいまのお話は、私の学問に非常に近い話ですが、私は実際は文献一本やりでない主義で歴史をやっておりまして、口碑を十分に調べて、民族学でございますから、民族伝承になっておる言い伝えの方を非常に重い材料と見るのであります。そういう点で、私どもの調べた中で感じられますことは、年代とか時とかいうものに関しましては、口碑はまことにおぼろであって、それがずっと内容的には真実な形で伝わってきていても、年代がさだかでない口
○和歌森公述人 これは私の専門ではございませんけれども、今の考古学の通説から推しまして、六、七千年前から日本列島には人間が住んでいたというふうに理解しております。
○和歌森公述人 もちろん人間のあるところですから、社会生活はありました。
○和歌森公述人 私は日本歴史と日本の民俗学、この両方の学問の境界線において研究をしておるものでありますが、特にお祭とか年中行事について専攻しております。その立場からこの問題についての学問的な私の考えを申し上げたいと思うのでありますが、現在行われております国民の祝日というものが、非常にずさんにでき上っているということは、私どもの目から見て十分に感ずるのであります。それが慎重な学問的な根拠に基いて、あるいは日本の民衆の伝統に基いて制定されて
○和歌森公述人 申し上げます。私は建国記念日を歴史の古いような国では持っていないというふうに確かに申し上げましたが、その歴史が古いということは、歴史そのものの古いということよりも、かなり年代がさかのぼるがために、その国の統一の時期というものがはっきり定めがたい、そういうふうな確実性を持っていないところにおいては、これをあえて持たなかったという意味でありまして、大体イギリスの方ではそういった国の祝祭日をどういう動機で設けたかと申しますと、
○和歌森公述人 お答えします。愛国心と申しますのも、いろいろやはり社会生活の段階に応じて性格が違ってくると思います。私どもは民族同胞愛がイコール愛国心であるというふうに思っております。明治、大正、戦争時代までの愛国心というものは、御承知のような忠君愛国というような形のもので、上下の関係でそれが律せられておりましたが、横に民族同胞の連帯感を強めるもの、民族が国をなして、迷惑をかけないようにみんなが協調するというふうな方向をとるのが愛国心で
○和歌森公述人 お答えします。今日の思想的混迷と申しますか、錯雑している状況、これはやはり認めざるを得ないと思います。それだからといって、やはり統制をしようという……。
○和歌森公述人 お答えします。明治以来の日本の異常な発展――異常と申してもいいと思いますが、そういう発展に、根源において日本人の民族的エネルギーと申しますか、そういうものが燃え盛ったということは十分認められると思います。それがどういう方向行へったか、あの時代、あの国際社会の中において、日本のあり方から見まして、そのように燃え盛ってああいう国家を作ったということはそれ相応に意義があり、とうといことであったと私は思います。しかしまたその後こ
○和歌森公述人 統制力を発揮して、それを整理するということじゃないですか。
○和歌森公述人 ということは、みんながお互いに話し合って、国民が納得いくところでそういう秩序をきめる方向へ持っていくようにすべきものなのでありまして、あえて祝日を一日制定することによって、これが効果あるというふうにお考えになることが、おかしいと私は思いますが、もしそういったものが、今の混迷を統一化するといいますか、そういうことに効果があるとすれば、何かそれと伴って、もっと大きな力をいろいろ関連的に発動するようになることを期待されているの
○和歌森公述人 ここでは、やはり考古学の業績の方に私たちは教えを受けるわけでありますが、今日の考古学の定説になっておりますことは、縄文式文化という時代が非常に長く続きまして、これが数千年、まあ五千年くらい続いておりまして、この段階でも相当に漸次的進歩というものはあった。それは文化の度合をはかってみて考えられるわけでありますが、しかし非常な顕著な文化――このブロックに大きなすぐれた文化があって、こっちのブロックに貧しい文化があるといったよ
○和歌森公述人 初めに朝鮮と比べてのお話ですが、情ないことですけれども、確かに古代史を見ますと、中国あるいは朝鮮の方が、日本よりも文化が進んでおりました。そういう支配、被支配の関係なんかも早くできたようであります。それがそうだからといって、日本もそれ相応に古くそういう秩序ができていたはずであるというふうには、どうも考古学の方の傍証は得がたいのではないかと思います。将来弥生式文化に対する研究とか、縄文式文化の末期の研究というものがもっと進
○和歌森公述人 二月十一日は、文明開化になって、ハイカラな気持で太陽暦に換算しなければならぬということでやったのですが、旧暦でいえば正月の一日、春の初めなんですね。ですからその方がむしろ昔の人の考えたことに近いのです。どうせ二月十一日が客観的な建国の日というように、明確な科学的な説明ができないことなんですから、そういうふうなものを無理にきめるよりも、はっきりしているのはとにかく一月一日に即位した、そういう考えなんですから、それを取り込ん
○和歌森公述人 それは政治的に扱っていると私は考えません。学問的に扱っているにすぎないのじゃないかと思います。それから教科書なんかでも、私の場合でしたら小さい活字になりましたが、神武天皇がこうこうであったと日本書記では伝えているというようなことを言っておりますし、話のついでにこういう紀元節の呼び声がありますと、これは前にあったものであって、実はこういう根拠に基いている、日本書紀にこう書いてあるからどうだと説明なさっている先生方も非常に多
○和歌森公述人 私は明治五年の太政官布告を、そういうふうに、御用学者がやったというような解釈は絶対にいたしません。またそういうことを言ったことはありませんが、それはきっと飛躍的に考えた説ではないかと思いますが、戦争中のことを思い出していると思います。やっぱり相当興奮いたしました熱狂的な民衆が、二月十一日に私的に建国祭をやった、それと紀元節というものをごっちゃにした判断だろうと思います。
○和歌森公述人 ほかの国の例でも国の独立なりあるいは革命の記念日をいわば建国の日として持っていることは確かであります。それはやはり歴史的な記念日として非常に明確であるということによっていると思います。 それからもう一つは国というものの考え方ですが、今日の日本国というものを戦争前の日本国というものとどれほどに近いものと考えるか、非常に革新的な新しい体制を開いている国なのだ、今はあの延長上にあるものではないというふうに考える、そういう考
○和歌森公述人 国を愛する心を養う、そういう理由でこの問題が提案されているのは、私には非常にふに落ちない。これは先ほども申しましたが、国を愛する心を養うためにはいろいろな方法があり、手段があると思うのであります。どうしてこの建国記念日をここに設定することによってそれをねらわれるのか。これは邪推かもしれませんが、おそらくは二月十一日という日が、この前の時代の終るまでの間の愛国心教育ということと不可分に設けられて祝われていたから、そういうと
○和歌森公述人 私たちの大学の創立記念日は十月三十日でありますが、決してこの日に創立されたものじゃない。歴史的な記念日ということの内容ですが、それは客観的にわかりようがなくとも、あるいはわかっても、とにかく自由な設定できめられてきたものであります。大体そういうものだから二月十一日だってけっこうじゃないか、歴史の問題を越えてよろしいじゃないかということになりますけれども、その二月十一日の持ち方というものが大正、昭和の歴史を顧みて非常にいろ
○和歌森公述人 注意しながら復活せよという意見は割にインテリの間にもあります。ところがこれは時代に相応するということで、国民感情はこういうふうに向いておるところだから、現代はこうだというふうに簡単にとっていることからきておるのでしょうが、せっかくの新しい時代を開こうと思って昭和二十年八月以来、みなが決意した、その方向で、今日十分軌道に沿って進んでいないということを痛感するのです。そういう点で今の動向といいますか、時代というよりも動きとい
○和歌森公述人 申し上げますが、昭和二十一年――二十年の後期からでよろしいのですが、その段階からわれわれは新出発したという自覚を持っております。それでいろいろなことを社会生活についてみんな考え合い、教育の方でもそういうことをやって参りましたのですが、そういう教育によって養成された人々が、この日本の社会、国家の中堅として働けるようになった、そういう段階においてかなり冷静に建国の問題を判断できるのではないか。今非常に混迷しておりまして、非常