法務委員会
○参考人(村井敏邦君) 一橋大学名誉教授の村井です。 一応、肩書、弁護士というのも付いておりますが、ほとんど弁護士の活動らしいものをしておりませんので、今日の肩書は名誉教授というだけで、刑事法を専門にして研究してきた者の立場から、この法案に対する反対の意見を述べさせていただきます。 お手元にレジュメを配らせていただきました。 まず、基本的なところですね。刑法の原則は何か。行為主義原則というのが刑法の原則です。行為者を中心とす
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発言数 61件
初発言日: 1999-07-22 / 最新発言日: 2017-06-13 / 1 ページ目 / 全体 4ページ
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○参考人(村井敏邦君) 一橋大学名誉教授の村井です。 一応、肩書、弁護士というのも付いておりますが、ほとんど弁護士の活動らしいものをしておりませんので、今日の肩書は名誉教授というだけで、刑事法を専門にして研究してきた者の立場から、この法案に対する反対の意見を述べさせていただきます。 お手元にレジュメを配らせていただきました。 まず、基本的なところですね。刑法の原則は何か。行為主義原則というのが刑法の原則です。行為者を中心とす
○参考人(村井敏邦君) はい。 テロ集団等の組織犯罪集団に限定されるのかということですが、この点も、テロ集団についての定義はありません。さらに、「その他」によって限定されない。組織的犯罪集団の団体の行為が、一般人とは違うんだと、これを入れたことによって一般の企業を処罰するようなものではないということですが、しかし実際、私が意見書を書いたものの中に、証券会社が業績悪化を知らせずに客を募集した場合、組織的詐欺集団であって、その従業員も共
○参考人(村井敏邦君) もしそうならば、準備罪というのは確かにあります。通貨偽造罪における準備罪というのがあるんですが、これは予備罪と考えられているんですね。要するに、その実行行為をする危険性が高いものについては実行行為前に準備罪として処罰すると、予備罪です。予備罪という形ならば理解できます。しかし、予備ではないということを言っている。予備までの危険性を必要としないんだということを言いながら、オーバートアクトではないからより慎重なんだと
○参考人(村井敏邦君) 先ほども私が言いましたように、英米の場合に共謀罪を設ける場合にはオーバートアクトを要求するというのが一般的になっております。したがって、オーバートアクトとして準備的行為を設けたというのは英米と同様だということになるわけですが、例えば先ほど例として出しましたロス疑惑事件の起訴状の場合に、オーバートアクトとして二十ぐらいの数の行為が挙げられております。これが起訴状の中に記載されて具体的にそれに対する攻防が行われるとい
○参考人(村井敏邦君) テロというのが何であるかというのが一つの問題だというお話もしましたけれども、各地で起きている、各国で起きている事態に対してどう対応するのかということについては、基本的には刑罰によっては防げないというのが、刑法を専門にしている人間がこう言うのもあれですけれども、基本はやはり社会政策をきちっとすることによってしか防ぐことはできぬだろうと。起きてしまえばおしまいだという。むしろ、そのテロをしようという気持ちを起こらない
○参考人(村井敏邦君) 私もそうで、条約で、それだけでは駄目で、インテリジェンス活動等をする、かえってその方が怖いですね。そういうので情報を収集する、そしてテロと目される人を事前に何とかしようというのでは、実際それは有効には機能しないというふうに言われてきておりますが、仮にそれが有効に機能したとしても、それは我々が望む社会ではないだろうというふうに思います。 先ほど来言っているように、やはりテロを起こすのを防止するということであって
○参考人(村井敏邦君) 少し、矛盾ではないですけれども、違うことだろうというふうに思いますね。組織的に行われることについては、被害が大きくなるから、その被害の大きさということを考えて刑を重くするというのは従来から考えられてきたことであるわけです。しかし、だから計画準備段階、要するに実行行為がなくてもいいんだというのは、組織性とはそれ自体としてはつながってこないことだと思います。 この組織性を付け加えたのは制限する意味だというように言
○参考人(村井敏邦君) 先ほども言いましたけれども、処罰を早期化する、要するに行為がなくてもその前の段階で危険があれば処罰していこうという一つの傾向に沿った考え方だというふうに思いますけれども、この危険が具体的でなければ処罰しないというのが基本的な考え方です。ところが、準備とか計画というのは準備的行為を要求するけれども、そこまでの危険性はなくていいんだというふうに言われてきている。したがって、危険性も基準にはならない。法益侵害の危険性と
○参考人(村井敏邦君) 政府に聞かなきゃ分からないので私が答える筋合いのものであるかどうか分かりませんけれども、特定秘密保護法については、小笠原みどりさんがインタビューした中でエドワード・スノーデンが言っているのは、これはアメリカの先ほど来出ているインテリジェンスからの示唆で作られたものであるというふうに公然と言っておるわけですが、これを否定するのかどうかというのは分かりませんけれども、そういう背景がある。この共謀罪については確証はあり
○参考人(村井敏邦君) 日本の最初の共謀罪の規定というのは爆発物取締罰則でして、これは当時、明治初期ですが、の自由民権運動を抑圧するための法律として設けられたものなんですね。したがって、このとき、爆発物取締罰則の制定そのものが、自由、人権という点からいうと大変問題のあることで、これがなぜ制定されたかというと、これは実はイギリスの当時のエクスプロージョンアクトというのをそのままそっくり持ってきて、その中に共謀罪というのが入っていたので、そ
○参考人(村井敏邦君) アメリカの場合には、吸収されずに独立で処罰されるというのがある意味では共謀罪の一つの大きな特徴なんですね。日本の場合には、従来のやり取りの中でも吸収されるというふうに言われてきています。ただ、吸収されるという保証はありません。 先ほども言いましたけれども、今度計画罪になった場合に、共謀罪について議論したものが、共謀共同正犯ですが、共謀共同正犯と計画罪というのは別物であるというように議論することも可能なのですね
○参考人(村井敏邦君) 恐怖政治をしくつもりならば、有効なのは、ターゲットとされる危険な人物に全部監視を付けて、監視どころか拘置してしまうということがいいでしょう。そういうふうに提案、そういうふうにしなければテロは防げないんだというふうに言っている元捜査官もいるようです。しかし、これは私の推奨するところでない。これはかえって大変恐ろしい事態になる。まさにテロリズムです、これが。本当の意味でのテロリズムがこれだろうというふうに思いますが、
○参考人(村井敏邦君) 一番最後のところからいきますと、二百七十七の犯罪、共謀罪を設けることによって、それを徹底すればテロ対策大丈夫なんだという趣旨の発言がありましたけれども、二百七十七の捜査をし、それを起訴し、有罪にするということは可能なのかですね。現在の捜査陣の中で二百七十七もの犯罪を共謀罪で摘発することが可能なのかというと、これは今の体制では不可能だろうというふうに思います。 まず、捜査の端緒をどう発見するのかですが、これには
○参考人(村井敏邦君) じゃ、私は、最後に言うとすれば、ともかく慎重な審議を再度お願いしたいというふうに思います。 二百七十七の共謀罪というのは、一つ二つではないので、刑法の原則を大幅に変えるというような重大な法案ですので、これをもう強行採決で通してしまおうというように考えていただきたくない。参考人質疑が単なる儀式で終わらないように是非これから十分な審議を尽くしていただきたいと思います。
○村井参考人 村井でございます。 私は、一橋大学、さらに龍谷大学において少年法を講じております。現在は、大阪学院大学の法科大学院で刑法を議論しておりますけれども、少年法も専門としてやっております。二〇〇〇年の改正のときには、参議院の方に参考人として参加させていただきました。 弁護士も一応やっておりまして、資料のところに、弁護士として付添人をやった経験を少し述べさせていただいております。数少ない中で、万引き事件ですけれども、少年事
○村井参考人 私が考えるところでは、少年の再非行率というのが最近上がっているということはありません。先ほどおっしゃったのは、むしろ、この法案によって再犯を抑えることができるのか、犯罪予防効果があるのかということを私なぞは疑問に思っているわけです。刑を上げることによって再非行なり犯罪が減るわけではない。現実の犯罪の状況というのは、このところずっと少年非行は減ってきております。凶悪犯罪は特にずっと減ってきているんですね。そういう事実を見ます
○村井参考人 現実に、どのような事件が再犯しないものであったかというのは、むしろ実務家の、私も一応実務家の端くれではありますけれども。 例えば、詐欺等ではないんですが、かつてありましたコンクリート詰め女子高生殺害事件。この少年たちは刑務所に入りました。そのうちの一人、B少年と言っておりますが、この少年は、刑務所の中でコンピューターの技術を身につけまして、見事に更生しました。 ところが、更生した後、社会へ出まして、自分が人殺しとみ
○村井参考人 私は、検察官と弁護人とを比較して、弁護人の方が事実認定にたけているということは言っておりません。 それから、今出された事案と逆の事案を一応出しておきますが、草加事件。 草加事件においては、少年審判において少年の非行が認められて、民事裁判においてこれが覆されました。このときの有罪の、大きく有罪と言っておきますけれども、非行が認められた事実というのは、およそあり得ない、こんなことをどうして裁判官が信じるのという、血液型
○村井参考人 私も、先ほどの武さんの発言については賛成です。 適正な事実、先ほどもお話ししましたけれども、事実をないがしろにしてはいけない。その事実をちゃんと少年に知らせる。その際に、少年が場合によってうそをつけば、付添人はやはりそれを正すという役割も当然あります。現にそれをやっているわけですね。その上で、真摯に自分の事件に向き合って、そして、その事実を認めたら、基本的には被害者に謝罪するということが出るわけです。 だから、事実
○村井参考人 今のような複雑な事件の場合に、確かに裁判官は事実認定に苦慮するだろうと思います。ただ、それが検察官が立ち会うことによって整理されるのかというと、必ずしも、これは民事の場合でもあり得るわけですから、事実の複雑なものは幾らでもあります。 やはりそれを整理してやるのは裁判官の役割なわけですから、裁判官がきちっとする。その場合に、一人じゃ足りないので三人というようなシステム、法改正でできました合議制、私は必ずしも賛成ではないん