憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会
○田口参考人 早稲田大学の田口でございます。 本日は、憲法調査会の場での発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。私の専門は刑事訴訟法でございますけれども、刑事訴訟法は応用憲法とも言われるほど憲法と関係が深いわけであります。そういうことから私に発言の機会が与えられたものかと考えております。 ただ、本日お示しいただきました論点は、非常に幅が広いといいましょうか、多くございまして、以下、レジュメに従いまして申し述べます
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発言数 42件
初発言日: 1999-07-22 / 最新発言日: 2004-05-27 / 1 ページ目 / 全体 3ページ
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○田口参考人 早稲田大学の田口でございます。 本日は、憲法調査会の場での発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。私の専門は刑事訴訟法でございますけれども、刑事訴訟法は応用憲法とも言われるほど憲法と関係が深いわけであります。そういうことから私に発言の機会が与えられたものかと考えております。 ただ、本日お示しいただきました論点は、非常に幅が広いといいましょうか、多くございまして、以下、レジュメに従いまして申し述べます
○田口参考人 幾つかの問題があろうかと思いますが、まず、現実の必要に迫られて、憲法の予定するあるべき刑事手続がいわば変容してきたのではないか、こういう御指摘があります。 この点につきましては、憲法あるいは刑事訴訟法の定めた公判中心主義、当事者主義というものは一種の理想論であって、日本の現実は違うのだ、こういう議論もありますが、私は、必ずしも、日本という国あるいは日本の国民の国民性というものがそういった憲法規範というものとは違う要求を
○田口参考人 倉田先生の御指摘は一々ごもっともでございますが、御指摘のように、現行法の解釈論という問題が一つあって、それから、あるべき立法論はどうあるべきか、二つの問題、分けて議論するべきだろうと思いますが、現行法の範囲内で立ち会い権をどう認めるかという問題も議論できなくはないとは思います。やってできなくはない。ただし、現行法の枠内での立ち会いを解釈論として認めるのはかなり困難であるという理解をしております。 では、どうあるべきかと
○田口参考人 私も、先ほど申しましたように、十三条が基本だろうとは思うんですが、例えばフランスなんかの議論を聞いていますと、あそこは社会連帯という言葉が定着している国なんですけれども、社会連帯、助け合いだと思いますね。助け合いで困っている人を助ける、こういうようなことから被害者支援のシステムを立ち上げている、そういう説明をしておりますが、日本でいきますと、その議論というのはどっちかというと二十五条にも関係してくるかなと思います。 し
○田口参考人 全くおっしゃるとおりでありまして、弁護人の立ち会いを認めて世界レベルに達するということは検討すべき課題だと思います。 御指摘の点は、簡単に申せば、先ほどのように英米、ドイツにおいて身柄拘束にリミットがないということですね。したがいまして、無理な取り調べをする必要もない。ですから、極端に言いますと、六カ月あるいは一年起訴前勾留をしておもむろに起訴をするということもあるわけであります。いわば無理な取り調べをしない長期拘束と
○田口参考人 最後に申し上げたかったことは、国家と国民とのいわば二項対立的な関係というものを何とか克服するのが新しい時代ではないか、それに取り組もうとしているということで、おっしゃるような危惧はわからないでもないんですが、新しい時代に対する権利関係、人権関係というものを考えていく必要があるというのが私の理解です。
○田口参考人 大問題のお尋ねでございます。憲法三十六条が残虐という言葉を使っておるわけでありますが、私は、何をもって残虐と考えるかというのは、言うまでもなく、これは価値的な概念でありますが、歴史的な概念であるとも思います。時代の推移によって、残虐という言葉の意味内容、どういう人権の奪い方が残虐であるかということは、かなり歴史的な価値の問題が入ってきていると思います。場合によって、昔は残虐でなかったものが時代の推移によって残虐になったりす
○田口参考人 私は刑事のことしか考えておりませんので、全体的に、国民参加を憲法全体の色彩として全面に打ち出すべきかどうかという点について、ちょっとお答えするあれを持ち合わせておりませんけれども、基本的な私の考え方としましては、諸外国に見られるような非常に詳細な、膨大な憲法というよりも、憲法規範というものはある程度抽象的なシンボリックなものであって、それを法律規範が支えるという日本の現行のシステムというのは、私は、それはそれで存在価値があ
○田口参考人 報道の問題は現実の問題でもありまして、いろいろなところで問題が出ておりますが、私は、一つ根本的に考えなきゃならないと思いますのは、あるいはヨーロッパの報道等も比較しながら考えてみなきゃならぬというのは、国民というのは本当に細かいことを知りたがっているだろうかと。 マスコミの方は詳しいことはいいことだと信じておられるかと思いますけれども、そこは、どこまで詳しいことを国民が欲しているか、かつ、その詳しい情報を、いつの段階で
○田口参考人 全く新しいアイデアだとは思うんですけれども、今までそういう議論はしてこなかったんですが、外国の例からいきますと、厳密なタイムリミットは設けない、その上で自由に立ち会いなり接見なりを認めるという形でやっているのが外国の比較法的な例なわけですね。 今先生が御指摘なのは、多分その中間あたりのアイデアだろうと思うんですが、要するに持ち時間みたいなものですね。御指摘なのはそういうような制度だと思うんですけれども、そういうものが可
○田口参考人 先ほども申し上げたことですが、他国に例を見ない詳細な人権規定を憲法規範に設けるということは、御指摘のように歴史的な経緯がございますが、それを単なる過去の遺産にとどめないで、将来にわたって日本の刑事司法システムが人権を重視するシステムであるということを積極的にアピールしていくためにも、存在意義があるというふうに理解しています。
○田口参考人 非常に大きい質問だと思います。といいますのは、被疑者段階の弁護人活動についてのいろいろな問題点がたくさんあります。例えば、先ほど来問題になっておりますような立ち会いの問題、これは中核的な問題が一つあると思うんですが、それ以外にも、今御指摘のように、準備手続における証拠開示の問題も大きな柱だと思います。 先生が証拠開示の問題に一言触れられましたが、その点について言いますと、今度の新しくできた準備手続における証拠開示制度は
○田口参考人 国連を含め世界の動向について、必ずしも私は全部今承知しておりませんので、やや留保つきの発言になりますが、ヨーロッパ諸国については、死刑を廃止しているのが大勢であります。とりわけ、最近は日本人が世界に出ていくわけでありまして、いろいろなところで捕まったりするというようなことがあります。そのときに、犯罪者を引き渡すとか、そういった問題も現実に起きているわけですね。そういったときに、死刑のある国とない国で、身柄を引き渡したり引き
○田口参考人 一つは、法律が五年間という準備期間を設けておりまして、五年間で、裁判所を初め、あるいは我々大学人もそうかもしれませんが、大いにこの制度の趣旨を国民に説明したり普及したりするという努力はしなきゃならない、こう思っております。 今の数字なんですけれども、今まで司法制度改革審議会も、いずれかといえば、参加する国民の声を聞くというよりも、法曹専門家の声を聞いて議論してきたことは確かでありまして、参加の主体である国民の声をどれだ
○田口参考人 人を裁くというのは、かなり哲学的といいましょうか、ドストエフスキーを持ち出すまでもなく、自分に人を裁く資格があるかと問われると、それは非常に難しい問題だとは思います。 しかしながら、実を言いますと、少し主観的な答弁をさせていただくと、私は、人を裁くということを我々は本来避けることができないという理解を持っておるんです。そのことからいわば我々は免除されて、専門の裁判官や検察官たちにその職務を恐らくゆだねてきたんだろう、こ
○田口参考人 複雑な事情が絡んでいますから余り簡単に言うと危険ではあるんですけれども、非常にシンプルに定式化しますと、被害者保護が進まないとき、被害者は応報感情を持つというような一つのテーゼはあり得ると思うんです。 これは立証するのは難しいんですけれども、私が調べた限度では、財産犯については言えますね。財産犯について、示談が成立したら応報感情は減退する、これはかなり証明できるわけであります。生命犯罪についてはどうかといいますと、それ
○田口参考人 先ほども少し申し上げたことですけれども、日本の現状における犯罪報道というのは、ヨーロッパに比べますと、ほぼ無制約な状態だと思います。今のままでいいとは私も思いません。どうすればいいかというのは、いろんな対策があろうかと思うんですけれども。 先ほども申し上げましたように、犯罪が起きた直後に、実名、かつ、これは多くは警察発表に依存しますけれども、犯罪事実の詳細までも直ちに報道されるというのが日本では一応何の規制もない、こう
○田口参考人 かなり難しい問題の質問を受けたと思いますが、外国において性犯罪者の情報を社会なりあるいは共同体なりが知っているということは、私も聞いたことがあります。 それが日本でどうかということになりますと、理論的に言えば、果たして日本における刑罰理論と整合性を持つかどうかですね、先ほど社会復帰と申しましたけれども。そういう点で大きな問題がありますし、人権上も大きな問題があるとは思います。ただ、ではほうっておくのかということになると
○田口参考人 先ほども申し上げましたように、これは大問題でありまして、法律学者、刑事法学者、皆さん、恐らく最大の問題と理解している、こう思います。先生御指摘のように、今、世界の傾向といいましょうか、そういったものが廃止に向かっている、こういうこともそのとおりであります。 たまたま二週間ほど前に中国の学者と議論をする機会がございましたが、近い将来、中国においても、非暴力犯罪というんでしょうか、ノンバイオレントクライム、中身は財産犯罪だ
○田口参考人 一言だけ。 それは、本当に刑務所に入ったことのない人の意見だと思いますね。刑務所に入って生活を受けるということがどれだけすごい、その人の人生にとって大きな苦痛であるかということは大変なものがあって、死刑にならなければ平気だというようなことではないというふうに思います。