柴田吟三の発言 (運輸及び交通委員会)
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○柴田説明員 ただいまいろいろお話がございましたように、事情はまことにお氣の毒に存じます。しかしながら當時の書類について調べてみますると、大正十四年十一月に工事施行の認可が下りまして、その後數囘にわたりまして竣工期限の延期をしてまいつたのであります。その間九箇年を經過したのでありまするが、なお事業遂行の見込みがつきませんので、昭和十年に至りまして特許の取消があつたわけであります。また省の矢島線の開業は昭和十二年でございまするが、すでに矢島鐵道につきましては特許の取消がせられておりましたために、地方鐵道法に基すますところの買收または補償の方法によることを得なかつたのであります。地方鐵道法には、政府が地方鐵道に接近しまたは竝行して鐵道を敷設したために、地方鐵道業者が營業を繼續することができない場合には補償することになつておりますが。ここで敷設と申しまするのは、營業開始という意味でございまして、從いまして本件の場合につきましては、省線が營業開始のときにすでに矢島鐵道は特許を取消されておりますので、矢島鐵道の補償の途はないということになつております。また先刻も申されましたように行政訴訟が本件につきまして提起せられておりますが、これは敗訴になつておりますし、また民事訴訟につきましても、提起を取下げたというような經緯もありますので、事情はまことにお氣の毒に存じますが、事情はまことにお氣の毒に存じますが、目下のところ損害賠償に對する方法がないのであります。まことにその點は遺憾に存じます。