岩沢忠恭の発言 (国土計画委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○岩沢政府委員 ただいまの第一點でありますが、都會地轉入抑制の實施要綱につきましては、去年三月に實施いたしまして、その關係都市に大體基準というものをおいておるのであります。今御質問の第一の點は官公署の問題ですが、その點につきましてはこういうような方針で指示いたしまして、その範圍において現在やつておりのであります。すなわち第一點は、轉勤あるいは新任の際は必ずその轉入を承認しておる。それから第二は轉勤、新任によらざる轉入の際、たとえば東京都内の官公署に勤務するものであつて、東京都外から通勤するものが東京都内に轉入する場合は、査定を加えてしかるべく取扱つておる。それから第三が、官吏については、官吏待遇者を含んで、これをやはり優先的に轉入さす。こういうことになつております。
 それから會社關係につきましては、これが必須の業務に從事しておるかどうかという觀點から、個人の企業については關係方面と協議の上で、地域内における商業人口、業種別商業の飽和點というものを考えて、都市ごとに轉入を許容する基準を樹立することになつておりますから、從つてその抑制地域の都市の取扱いというものは、相當幅のある取扱いをしておる状態であります。それから當該地域における必須の業務に從事するものについて御説明を申し上げますと、これについては戰災とか、あるいはまた都市の經濟状態により相當異なる状態がありますから、これを全國畫一にきめることは非常に困難なことがありますので、各都市ごとにいろいろの基準を樹立して、これによつて判定をすることになつておるのであります。そのおもなるものについて例示いたしますれば、都市の復興業務に從事するような工業とか、あるいは生活必需物資の生産に從事する者、輸出品の生産に從事する者、生産用器材の生産に從來する者、都市復興用資材の生産に從事する者竝びに復興事業に從事する技術者及び勞務者、それから最後に電氣ガス、水道、交通、運輸、通信等の業務に從事する者等でありますけれども、もとよりこれは限定することなく、都市ごとに適當な基準を定めて取扱つておる状態であります。
 それから最後に學校關係の學生の問題でありますが、これにつきましては、やはり學生に對しては、第一に官公吏に取扱つたような轉勤とかあるいは新任というような一、二の場合と同じく、轉入學の場合と單なる轉入の場合とを分けまして、いわゆる家族の轉勤というような場合には緩かに、また單に轉入學するというような場合には、相當嚴密に査定を加えておるような状態であります。たとえば學生に家族がついて來て、家を一軒もつて、東京都内とかあるいはその他の抑制地域に入ろうというような場合においては、現在は轉入を許可いたしておりません。それから都市の附近に在住して、その都市から通學圏内にあるけれどもその地域外に存在する學校の學生、生徒についても、法規上本項の適用はいたしておりません。
 以上大體第二條における取扱いの方法を申し上げたのでありますが、要するに取扱い方法としては、各市の状況はまちまちでありますから、從つて大體の基準を内務省の方から示しまして、それについての運用は、各都市においてそれぞれ多少の違いが現在において行われておる状態であります。たとえば食糧とかあるいは家屋の状況が非常に好轉しておるような土地におきましては、相當寛にしておるし、また、また食糧とかあるいは住宅の状況が非常に惡い條件であるような場合においては、相當嚴格に轉入の抑制をしておるような状態であります。
 それから最後に、この法令をなぜ從來のポツダム宣言受諾に伴う政令でやらなかつたかという點につきましても一應御説明申し上げたいと思います。實はわれわれも從來から、こういつた新憲法における多少居住の自由を奪うようなものは、できるだけ早く解除して、そしていわゆる平和日本の建設に邁進したいということを念願しておる關係上、いろいろの條件が好轉すれば、その場合においてすぐ解除するという意味において、最初二十五都市を指定いたしておつたのでありますが、そのうちに第二囘目におきましては、豐橋と富山を解除し、そして第三囘以下の制限の場合においては、なお好轉しつつある都市を除外しようという考えであつて、その關係の都市とも、また關係の各省とも連絡いたしたのでありますが、今日までの状態では、やはり抑制してもらつた方がよろしい。こういう關係で、今日まで二十三都市が現存しておつたので、從つて現在におきましては、去年に比べれば多少食糧事情とか、あるいは住宅の關係その他の状況が好轉しつつある關係上、今囘はこの法案に出たようないわゆる三大地區以外を全部外したのであります。でありますから、從來と同じような政令でやればいいということは、一應考えておつたのでありますけれども、種種の關係で、これはやはり國會にかけて同意を求める。いわゆる法律として提案した方がよろしいのではないかというようなことから、ここに提出して、皆様の御審議を仰ぐことに相なつたのでありまして、實は政令で出す場合においては、いろいろ關係方面の手續を要する關係上、やはり國内的に處理する點から、法律においてこれを定めて進行した方がよかろうといふので、この法律として今日提案したような次第であります。

発言情報

speech_id: 100104316X02819471129_005

発言者: 岩沢忠恭

speaker_id: 22225

日付: 1947-11-29

院: 衆議院

会議名: 国土計画委員会