国土計画委員会
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会
会議録情報#0
昭和二十二年十一月二十九日(土曜日)
午前十一時十五分開議
出席委員
委員長 荒木萬壽夫君
理事 藤田 榮君 理事 細野三千雄君
理事 内海 安吉君 理事 松浦 東介君
理事 的場金右衞門君
足立 梅市君 伊瀬幸太郎君
松澤 一君 守田 道輔君
東 舜英君 生方 大吉君
田中 角榮君 村瀬 宣親君
今村 忠助君 高田 弥市君
野原 正勝君 木村 公平君
野本 品吉君 高倉 定助君
出席政府委員
法制局次長 井手 成三君
戰災復興院總裁 阿部美樹志君
戰災復興院計畫
局長 財津 吉文君
内務事務官 岩沢 忠恭君
文部事務官 日高第四郎君
委員外の出席者
農 林 技 官 田中 勉君
勞働事務官 江下 孝君
專門調査員 西畑 正倫君
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本日の會議に付した事件
都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案(
内閣提出)(第一一八號)
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この発言だけを見る →午前十一時十五分開議
出席委員
委員長 荒木萬壽夫君
理事 藤田 榮君 理事 細野三千雄君
理事 内海 安吉君 理事 松浦 東介君
理事 的場金右衞門君
足立 梅市君 伊瀬幸太郎君
松澤 一君 守田 道輔君
東 舜英君 生方 大吉君
田中 角榮君 村瀬 宣親君
今村 忠助君 高田 弥市君
野原 正勝君 木村 公平君
野本 品吉君 高倉 定助君
出席政府委員
法制局次長 井手 成三君
戰災復興院總裁 阿部美樹志君
戰災復興院計畫
局長 財津 吉文君
内務事務官 岩沢 忠恭君
文部事務官 日高第四郎君
委員外の出席者
農 林 技 官 田中 勉君
勞働事務官 江下 孝君
專門調査員 西畑 正倫君
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本日の會議に付した事件
都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案(
内閣提出)(第一一八號)
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荒
荒木萬壽夫#1
○荒木委員長 これより會議を開きます。
前會は都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案につきまして政府委員より提案理由の説明を聽取いたしたのでありますが、本日は引續き本案を議題として質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。
この発言だけを見る →前會は都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案につきまして政府委員より提案理由の説明を聽取いたしたのでありますが、本日は引續き本案を議題として質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。
岩
岩沢忠恭#2
○岩沢政府委員 本案を審議していただくに先立ちまして、現行の都會地轉入抑制措置の概略を御説明申し上げます。
今次の戰爭によりまして全國主要都市の大半は戰災を受け、都市の諸施設が破壊されました結果、各種生産力の低下を招來して、都市の復興促進にも少からぬ隘路となつております上に、食糧、住宅の不足は實に深刻なものでありまして、特に都市におきましてはその影響が大きく、甚だ不安な都市生活を營まねばならないような状態に立ち至る憂があるのでありまして、かようなときにおびただしい人口の無秩序な都市への流入を放置するときは、ますます各種の混亂を助長するのみであります。
そこで政府といたしましてはこれに對處するため、何らかの措置を講じたいと考え、終戰直後よりその具體化を研究してまいつたのでありますが、あたかも昨年一月關係當局よりも、前述のような觀點から早急に何らかの方策のとらるべきことを通達してまいりましたので、緊急にこれが具體策を立案して「ポツダム」宣言の受諾に伴い發する命令に關する件に基く都會地轉入抑制緊急措置令を公布、二十一年三月一日より實施いたしたのでありまして、都市の戰災程度、食糧住宅事情や交通の状態、治安状況等を總合判斷し、これら各種事情の好轉の場合は漸次抑制を解除するという前提のもとに、全國の人口十萬以上の都市中二十五都市を抑制の對象として指定いたしたのであります。この措置令施行の直後は、主旨不徹底の向きも多少あり、事務的な取扱上、紛凝をかもした事例も一、二ありましたが、今年に入りましてから、かような事もなく極めて順調に實施されているのであります。
さて、前に述べました通り、この轉入抑制は應急的かつ臨時のものでありまして、都市の諸事情の好轉によつて漸次指定を解除する方針でありましたが、その後の各都市の實情は必ずしも樂觀を許さぬものがありますので、二十一年五月、九月、十一月、及び本年の三月の四囘にわたり延期いたし、本年十二月三十一日まで繼續することになつておるのであります。ところでその有效期限も目捷の間に迫つておりますので、その善後措置を講ずるため、過般來各都市の實情を調査中でありましたところ、連合軍當局よりも本件についての希望もありましたので、政府も調査の結果を判斷の上この都會地轉入抑制法案を立案し、ここに提案した次第であります。
次に本法案の内容につきまして簡單に説明いたします。
現行の都會地轉入抑制措置令では、一、國民生活の再興のため當該地域内において必須の業務に從事する者及びその扶養する家族。二、當該地域内におる官公署に勤務する官公吏及びその扶養する家族。三、當該地域内にある學校にして地方長官の指定するもの、學生、生徒及び児疾、竝びに教職員及びその扶養する家族。四、外國または外地より歸還する者。五、その他内務大臣の定むる者。以上の五項目の一に該當する者で、當該市區町村長の承認を得た場合に轉入でき得ることになつているのでありますが、今囘追加改正の主要な點の一つは、本法案の第二條第二項の期限附轉入許可の條項であります。すなわち、從來の經緯に鑑みまして、轉入許可に際して一定の期限を附することができ得ることにした點であります。これは特殊勞務者とか、あるいは各種短期講習會、または指定都市周邊に災害等の起つた場合等、特別なしかもやむを得ない理由のある者には、特に期限を限定して許可するものであります。
改正の第二點といたしましては、指定都市の範圍についてであります。この點はなかなか輕卒には決定できませんので、事務當局といたしましてあらゆる觀點から愼重に考慮したのであります。すなわち前述いたしましたように、食糧、住宅、交通等の状況を中心に、復興の程度とか、過去における抑制の實施状況等を總合的に判斷いたしまして、特に都市が連擔し各種弊害の發生するおそれの多い東京都を中心とする京濱地區、大阪市を中心とする京阪神地區及び北九州の十四都市を指定いたしたのであります。主要な改正點は以上の如きものでありまして詳細は審議の進行に從つて御説明申し上げたいと思ひます。なお最後に本法を運營いたしてまいりますについての手續等は、從來の實績をも十分考慮の上、遺憾のないよう處置するため、目下事務當局でせつかく研究中であります。
以上簡單ではありますが、一應の概略を御説明申し上げた次第であります。
この発言だけを見る →今次の戰爭によりまして全國主要都市の大半は戰災を受け、都市の諸施設が破壊されました結果、各種生産力の低下を招來して、都市の復興促進にも少からぬ隘路となつております上に、食糧、住宅の不足は實に深刻なものでありまして、特に都市におきましてはその影響が大きく、甚だ不安な都市生活を營まねばならないような状態に立ち至る憂があるのでありまして、かようなときにおびただしい人口の無秩序な都市への流入を放置するときは、ますます各種の混亂を助長するのみであります。
そこで政府といたしましてはこれに對處するため、何らかの措置を講じたいと考え、終戰直後よりその具體化を研究してまいつたのでありますが、あたかも昨年一月關係當局よりも、前述のような觀點から早急に何らかの方策のとらるべきことを通達してまいりましたので、緊急にこれが具體策を立案して「ポツダム」宣言の受諾に伴い發する命令に關する件に基く都會地轉入抑制緊急措置令を公布、二十一年三月一日より實施いたしたのでありまして、都市の戰災程度、食糧住宅事情や交通の状態、治安状況等を總合判斷し、これら各種事情の好轉の場合は漸次抑制を解除するという前提のもとに、全國の人口十萬以上の都市中二十五都市を抑制の對象として指定いたしたのであります。この措置令施行の直後は、主旨不徹底の向きも多少あり、事務的な取扱上、紛凝をかもした事例も一、二ありましたが、今年に入りましてから、かような事もなく極めて順調に實施されているのであります。
さて、前に述べました通り、この轉入抑制は應急的かつ臨時のものでありまして、都市の諸事情の好轉によつて漸次指定を解除する方針でありましたが、その後の各都市の實情は必ずしも樂觀を許さぬものがありますので、二十一年五月、九月、十一月、及び本年の三月の四囘にわたり延期いたし、本年十二月三十一日まで繼續することになつておるのであります。ところでその有效期限も目捷の間に迫つておりますので、その善後措置を講ずるため、過般來各都市の實情を調査中でありましたところ、連合軍當局よりも本件についての希望もありましたので、政府も調査の結果を判斷の上この都會地轉入抑制法案を立案し、ここに提案した次第であります。
次に本法案の内容につきまして簡單に説明いたします。
現行の都會地轉入抑制措置令では、一、國民生活の再興のため當該地域内において必須の業務に從事する者及びその扶養する家族。二、當該地域内におる官公署に勤務する官公吏及びその扶養する家族。三、當該地域内にある學校にして地方長官の指定するもの、學生、生徒及び児疾、竝びに教職員及びその扶養する家族。四、外國または外地より歸還する者。五、その他内務大臣の定むる者。以上の五項目の一に該當する者で、當該市區町村長の承認を得た場合に轉入でき得ることになつているのでありますが、今囘追加改正の主要な點の一つは、本法案の第二條第二項の期限附轉入許可の條項であります。すなわち、從來の經緯に鑑みまして、轉入許可に際して一定の期限を附することができ得ることにした點であります。これは特殊勞務者とか、あるいは各種短期講習會、または指定都市周邊に災害等の起つた場合等、特別なしかもやむを得ない理由のある者には、特に期限を限定して許可するものであります。
改正の第二點といたしましては、指定都市の範圍についてであります。この點はなかなか輕卒には決定できませんので、事務當局といたしましてあらゆる觀點から愼重に考慮したのであります。すなわち前述いたしましたように、食糧、住宅、交通等の状況を中心に、復興の程度とか、過去における抑制の實施状況等を總合的に判斷いたしまして、特に都市が連擔し各種弊害の發生するおそれの多い東京都を中心とする京濱地區、大阪市を中心とする京阪神地區及び北九州の十四都市を指定いたしたのであります。主要な改正點は以上の如きものでありまして詳細は審議の進行に從つて御説明申し上げたいと思ひます。なお最後に本法を運營いたしてまいりますについての手續等は、從來の實績をも十分考慮の上、遺憾のないよう處置するため、目下事務當局でせつかく研究中であります。
以上簡單ではありますが、一應の概略を御説明申し上げた次第であります。
荒
今
今村忠助#4
○今村(忠)委員 質問いたしたい事項は、就職關係、住宅、職業にわたるのでありますが、それらの政府委員はまだ見えておりませんから、これはしばらく保留いたしまして、國土局長に對して御質問いたします。
第二條の第二項に「當該地域内に在る官公署に勤務する官公吏」ということがあります。しきりに地方の青年から就職等を希望してくる者があるのであります。これは官公署に勤務する官公吏という説明にもなるわけでありますが、現在は地方にあるが、官公署にその後就職ができれば轉入することは可能であるかどうか。またここには官公署と書いてあるのでありますが、民間會社の場合であつては、第一項の國民生活を再興するための特に必要なものという以外にいかないものであるかどうか、この點であります。
それから第三項の當該地域内にある學校の生從、學生はいいことになつておるのでありますが、實際問題として、私、大學に關係しておることから、いろいろなことを知つておるのです。たとえば東京の大學の學生は、東京都内に轉入できるのでありますが、下宿等がないために横濱ないしその他のところに下宿をしなければならない状態にあります。その場合に東京都には轉入できるのではありますが、横濱に轉入できないために、これらの學生は實際問題としていわゆる都市轉入ができずにおるわけであります。こういうものには何か特別の計らいが第三項によつてできるものかどうか。
それから第三番目といたしまして、從來は勅令で、しかもごく臨時的なものとして、順次その有效期限を延長しておつたのでありますが、これを今囘抑制法といつた法律の形にしてまいつたということは、一應どうかと考えられるのであります。これを法律にせずして、ある期間有效にする政令のごときものが出せないものかどうか。これは實際の取扱いの上において、これらの意味のことは政令では不可能であるかもしれませんが、その點を明らかにしてもらいたい。言いかえれば、法律にせずしてこれらのことを實際に效果をあげ得るようにする方法はないのかどうかということであります。一應この三點について御質問いたしたいと思います。その他のことは係の政府委員が出てからのことにいたしたいと思います。
この発言だけを見る →第二條の第二項に「當該地域内に在る官公署に勤務する官公吏」ということがあります。しきりに地方の青年から就職等を希望してくる者があるのであります。これは官公署に勤務する官公吏という説明にもなるわけでありますが、現在は地方にあるが、官公署にその後就職ができれば轉入することは可能であるかどうか。またここには官公署と書いてあるのでありますが、民間會社の場合であつては、第一項の國民生活を再興するための特に必要なものという以外にいかないものであるかどうか、この點であります。
それから第三項の當該地域内にある學校の生從、學生はいいことになつておるのでありますが、實際問題として、私、大學に關係しておることから、いろいろなことを知つておるのです。たとえば東京の大學の學生は、東京都内に轉入できるのでありますが、下宿等がないために横濱ないしその他のところに下宿をしなければならない状態にあります。その場合に東京都には轉入できるのではありますが、横濱に轉入できないために、これらの學生は實際問題としていわゆる都市轉入ができずにおるわけであります。こういうものには何か特別の計らいが第三項によつてできるものかどうか。
それから第三番目といたしまして、從來は勅令で、しかもごく臨時的なものとして、順次その有效期限を延長しておつたのでありますが、これを今囘抑制法といつた法律の形にしてまいつたということは、一應どうかと考えられるのであります。これを法律にせずして、ある期間有效にする政令のごときものが出せないものかどうか。これは實際の取扱いの上において、これらの意味のことは政令では不可能であるかもしれませんが、その點を明らかにしてもらいたい。言いかえれば、法律にせずしてこれらのことを實際に效果をあげ得るようにする方法はないのかどうかということであります。一應この三點について御質問いたしたいと思います。その他のことは係の政府委員が出てからのことにいたしたいと思います。
岩
岩沢忠恭#5
○岩沢政府委員 ただいまの第一點でありますが、都會地轉入抑制の實施要綱につきましては、去年三月に實施いたしまして、その關係都市に大體基準というものをおいておるのであります。今御質問の第一の點は官公署の問題ですが、その點につきましてはこういうような方針で指示いたしまして、その範圍において現在やつておりのであります。すなわち第一點は、轉勤あるいは新任の際は必ずその轉入を承認しておる。それから第二は轉勤、新任によらざる轉入の際、たとえば東京都内の官公署に勤務するものであつて、東京都外から通勤するものが東京都内に轉入する場合は、査定を加えてしかるべく取扱つておる。それから第三が、官吏については、官吏待遇者を含んで、これをやはり優先的に轉入さす。こういうことになつております。
それから會社關係につきましては、これが必須の業務に從事しておるかどうかという觀點から、個人の企業については關係方面と協議の上で、地域内における商業人口、業種別商業の飽和點というものを考えて、都市ごとに轉入を許容する基準を樹立することになつておりますから、從つてその抑制地域の都市の取扱いというものは、相當幅のある取扱いをしておる状態であります。それから當該地域における必須の業務に從事するものについて御説明を申し上げますと、これについては戰災とか、あるいはまた都市の經濟状態により相當異なる状態がありますから、これを全國畫一にきめることは非常に困難なことがありますので、各都市ごとにいろいろの基準を樹立して、これによつて判定をすることになつておるのであります。そのおもなるものについて例示いたしますれば、都市の復興業務に從事するような工業とか、あるいは生活必需物資の生産に從事する者、輸出品の生産に從事する者、生産用器材の生産に從來する者、都市復興用資材の生産に從事する者竝びに復興事業に從事する技術者及び勞務者、それから最後に電氣ガス、水道、交通、運輸、通信等の業務に從事する者等でありますけれども、もとよりこれは限定することなく、都市ごとに適當な基準を定めて取扱つておる状態であります。
それから最後に學校關係の學生の問題でありますが、これにつきましては、やはり學生に對しては、第一に官公吏に取扱つたような轉勤とかあるいは新任というような一、二の場合と同じく、轉入學の場合と單なる轉入の場合とを分けまして、いわゆる家族の轉勤というような場合には緩かに、また單に轉入學するというような場合には、相當嚴密に査定を加えておるような状態であります。たとえば學生に家族がついて來て、家を一軒もつて、東京都内とかあるいはその他の抑制地域に入ろうというような場合においては、現在は轉入を許可いたしておりません。それから都市の附近に在住して、その都市から通學圏内にあるけれどもその地域外に存在する學校の學生、生徒についても、法規上本項の適用はいたしておりません。
以上大體第二條における取扱いの方法を申し上げたのでありますが、要するに取扱い方法としては、各市の状況はまちまちでありますから、從つて大體の基準を内務省の方から示しまして、それについての運用は、各都市においてそれぞれ多少の違いが現在において行われておる状態であります。たとえば食糧とかあるいは家屋の状況が非常に好轉しておるような土地におきましては、相當寛にしておるし、また、また食糧とかあるいは住宅の状況が非常に惡い條件であるような場合においては、相當嚴格に轉入の抑制をしておるような状態であります。
それから最後に、この法令をなぜ從來のポツダム宣言受諾に伴う政令でやらなかつたかという點につきましても一應御説明申し上げたいと思います。實はわれわれも從來から、こういつた新憲法における多少居住の自由を奪うようなものは、できるだけ早く解除して、そしていわゆる平和日本の建設に邁進したいということを念願しておる關係上、いろいろの條件が好轉すれば、その場合においてすぐ解除するという意味において、最初二十五都市を指定いたしておつたのでありますが、そのうちに第二囘目におきましては、豐橋と富山を解除し、そして第三囘以下の制限の場合においては、なお好轉しつつある都市を除外しようという考えであつて、その關係の都市とも、また關係の各省とも連絡いたしたのでありますが、今日までの状態では、やはり抑制してもらつた方がよろしい。こういう關係で、今日まで二十三都市が現存しておつたので、從つて現在におきましては、去年に比べれば多少食糧事情とか、あるいは住宅の關係その他の状況が好轉しつつある關係上、今囘はこの法案に出たようないわゆる三大地區以外を全部外したのであります。でありますから、從來と同じような政令でやればいいということは、一應考えておつたのでありますけれども、種種の關係で、これはやはり國會にかけて同意を求める。いわゆる法律として提案した方がよろしいのではないかというようなことから、ここに提出して、皆様の御審議を仰ぐことに相なつたのでありまして、實は政令で出す場合においては、いろいろ關係方面の手續を要する關係上、やはり國内的に處理する點から、法律においてこれを定めて進行した方がよかろうといふので、この法律として今日提案したような次第であります。
この発言だけを見る →それから會社關係につきましては、これが必須の業務に從事しておるかどうかという觀點から、個人の企業については關係方面と協議の上で、地域内における商業人口、業種別商業の飽和點というものを考えて、都市ごとに轉入を許容する基準を樹立することになつておりますから、從つてその抑制地域の都市の取扱いというものは、相當幅のある取扱いをしておる状態であります。それから當該地域における必須の業務に從事するものについて御説明を申し上げますと、これについては戰災とか、あるいはまた都市の經濟状態により相當異なる状態がありますから、これを全國畫一にきめることは非常に困難なことがありますので、各都市ごとにいろいろの基準を樹立して、これによつて判定をすることになつておるのであります。そのおもなるものについて例示いたしますれば、都市の復興業務に從事するような工業とか、あるいは生活必需物資の生産に從事する者、輸出品の生産に從事する者、生産用器材の生産に從來する者、都市復興用資材の生産に從事する者竝びに復興事業に從事する技術者及び勞務者、それから最後に電氣ガス、水道、交通、運輸、通信等の業務に從事する者等でありますけれども、もとよりこれは限定することなく、都市ごとに適當な基準を定めて取扱つておる状態であります。
それから最後に學校關係の學生の問題でありますが、これにつきましては、やはり學生に對しては、第一に官公吏に取扱つたような轉勤とかあるいは新任というような一、二の場合と同じく、轉入學の場合と單なる轉入の場合とを分けまして、いわゆる家族の轉勤というような場合には緩かに、また單に轉入學するというような場合には、相當嚴密に査定を加えておるような状態であります。たとえば學生に家族がついて來て、家を一軒もつて、東京都内とかあるいはその他の抑制地域に入ろうというような場合においては、現在は轉入を許可いたしておりません。それから都市の附近に在住して、その都市から通學圏内にあるけれどもその地域外に存在する學校の學生、生徒についても、法規上本項の適用はいたしておりません。
以上大體第二條における取扱いの方法を申し上げたのでありますが、要するに取扱い方法としては、各市の状況はまちまちでありますから、從つて大體の基準を内務省の方から示しまして、それについての運用は、各都市においてそれぞれ多少の違いが現在において行われておる状態であります。たとえば食糧とかあるいは家屋の状況が非常に好轉しておるような土地におきましては、相當寛にしておるし、また、また食糧とかあるいは住宅の状況が非常に惡い條件であるような場合においては、相當嚴格に轉入の抑制をしておるような状態であります。
それから最後に、この法令をなぜ從來のポツダム宣言受諾に伴う政令でやらなかつたかという點につきましても一應御説明申し上げたいと思います。實はわれわれも從來から、こういつた新憲法における多少居住の自由を奪うようなものは、できるだけ早く解除して、そしていわゆる平和日本の建設に邁進したいということを念願しておる關係上、いろいろの條件が好轉すれば、その場合においてすぐ解除するという意味において、最初二十五都市を指定いたしておつたのでありますが、そのうちに第二囘目におきましては、豐橋と富山を解除し、そして第三囘以下の制限の場合においては、なお好轉しつつある都市を除外しようという考えであつて、その關係の都市とも、また關係の各省とも連絡いたしたのでありますが、今日までの状態では、やはり抑制してもらつた方がよろしい。こういう關係で、今日まで二十三都市が現存しておつたので、從つて現在におきましては、去年に比べれば多少食糧事情とか、あるいは住宅の關係その他の状況が好轉しつつある關係上、今囘はこの法案に出たようないわゆる三大地區以外を全部外したのであります。でありますから、從來と同じような政令でやればいいということは、一應考えておつたのでありますけれども、種種の關係で、これはやはり國會にかけて同意を求める。いわゆる法律として提案した方がよろしいのではないかというようなことから、ここに提出して、皆様の御審議を仰ぐことに相なつたのでありまして、實は政令で出す場合においては、いろいろ關係方面の手續を要する關係上、やはり國内的に處理する點から、法律においてこれを定めて進行した方がよかろうといふので、この法律として今日提案したような次第であります。
今
今村忠助#6
○今村(忠)委員 今のをもうちよつとはつきりしておきたいのでありますが、當該地域内にある官公署に勤務する官公吏で、勤務しておつて轉任になつた場合は、當然はいれるのであります。たとえば復員して海外から郷里に歸つた者が、都會の官公署の官公吏に就任した場合に、轉入できるか。もう一つ言いかえると、田舎におる者が都會の官公署に、考えようによつては就職することができぬようにも考えられるのですが、その點を明らかにしてもらいたい。つまり田舎におる者が東京の官公署に就職できたなら、轉入できるものか。田舎におるがゆえに、これが出ますと、官公署に就職できぬようになつてしまうものじやないかというようなおそれがある。それから第三番目の、當該地域の學校の生徒は當然轉入できるのですけれども、私の質問しようとするものは、東京に學校があつて轉入できるのですけれども、東京に下宿屋がないために、横濱に下宿をする必要ができておるような者がいくらもおる。ところが横濱では東京の大學に行つておる者を轉入させない。そのために多數の學生が困つておる。東京に家がないから起きる問題であります。つまり近い横濱から、はなはだしきは鎌倉あたりからも通つておる。そこらまで行けば下宿屋がある。こういうふうに東京に轉入できる者が、横濱に轉入できない。それは横濱の學校でないからできないのが普通の建前でありますけれども、しかも今言う通り横濱から通えるのですから、東京に轉入できる者は横濱に轉入することを認めてもらいたい。これがないと困るのであります。
この発言だけを見る →岩
岩沢忠恭#7
○岩沢政府委員 第一問につきましては、これは轉入できます。たとえば、今お話の通り、復員者が田舎にもどつて、さうして抑制地域内の官公署に今度勤務するというような場合には、從來から許可を與えております。それから第二點の、學生が所在地以外のやはり抑制地域から通學するというような場合においては、やむを得ないというような状況を十分斟酌しまして、ほんとうにやむを得ないものについては、從來からその地域に轉入を許可しておる状態であります。
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岩
岩沢忠恭#9
○岩沢政府委員 それはやはり各都市におきましての取扱いが、先ほどから申し上げておるようないろいろ厚薄がありまして、こういうような項目についてはこうしろということを内務省の方では指示はいたしておらず、やはり各都市の運用によつて適當にやつておりますから、取扱いがまちまちであることは事實です。こういうものについては絶對に轉入を許可しろということもまた、われわれとしても指令はしかねておる状態であります。ですから今後においてもそういう問題は起るだろうと思いますが、その邊を十分學生なり、あるいはその家族が、市なり區役所の方に實情をお話になれば、許可するだろうと考えております。
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今村忠助#10
○今村(忠)委員 次に建築關係について復興院の總裁が見えましたから、お尋ねいたしたいのでありますが、大體第一條にある通り、都市の住宅問題が轉入を抑制する一つの大きな原因になると思うのであります。住宅の建設が非常に困難だということは、いろいろな點から認めるのでございますが、その困難なものをできるだけ早く需要を滿たすという立場から、都市における建築に對する取扱いと、地方における場合等において、法律の手前畫一にいくというのが順序であろうかと思うのでありますが、實際の問題として、都會でいろいろの建築をするよりも、地方において、殊に山林を近くにもつ地方においては、たとえば長野縣のごときものは、取扱いが寛大であれば維住宅問題もごく簡單に片づくのであります。しかるに都市におけるとほとんど同じように建築の取締りがまことにきびしい。從つて一例を申しますと、最近火災で焼けた飯田のごときは、寛大にしてもらえば、家などいくらでも手持資材をもつてすぐできるものを、おそろしくやかましく言つて建築を狭めておる。從つて居住がなくしてやむなく、やはり大都市に行けば何とかなるというので疎開しておるものはあわてて歸りますし、そうでなくても、住宅がないために大都市に流れこむというようなものも現にわれわれは見聞きしておるのであります。ここにおいてこの住宅建築取締令のいわゆる取扱上の幅とでもいいますか、緩急の程度を、都市の場合と地方の場合とにおいて何とかもう少し差をつけるというと、言い方が簡單でありますが、地方において寛大にするということを考えてはどうか。そういうことによつて幾分なりともこの住宅の不足が地方において緩和される。從つて轉入者も多少根本的に少くすることのできるという途が開かれるのだと思うのであります。この點についてひとつ御所見を承りたいと思います。
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阿部美樹志#11
○阿部(美)政府委員 ただいまの建築制限規則を、都會と地方に幾分差をつけるというようなことはできないかというお話でありますが、どういう觀點から例に引かれた長野縣が少いかわかりませんが、復興院としましては、手持資材をただいま認めておりますから、そうむずかしい手續とかいうものでもありません。願い出れば許可がとれる、許可される。こういうふうに考えておるのであります。特に地方によつてむずかしくするとか、あるいはこれを寛大にするとかいうようなことはやつていないのです。寛大というのは手持材料を認めということが幾分寛大なようになるわけであります。從來は御承知の通り一千百萬石という限定された木材數量で行きましたために、實際問題として十二坪、全國では二十六萬戸くらいしか建たないのでありますが、それではただいまの庶民住宅としての要求に應ずることができないので、手持品を特に認めることにいたしたのであります。從つて今お話のような、地方々々で寛大にしなければならぬとかいうふうには考えていないのであります。何かその邊にもう少し變つた事情があるのではないでしようかと思います。
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今村忠助#12
○今村(忠)委員 今の點でありますが、つまり手持品というものに對するいろいろの證明等まことにむずかしくて、實質は材木を手に入れることが長野縣の場合においては非常に簡單なんです。つまり政府の割當てる石數以上のものが實質はできておるのです。從つて建築する方の手持に對する許可というようなものが寛大であれば、家はいくらでも建つのであります。ところが實際はその手持品の證明等が、今も仰せられるようにおそろしく畫一的なものを嚴しくやるためにできない。これを他の面の、食糧の問題などにすればすぐわかるのでありまして、米のごとき、その他の食料品は、一應届け、供出以外の殘つた額というようなものは、實際形が小さいために右左かなり自由の幅がきいておるのでありますが、材木になると、形が大きいためにそのようにいけない。その結果實質は殘つて腐るほどある。値段はおそろしく公定を下まわつて安いものも現にあるけれども、實際使えないというのは、それは今言う建築法がはなはだ嚴しくて、材木が腐るほどあるところにも同じように嚴しいということです。こういうようなところを多少寛大にすれば——飯田にも家が建てられないで困つているものが三百家族ほどございます。それらの人の大部分の聲が、寛大にしてくれれば建たるが、手持の證明をとる方法に困つておるというのでありまして、ここらを少し役所の取扱いというものに、寛大さというものを認めてもらうわけにいかぬものか、この點なんであります。
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阿部美樹志#13
○阿部(美)政府委員 今お話でよく了承いたしましたが、元來手持を認めるとか認めぬとかいうのは、やみで買つてきたかどうか、つまりやみ價格をつり上げるような結果にならないかどうかとう點が主でありますから、お話のようにたくさん木材が腐るほどあり、かつ現在では大體地方では公定價の六割とか七割とかいう程度で求め得るのでありますから、もしそういう事實がありましたならば、そう從來のようなやかましいことを言わぬでも、認め得る方法があるはずですから、その地方にそういうことを申し送りまして、できるだけ家が建ち得るようにいたしたいと思います。
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今村忠助#14
○今村(忠)委員 就職關係、食糧關係について質問したいと思います。
まず就職問題についてお聽きしたいのでありますが、大體都市に轉入する希望の大部分の者は、職を求めてくるということではないかと思うのであります。實際問題として多數復員したり、引揚げたりした者、殊に青年の者が一應は地方に歸つていくのでありますけれども、結局地方においては職が得られない。どうしても職を得て生活を立てなければならぬとなりますと、いきおい都市に向つてくるわけであります。この問題を根本に片づけない限り、結局都會への轉入抑制というようなことは、形の上でできましても實質の上で不可能だと私は思うのであります。この點についてひとつ就職を擔當している…。
この発言だけを見る →まず就職問題についてお聽きしたいのでありますが、大體都市に轉入する希望の大部分の者は、職を求めてくるということではないかと思うのであります。實際問題として多數復員したり、引揚げたりした者、殊に青年の者が一應は地方に歸つていくのでありますけれども、結局地方においては職が得られない。どうしても職を得て生活を立てなければならぬとなりますと、いきおい都市に向つてくるわけであります。この問題を根本に片づけない限り、結局都會への轉入抑制というようなことは、形の上でできましても實質の上で不可能だと私は思うのであります。この點についてひとつ就職を擔當している…。
荒
荒木萬壽夫#15
○荒木委員長 ちよつと今村君、御發言中恐縮でありますが、農林省及び勞働省の政府委員は出席しておるものと思つておりましたら、まだ見えてはおりません。三十分以内に出席するという連絡でありましたので、委員長が出席しておると誤信でございましたので、しばらくお待ちを願つたらいかがかと思いますが……。
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荒
荒木萬壽夫#17
○荒木委員長 なお御相談ですが、守田道輔君が法制局長官に御質問があるようなお話でありますが、代りに法制局次長が見えておりますが、午後から御用があるような趣きでありますので、守田道輔君にこの際御發言を許したいと思いますが、御了承を願います。
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荒
守
守田道輔#20
○守田委員 私はこの法律、すなわち都會地轉入抑制緊急措置令を改正する法律案が憲法の第二十二條に「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移轉及び職業選擇の自由を有する。」といういわゆる人民の生活權を拒否するものではないという考えをもつておるのでありますが、これに對しまして當局の御説明を願いたいと存じます。
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井手成三#21
○井手政府委員 この法律と憲法との關係でお尋ねをいただきましたが、新憲法におきまして、居住、移轉、職業選擇、その他國民の自由を嚴に尊重すベきことは、この憲法の大きな精神でございます。從つて法律案作成等にあたりましても、十分にその點を考慮に入れまして、いやしくも憲法の精神にもとるようなことがないようにわれわれは努力いたしております。この法律につきましても、憲法第二十二條に觸れるのではあるまいかというので、實は内部的にもかなり研究をいたしました。ただいまお述べになりましたことく、公共の福祉に反しない限りというようにございまして、この居住、移轉、職業選擇の自由ということも、公共の福祉という一つの制約のもとにあるので、その制約がある限りは、その限度においては抑制し得るということを私どもは考えております。從つてそれを非常に廣く解するというようなことになりますると、これは憲法に抵觸する、あるいは憲法の精神を蹂躙するものであると思いまして、これを嚴重に、すこぶる固く解したいというのが私どもの態度でございまして、實はどの程度に都會地轉入抑制をやりたいか、あるいは都市の事情はどうかというようなことで、主務省から關係方面にいろいろ照會を發せられましたところ、ここにあげておるような地域以外からも要求があつたようであります。しかしながら私どもは第一條に書いてありまするごとく、人口の過度の集中による云々、これ以上無秩序にはいつてくるということが、非常に大きな公共の障害になるというようなことを確認して、しかる後に出そうというので、かなりその點を限定して、あとに適用地域を列擧したわけでございまして、さらに第一條において、その目的を十分に搾りましたのも、まさにただいま御質問のような憲法の趣旨に對して、嚴重にその制約を狭めていこうという態度からつくつたのでございまして、この點は御質問がございましたら、私どもとしましては、憲法が許しているところの法案であると考えておる次第でございます。
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守田道輔#22
○守田委員 この法律の第一條によりますると、「都會地における人口の過度の集中に因る窮迫した住宅、雇用及び食糧の事情竝びに災害に對處するため」こういうふうにございまするが、これの最後を見ますると、東京、神奈川、大阪、兵庫、和歌山、京都、山口、福岡となつております。先ほど國土局長のお話を承りますると、人口十萬以上の都市で人口が集中しておる所というように決定が相なつたようでありまするが、五萬以下の都市においても、今日無制限にはいつておりまするために、これと同じ状態になつている。農村におきましても同じ状態でありまして、いわゆる人口の過度の集中に窮迫しておるのでありまするが、大體人口移動というものは、水が低い所へ流れるような自然の法則に從うものである。またわれわれが生活を求めてまいりまするのは、常に高いとこへ高いところへとはいつておる。たとえば十萬以上の都市の人口過度の集中を抑制するということになるならば、それだけが國内において一つの特權國をつくつており、そうしてそれ以外の都市において生活する者の生活權を拒否したということになると思うのでありまして、これは私は完全に新憲法に違反するものであると考えるのでありますが、片一方の都市においては、いわゆる制限をして窮迫したる事情を緩和しようとする。一方においてはそれと同じような窮迫した條件にある所に對しては、何らの制限を認めないということは、これは現實からみまして大きな間違いではないか、むしろこういう法律は御徹囘なさり、さらに都會地轉入抑制の緊急措置令は御廢止になるべきではないかと考えておるのでありますが、根本的なお考えを承りたいわけであります。
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井手成三#23
○井手政府委員 實態に觸れての御質問でございましたから、もし私で不足でございますれば、さらに關係の方からお願いいたしたいと思いまするが、本案を立てました趣旨は、都會地において非常に無計畫、無秩序に人口が集中するために、いろいろな混亂、いろいろな國民生活の窮迫、その他行政上の混亂というようなものが生ずることを防ごうといふのが趣旨でございまして、またその限度ならば、憲法二十二條が認めているものであろうと思いました。それを非常に緩やかにやるということは、憲法の趣旨からみてどうかと思うので、むしろ法律案立案の考え方としましては、實は嚴重にやつたのでありまするが、さてそれをどの程度やるか。これでは京濱地區、京阪神、それから北九州のまわりというようなことになつておりますが、ほかの地區でも同様な状況があるではないか、また市を竝べて、ここにたとえば川崎市があつて市川市がないではないかというような點がありまするが、どの邊でラインを引くべきか。その引き方につきましても、われわれは濫に流れないように、むしろ絞るという態度をとりましたが、どの邊にラインを引くべきか。これは各地の事情、またこの法律が運行される途中において、時々刻々變化するであろうと思いまするが、私どもはまずこの邊で適當であろう、これ以上どこまでもいくということになつてきますと、これはむしろ三十二條からみて心配であるというような意味で絞つたのであります。ある都市を絞つて、ほかの都市を絞らないということは、かえつて憲法に反するじやないかと仰せになりましたが、これを十萬から五萬にし三萬にするということになりますと、どこまでいつてもどうもできませんので、結果的に見て多少御批判のようなことがあるかもしれませんが、私どもとしては、この邊でまずラインを引くべきであろう、さらに實情によりましては御修正、御改正等を願うということになるのが至當ではあるまいかと考えた次第であります。
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守田道輔#24
○守田委員 これも一例でありますが、私の居住しておりまする光市は、現在工場もありません。今までは約四萬の職工がおりましたが、その工場が爆撃、終戰によりまして完全に仕事ができなくなつたのであります。その後住宅がありました關係上、海外からたくさん引揚げてまいりましたが、何らの職業がございませんために、大部分は全國を股にかけてやみをやつており、そうしてまた多くの犯罪をおかして生活しているというようなところもあるわけであります。これと同じようなのが他にもたくさんあると存じますが、これらも公共の福祉に反して、そこに無制限にはいつている。こういうのがあります。これは今のと同じことを繰返してお尋ねするようでありますが、問題は、いわゆる生活の高いところへ流れていくのでありますから、これを防止するということは私は間違いではないかと思う。たとえば東京都に轉入する場合におきましても、東京都に住宅が全然ないならば、はいれはしないと思う。東京都において生活の根據がなければ、はいつてはこないと思うのです。これはいわゆる人權を無視蹂躙するということに結果的になるのでありまして、こういう處置は、たとえば今大火災が起つたという場合に、一箇月、二箇月、あるいは三箇月というような限度を設けまして、この措置がなされるのでありまして、これを法律化するということは私は間違いではないかと思うのでありますが、この點十分御考慮をなさつたものでありますか、いま一應お尋ねする次第であります。
この発言だけを見る →井
井手成三#25
○井手政府委員 非常に實情の問題でございますので、私からはどうかと思いましたのですが、今お話になりましたことく、生活程度の高いところに行くのが自然の現象であつて、それを抑えるということは人權を無視するものであるし、かつまた非常に不自然なことであるということでありましたが、まさに生活のしやすい所、あるいは生活の便宜が多い所に行くのが人情の常でありますし、普通そうなつていくと思います。それをできるだけ伸ばして、皆がお互いに生存し合うことができれば、それが最も好ましい生活だと私どもは思います。從つてこういう法律がない方が、理想の場合においては望ましいと存じますが、現在の戰災をたくさん受けましたあと、また引揚者も多い、失業者等も非常に樂しく暮していくにつきましても、他の角度から見て一定の制約を受けなければならないということが、遺憾ながら私どもの現在の状況であろうと思うのであります。これは御質問の御趣旨はよくわかりますが、政府といたしましては、どうしてもこの法案をしばらくの間はお願いして、そうして、もう少し他のいろいろな施設と相まつて、過度の人口集中を一應防ぎつつ、よい人口分散といいますか、職業分配といいますか、生活ができます日を待ちたいと考えている次第でありまして、この都市だけが何か特權的になるのではないかと仰せられまして、多少そこのところが、十萬の所の九萬五千の所とどうか、その指定された所と隣村地でどうかというようなところもあろうかと思いますが、まずこの邊でひとつ我慢してしばらくやらしていただきたいという考えでございます。
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守田道輔#26
○守田委員 今の法制局の方に對する憲法違反ではないかという質問は一應打切りまして、都市へ轉入したい、現在居住しております所は職業がございません。でありますから、從つてやみをならなければ犯罪に追いやられる。こういう者に對するところの、片方において都市轉入抑制の改正法律案によりまして生活權を拒否された者に對する生活の保障というものは、これは國家において適當な措置を講ぜられるものでありましようか。その點を承りたいと存じます。
厚生省の方がおいでがないようですから、これは保留いたしまして、新憲法二十二條の中に「何人も、外國に移住し、又は國籍を離脱する自由を侵されない。」ということがありますが、この問題であります。先ほどから質問いたしましたのは、この原則をどういうふうに御解釈になるかということにあつたのでありますが、現在日本においては、御承知のごとく終戰によりまして、ほとんど本土と北海道、四國、九州、この四つの島に八千萬の人間がとじこめられている。その場合に、從來のいわゆる帝國主義は侵略によつてこの國内の人口のはけ口を求めたということ、あるいは貿易、あるいは工業の發展というものから求めたのでありますが、昨日も本會議におきまして國内の人口問題につきましていろいろと質問があり、答辯があつたのでありますが、われわれといたしましては、國外に向つてもいわゆる人口移動の自由ということを、國際的に許容してもらわなければならない立場にあるときに、國内においてそういうことをなすということは、これは日本民族あるいは世界の弱い民族のためにも悲しむべきことではないかと、實は考えているのですが、そういう根本についてまで、この法律を設定せられる場合お考えになつたものであろうか。その點について御答辯願いたいと思います。
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井
井手成三#27
○井手政府委員 この第二十二條の二項は、外國移住及び國籍離脱の自由の規定でございます。これはわが國内法制において及び行政において、このことを十分に具現すると同時に、世界各國からこの原則を承認していただき、日本がこれを實施することについて各國がこれを尊重し、この原則が貫かれるようにしていただくということを、われわれは一つの理想として考えております。從つてわれわれがそういうりつぱな理想を各國に實現をお願いするためには、國内的にりつぱな秩序をもち、りつぱな國民となつて、いかにも日本人が移住してきても平和國民である。そうしてほんとうに世界人類に貢獻してくれるような國民であるというような、實際的な訓練と索養をつくりあげなければ、おそらく各國といえども、そういうお前の方の原則は勝手であるというようなことになると思うのでありまして、私どもはこの第二項を各國に十分に尊重してもらうためには、國内において十分な努力が要るものと考えております。從つて、それにはいろんな點に努力が要ると思いますが、わが國が十分な秩序をもつている。そうして十分な經濟再建をし、十分に世界の文化に御貢獻ができるというところを示さなければならないと思います。私どもがいろんな法案をお願いし、また國會がいろんな法案をお出しになつておりますのも、いずれも日本の國民がしつかりしたりつぱな民族として立ち合つていけるということの基礎を法律で規定していくのだろうと思つております。その意味におきまして、國内で無秩序に大勢の者がわいわい集つて、ほんとうに生業がもてない。そうして先ほど御質問がありましたが、場合によつては生活保護法、これをもつと擴げて何とかしなければならぬということばかりでなく、職業をもつて働いている者が十分秩序ある生活をしていくということが根本であろうと思うので、そのラインに對しましてこの轉入抑制法はもとつていないのみならず、むしろその方向に向いていると私ども考えている次第であります。
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守田道輔#28
○守田委員 これで質問を打切りたいと思いますが、私はこの法律を一日も早く廢止する時期に到達するよう政府におかれましても努力されたい。われわれといたしましてもそういう方向にもつていきたいと思いますが、これは私は憲法に違反するものであるという解釈を一應申し上げておきたいと存じます。
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