鈴木明良の発言 (予算委員会)

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○鈴木委員長 以上をもつて通告順による質疑を終了いたしました。
 この際もう私から政府に御質問するような問題はほとんどございませんが、しかし豫算委員會の進行中に、國民の各方面から、委員長宛てに非常にたくさんな陳情書もしくは陳情を受取つております。それらのうちもつともと思われる問題につきましては、一應委員長といたしまして、政府の所見を質しておく必要を感じますので、その點だけについてこの際御質問をいたしたいと思います。
 一つは税務官吏の待遇の問題でありまして、これは皆さんのところへもたくさんきておると思いますが、私も直接または書類によつていろいろな陳情を受取つております。聞くところによりますると、日本銀行あたりでは、勤勞所得税を拂いに税務署へもつてまいりますると、税務署で勤勞所得税は拂う必要がないということで受取らぬで、非常に困つておる。こういうことも聞いております。ある省においては、いわゆる源泉課税で給料から引く勤勞所得税を引かないで、そのまま拂つておるというような役所もあるように聞いておりますが、こういうように徴税のいろいろな事務なり、事態が惡くなつてまいりましたことは、何と申しましても税務官吏に對する待遇、あるいは人員の不足等に基因しておると考えますので、今日までいろいろな方面から、これは税務官吏の待遇をよくしろという意味において、あらゆる質問が當局に集中されたと、こう私は考えておりますが、これに對しまして二、三日前の委員會において、政府としては税務官吏に對してはこれだけの待遇をするのだという、こまかい数字の御説明がありましたが、私どもまだそれだけで十分であるとは考えないのであります。委員會においてこういうようにいろいろと、税務官吏の待遇に關してよくしようという考えから、いろいろな御質問があつたのでありますが、政府は先般御説明になつたような、税務官吏に對する待遇またはその處置、それで十分この追加豫算による歳入を、責任をもつて徴税し得ると考えられるかどうか、責任をもたれるかどうか、委員會としてはできるだけ税務官吏の待遇について政府の考慮を促したのでありまして、政府は先般これだけのことをするという答辯がございましたけれども、それで私どもは政府にお任せをして、政府は責任をもつて對處されるかどうかということについて御答辯を得たいと思います。
 第二は、これは寒い地方における石炭購入の官公吏に對する手當でございます。これは二、三日以前の委員會において政府から第九次の補正豫算として近く御提案になるということでありましたから、この點の陳情はすでに達成されたものと考えまして、これは質問をする必要がありませんが、このほか六・三制の殘額の七億の財源、それから先ほどここで質問應答のございました旱害に對する問題、災害復舊費の追加の問題、こういう問題は、當面政府において考慮されております官公吏に對する生活補給金の財源の問題などと關連いたしまして、私は適當の時期に第十次の追加豫算を提出されるものと確信しておりますが、しかしこれについては關係方面と政府とのいろいろな話合いもございましようから、今日ここでその問題について突詰めた答辯を得ることはむつかしいかと存じます。ただこれは委員會のいろいろな質疑應答の經過を顧みて、これらの問題については政府は、第十次追加豫算を提出される腹をもつておられるものと、こう私は認識いたしまして、これに對する御答辯は今日むりと存じますから、御答辯できなければ、これはなくてもよろしゆうございます。
 第三點は入場税の問題であります。これは來年度二十三年度の豫算編成の大きな歳入豫算の眼目は、大衆課税を中心とするやみ利得の捕捉である。そういう方向に向けたところの上に歳入豫算を立てられるということは、二十三年度すなわち來年度豫算の大きな眼目であると、こう私は考えておりますから、入場税の問題はその一つと存じておりますが、その入場税の問題について、やはりいろいろと陳情を受けております。一つの解決案といたしましては、その税金の總額はそのままにいたしまして、その中でたとえばいろいろな映畫館などについて、東京のような中心地の映畫館、あるいは農村等の映畫館というものに順位をつけまして、そうして東京のようなところは、もつと税率を引上げる、地方は下げるというようないろいろなことをして、そういたしまして、大衆課税になることを防ぐというような、一つの解決案も考えられたのであります。いずれにいたしましても入場税の問題につきのしては、昭和二十三年度の豫算編成にあたつて十分考慮されるかどうか。國民の意思を尊重されて、十分考慮されるかという點をお伺いいたしたいのであります。
 次は飲食店の問題でありますが、これはおそらく私だけでなく、皆さんがいろいろと陳情を受けておられることと存じます。これは安本長官にお尋ねしたかつたのでございまするが、便宜總理大臣にお願いします。これは十二月が期限であるように聞いておりますので、十二月以後どうするかということについて、いろいろな陳情を私ども受けておるのでありますが、私一個の見解としては、食糧事情が許しますならば、民衆食堂とでも申しますか、民衆的な、割合に程度の一般的な飲食店というようなものは、一定の時期に一定の條件の上にお許しになることができれば、非常に幸だと存じております。しかし高級の料理店というふうなものは、國際的に必要なものは別といたしまして、一般的に高級な料理店というものを、今後の日本の食糧事情において許すということは、ほとんど不可能ではないか。こうも考えておるのでありますが、そういたしますならば、非常に家屋不足のときでございますから。高級料理店は國家において接收をされて、ただいま家屋のなくて困つておる人たちのために、開放されるような處置をとられるようなお考えはないかどうか。私は片山内閣としてはせめてこういうことくらいは、斷固としてやつていくというような氣魄をもつてお進みにならなければ、前途の困難を乘切ることはなかなかむつかしい。非常に困難があるとも心配いたしておりますので、こういう點についてひとつ片山内閣の斷固としたところ、高級料理店が開く見込のないものであるならば、そういう御措置をおとりになることができないものかどうかという點であります。
 大體私が受取つておりますいろいろな陳情のうち、このほか生活補給金、いわゆる千八百圓ベースの問題がたくさんございますが、それらはすでに先ほどお尋ねしたうちにはいつておりますので、差控えておきます。以上が各方面から私の受取つておる陳情に對する政府の御所見を質す問題でありますが、なお一應關連して委員長としてお伺いいたしておきたいことは、昭和二十三年度に對する政府の豫算の問題であります。私どもはこの追加豫算を見るに、何ら國會の意思を追加豫算の編成の上に盛ることができない。またできてきたところの追加豫算に對しては、當然修正しなければならぬ問題がありながらも、やむを得ない、時日がないためにどうすることもできないというような事態である。私は今後こういうことの起らぬように、政府においても絶對にひとつ責任をもつて、豫算の編成に當つてもらいたい。こう考えたのであります。そこで來年度豫算は、財政法によりますると、十二月一ばいに出すことを定例とする。こういうような規定があるのでありますが、政府においてはいつごろ二十三年度豫算を國會に御提出になる見込みであるかということをお伺いいたしたいのであります。それは豫算委員會としては、ただいま申しましたようにいろいろな事情で、豫算の審議の期間が短くございますので、二十三年度の豫算に對しては、なるべく分科會を中心といたしまして、十分こまかく審議もし、また必要によつては大膽率直に修正を加えていきたい。こういかなければならぬと考えておりますが、それにしても今日のようなこういうやむを得ない情勢のもとにおきましては、できるだけ編成の過程において、國會の意思を豫算編成の上に表現をいたしたい。そういうことが一つの便宜だと存じておりますので、いわゆる事前審査というものの範圍を擴げまして、二十三年度の豫算編成にあたりましては、その過程において政府の編成の方針、具體的な進み方などについての御説明を求め、また國會における意思を十分に反映せしめるために、豫算委員會としての意見も申し上げていきたい。こういう運び方をしてはどうかと考えておりますので、いつごろ豫算を御提出になるかということを、この際承つておきたいのであります。
 インフレーシヨンの問題について、私としてお尋ねしたいことがございますが、もう時間もございませんから、委員長としての職務上、政府に質さなければならぬ以上の點だけについて、政府の御所見を質しておきたいと存じます。

発言情報

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発言者: 鈴木明良

speaker_id: 27829

日付: 1947-11-19

院: 衆議院

会議名: 予算委員会