葛西嘉資の発言 (厚生委員会)

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○政府委員(葛西嘉資君) 山下委員から、大臣が仰せられたことについて私が大臣と違つたことを申上げたようにお取りになつたやのことがございましたが、私は大臣と違つたことを申上げたということ、そういう御印象があつたとしますれば私の申し方が惡かつたからでありまして、もう一遍申上げさして頂きますれば、草葉委員が御指摘になりましたような大部分の災害というものを取上げますれば、多いものは御指摘のような衣料なり或いは食糧というものが多いと想像いたします。ただ併し救助する災害の種類が非常に多うございますので、殊に今囘のような場合を予想いたしまして、行きますれば、人命救助というような立場からいたしまして、大臣の仰せられたような場合におきましてもこれが救助の種類になるものであるというふうに申上げたつもりでございます。若し速記等が違つておりますればかようなふうに御訂正をお願い申上げたいと思います。
 それから第二に御質問になりました予算の点でございますが、これは実はまだ備蓄というような計画等も、中央委員会も開いておりませんし、まだ立つておりませんのでございます。それから先程中平委員から御指摘になりましたような、備蓄をし得るというふうに予想されるものも今のところでは殆どないわけでございまするので、取敢えずこの法律施行のために、災害救助のために予算として要求いたしますものは、これは中央事務局、委員会に附設いたしまする事務局でございますが法律の第十條でございますが、これに関しまする七万円でございましたかの極く僅かな予算だけでございまして、あとは災害が起きた場合におきまして、更に緊急でありますれば予備金等より処置いたします。或いは多額のものでありますれば國会の御議決を願わなければならんということでございまして、この法律に伴います予算というものはございませんわけでございます。
 それから大臣がこの法案に則つてやつたということを仰せられたことはどういうことかというのでございますが、これはすでに政府といたしましては災害等におきましてはこういうふうなやり方でやることが最善であるというふうに信じまして、法案を作つておりますのでございます。ただ國会の議決を経なければならないような問題、只今御論議になつておりまする十二條或いは十三條の強権の発動でありますとか、或いは又この義務を命じたりするような点につきましては、これは法律でなければできんことでございまするので、そういうものを除きまして、ただ、この中央、地方の連絡をして、一々災害が起きたならば、起きた縣から或いは農林省に了解を求めるとか、或いは商工省に了解を求めに行くとか、或いは戰災復興院へ行くとかというような、個々の連絡をするような面倒なことをしないで、法律では中央災害救助対策協議会というようなことになつておりますが、これに類するような組織を、先般十八日でございましたか閣議決定といたしまして、災害の連絡の委員会ができるのであります。それを作りまして、委員会で相談をいたしまして、お互いに情報を持ち合いまして、決まりましたものを各省へ持ち帰るというようなことでなしに、その場でお決めを願つて頂いて、帰つたら直ぐその通りに処置するというようなことで、農林省等では物資等の配分をそれによつて行つております。或いは商工省等におきましては商工省所管の物資を若干地方へ流して頂いているというようなことをいたしております。ただ中央災害救助対策協議会は関係大臣及び七條にあるその他の委員から成るのであります。そういうものを作りまして、この委員会が閣議におきまして適宜いろいろ御折衝を願つてやつているわけであります。この通りでございませんが、これに準ずる組織を以てやつている点が第一であります。
 それから國庫補助というような問題につきましても、從來は殆どその場限りの災害の事情を……政府部内で災害の事情によつて適当に補助金等を出しておつたのが例でございますが、この委員会等におきましては、政府として法案を出していることでありますし、この法律に基かないでも行政措置として、災害の應急救助等につきましてはこの法律案のような國家補助を出そうじやないかというようなことに大体話合いをいたしております。
 それから次に小さいことでありますが、日本赤十字社というものも、先程どなたかがお尋ねになりましたように、現在あるのでございますので、日本赤十字社にもこの民間側としての義捐金の募集というような問題を、一昨日でございましたが、関係各國体に集つて頂きまして、そうして日本赤十字社を中心にして民間側からの義捐金の募集をするということにいたしております。法律ができますれば、やはりそういうことになろうと思います。そんなようなことをちよつと大臣が仰せられた。この法案は御決定になりませんのでありますが、法律でなければできないことを除きまして、行政措置として、或いはこの法律に準じてできるようなことは右申上げたように実行いたしているのであります。
 最後に強権発動ということは、そこらのところはどうなつておるかというお尋ねでございましたが、まだ勿論この強権を発動した事例は、法律でなければできませんのでございません。地方に参りますとこういうのは細かいいろいろなトラブルがあつて、現地では困つているものもあるようでございます。併しまだ大きな所で隠匿がどうしたという事例は聞いてはおりません。非常に困つておりますのは地方の問題でございますが、船の調達というものにつきましては、沼になつたものだから船がいる、こういうところではなかなか実際船が集らんので初め困つたということのようであります。進駐軍からも大分船を頂いて、今のところはどうやらこうやら当座の間には合つているのでありますが、まだ本当に救助を徹底するにはもう少し船がいるのじやないかと思つております。これは任意のところで調達するように努力をいたしております。これとやや別でございますが、困つているような問題では、水が一杯になつております、農村でございますから、家がぽつりぽつり浮んでいる、荷物のことが心配になりましてなかなか全部が立退くということをしないで、本当に水浸しになつて屋根の上に上つて待つている、そこへ行つて陸地の方に避難せよといつても去らず、物資の配給に非常に困つております。應急の救護所に行かないかと言つても、非常に心配して家から去らず屋根に乗つている者もございます。こういう所は現地では困つているようであります。或いは避難命令を出してやらなければ万全が期せられないということを心配いたしております。それからこれは現在よくやつているのでありますが、栗橋から南の方に水がずつと流れております。西側の方は救助の船が出てよいのでありますが、あの河のようになつた東側の方の堤防にいる人たち、利根川を挾んで茨城縣、千葉縣からの協力を求めなければならん地帶がございます。現に千葉、茨城或いは栃木から地域に應じて應援をいたしておりますが、ここらは或いは法律にありますような地方協議会というものかすでに活動して、それから縣々でいろいろ活動いたしておりますというと、そういうふうに援助したら一体費用をどつちが持つのだろうといつたふうな、そういう細かい問題で心配があるようであります。この法律では應援援助等をいたしますれば、その應援を受けた府縣でそういう費用を持つように、取敢えず出して置いて貰う、勿論そういうことをすると思いますが、そんなような縣々との連絡というものもなかなかむつかしいようでございます。
 ここらの点はこの法律によりますれば、委員会等でみな法律によつて決めて行くことになつて参りまして、円滑に行くのではないかというように思います。差当つて私共氣がついておりますようなことについて申上げた次第であります。

発言情報

speech_id: 100114237X01719470922_027

発言者: 葛西嘉資

speaker_id: 25628

日付: 1947-09-22

院: 参議院

会議名: 厚生委員会