草葉隆圓の発言 (厚生委員会社会事業振興に関する小委員会)

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○草葉隆圓君 尤も昭和二十年の十二月二十五日に、軍人恩給停止の指令というものが一つありました。從つて今仰しやつたような意味における指示と関連して考えられると思うのですが、それのためにこのいわゆる戰爭犠牲者は、一般の人達と無差別平等に取扱うということは結構でございますが、その精神がややともすると、日本の関係においてむしろ逆作用を來たしているというような状態にありはしないか、却つて内面的には、誠にお氣の毒である、なんとかしなければならん、一方においては、戰爭中にはなんとかお世話すると言いながら、しておつたが、敗戰後の今になつてからは、むしろそういうことを世話すると、引つかかりはしないかというような意味において、むしろ普通の無差別平等にすべきものですら、却つて逃れておるというような恰好はありはしないか、この請願書は少しそこから出て來ると思うのでありますが、それで実際いわゆる公平な、妥当な意味においてのこういつた人なり、或いは傷痍者なりが、戰爭なり空襲なりで、いわゆる大きな戰爭の痛手を受けている者に対しては、これはどこの國だつて同じようにやつている。それでそのそれぞれの指示によりまする範囲内におきましては、十分そういう、むしろ疑を受けない態度を日本の官憲がとるべきものでないか。最近は大分柔らかくなつて來たようでございますけれでも、そういう印象を與えるような態度がありはしないか、ということを我々はむしろ憂うるわけであります。そこでここには戰爭犠牲者という意味においての陳情が強く出ておりますから、先に中平委員のような御説が出て参ります。私も全面的にずつと十三項を、このまま認めることは事実不可能な問題がありはしないかと思うのですが、併し流れておりまする精神においては頷かれる点もありはしないか。戰爭犠牲者という意味からもう一歩離れた意味においての未亡人なんかの場合におきます遺兒の育英の問題につましては、恐らく今火の付いておる問題だと思います。ここては戰爭犠牲者の遺兒に対する育英の問題を優先にして、十五歳以下にはこうしてくれということになつておるのて、鼻にぷんとついて來るわけてありますけれども、結局夫を亡くして未亡人が子供を抱えて生活困難てやつて行く場合には、殆んどその九割までが戰爭犠牲者でありますから、現実の問題としてはそれをそう考えますときにおいては、遺兒の育英の問題というものは、現実の問題として非常に困つておる問題だと思う。併しこれは現在では文部省の問題でございますから、今日は政府委員としてはお出ましになつていないようでございます。その点は別でございますが、それから今の第五にございます免税興行が自由に行えるよう戰爭犠牲者團体に認可してくれということ、これは無理な話だと思うのであります。併し個々について考えて頂くということなんで、これも結構でございますが、実際上になりますと、地方の税務署で取扱うことで、税務署の方で指令を出して頂かないと無理だと思います。結局今敗戰後の日本の現状につきましては、戰爭の犠牲者も一般の人もよく承知しておりますが、私はただ戰爭犠牲者は戰爭責任者ではない、戰爭指導者ではない。それをよく取扱の上において、戰爭責任者と戰爭犠牲者とは違うという点を、ややもすると地方等におきましては末端の市町村長に至るまで、その考が混乱しておるのじやないかというように思われるような場合がありまするので、そういう点につきましては、一つ余程適当に御指導を賜わると結構だと思うのですが、その中で十一番目に戰爭、犠牲者の免税、これと私の申上げるのは違いますから、今の請願をそのままというわけには行きますまいけれども、請願者の心持と少し似通つておりますが、それは今度の租税の非戰災者に対する家屋税の課税の問題について、殊に未亡人等ですべてを失つたが漸く家一つ残つた。これが今度課税の対象になつてやられる。戰爭犠牲の公平なる分担をやるためにやると、政府は声明しておるけれども、戰爭犠牲の公平なる分担であるならば、我々の方は尚以上公平なる分担のためにその点は免税して欲しいという意見が相当強いようであります、これは一般的に……。それでそういう点につきましてもこれは大藏省関係でありまするから、厚生省関係でもその点を一つお含み願つて御折衡等でも賜わると大変結構だと存じます。私が特にこの中の関連しております問題といたしましては、一の遺兒育英の問題と、それから七の傷痍者扶助料の差別の問題、これは現在將校と、下士官兵との恩給の差別が誠に酷い。同じ傷痍を受けましても、將校は特別公傷で恐らく千六七百円貰いますのに、兵はただ六、七百円だつたと記憶しております。誠にいわゆるこのような平等であるべき時代において、尚階級的なものによつての恩給が相当ついておる。これを一つ直して頂くということにおいては、私は請願者の心持と同じ主張を持つておるわけであります。それだけ申上げて置きます。

発言情報

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発言者: 草葉隆圓

speaker_id: 8243

日付: 1947-10-21

院: 参議院

会議名: 厚生委員会社会事業振興に関する小委員会