岡元義人の発言 (在外同胞引揚問題に関する特別委員会)

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○岡元義人君 中平委員よりお話のありました問題について、ちよつとだけ附加えさして頂きたいと思います。この傷痍軍人の問題は、私実地に昨日も実は相模原の患者と会つて参つておりますが、只今病院では大体八百円の請求書を出しています。それを患者は自分の郷里の村からいわゆる生活保護法によるところの切符をば貰つて、それを差出しておるのであります。で、どういう工合に決済されておるかということも患者は全然知りません。そうして先程御説明があつたような、そういう工合に決定したのであつたならば、全國の患者にこういう工合になつたんだということをば知らして頂きたいと私思うのであります。どの患者も、病院がこれは怠慢であるかどうか知りませんが、他の問題はそのままで以て、金は別に拂つちやおらないが、ただ自分の村から切符を、無料切符をば貰つてそうして出しておるだけだ。どういう工合になつておるか知らないけれども、別に金も何もそのままずるずるになつておるのだ。こういう工合に返事をしておるのであります。この点は一つ明確に各患者に知らせる必要があるのじやなかろうかということを考えましたので、一言申述べさして頂きますのと、生活保護法をば受なければならん病院の患者です。單に生活保護法は……。自分の村から直接そういうような生活保護法によつてなされるのでありますが、実際に適用を受けなければならん者は、結局金は一つもない、実際に貧困な状態だということになるのでありまして、病院に入つておりますと、相当に経費も要るのでありますが、これらに対しては結局一銭の金も出て來ないということになるのであります。この点については、何らかの方法で一つ取上げて研究して頂きたいと考える次第であります。
 それから尚もう一つ概念的に、この生活保護法の適用は、中平委員は十分御存知だと思いますけれども私が取扱つた仕事におきまして、生活保護法の適用を受けるということは、非常に引揚者が、いやがつておるのであります。これは全般的にいやがつておるのであります。前のいわゆる要保護者というものとは大分違つて、その人品を重んじて、いろいろな保護法が生活保護法によりまして変りましたけれども、尚この生活の保護を受けるということは実に恥である、恥辱であるという観念が強いために、一例を申上げますると、もう一つの獎学資金でございますが、獎学資金でさえも、殆んどああいうものを作られましても、貰つてはおらんのであります。受けたがらないのであります。何といつても更生したい、早く自分の力で食えるようになりたいというのが、これが本当の僞らざるところの氣持なんであります。で、むしろ生活保護法の金をば廻して頂くならば、去年みたいに遅れたり、只今でも多少まだ遅れておりますが、これを前拂いするくらいの氣持になつて、初めて生活保護法の実際の趣旨が徹底する筈であります。遅れて行くなんということでは、私はもう生活保護法というものの本当の趣旨は死んでしまつておると思つておるのであります。で、この保護法の生業資金、これは庶民金庫の金の生業資金でありませんが、あの生業資金の金もよく徹底せしめて、更生しようという途も開いて行きたいという氣持を持つておるということを念頭に置いて頂きまして、早く生業に就かしめるという方法に持つて行つて頂きたいと考えるのであります。これを一言だけ補足さして頂きます。

発言情報

speech_id: 100114356X01019471016_026

発言者: 岡元義人

speaker_id: 348

日付: 1947-10-16

院: 参議院

会議名: 在外同胞引揚問題に関する特別委員会