古池信三の発言 (電気委員会)
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○政府委員(古池信三君) それでは電力に対する事柄についてお答えを申上げますが、緊急停電を絶対に防止しなければならんということは、全く御説の通りで、我々もそのためには非常に研究をし、苦心をしておるのであります。今年の冬から割当制を実施しようというのも、これによつて無計画な緊急的な停電をでき得る限け防止したいという考えがその根本となつておるわけであります。そこで割当制度を実施するに当りまして、電熱の使用を認める地域等もおのずから限定されて参ります。從つて電熱を使つてはいけない地域にあるこれら從量需要家が黙つて電熱を使われることもあり得るのではないかというお話でありますが、その点は私共も非常に心配しておるのであります。それがために総合燃料対策を立てまして、極力そういう方面には薪炭その他の加工炭を配給しまして、電熱の消費ということは絶対に止めて貰うと、無論燃料の事情が決してよいわけではありませんからして、各家庭とも欲するままの十分なる熱量を得るということは困難であります。從つて都市といわず、農村といわず、燃料の面におきましても、十分に耐乏生活を我慢して頂かなくちやいかんということが前提になるわけであります。
第二に盗用の問題でありますが、これは正確に申せば、定額の需要家において、契約以上に電氣を使われるという場合であります。殊に戰後定額需要家が非常に全國的に見て殖えて参つておりますので、かような需要家もその量から言つて相当に多いであろうということが予想されますので、これが防止のためには十分我々も考えております。御指摘になりましたように、先ず第一は機械的に盗用のできないようにすることが第一の方法であるのでありまして、これがためにはメーターを取り付けて、定額需要家を早く從量需要家制に切替えると、又メーターの間に合わん場合には、電流制限器をできるだけ多く取り付けて、それ以上の無駄な使用を抑制するということにあるのでありますが、併しながら現在定額需要家が全國で約九百万戸あるわけであります。そこでこのメーターと、リミツターを極力作りたいというので、專門のメーカーを集めましていろいろ相談をしたのでありますが、この際資材資金等相当に援助して割当いたしましても、メーカーの製作能力からして、どうしても多くの数字は期待できないという結論になつたのであります。現在は本年の暮までにメーターにおいて六十万戸、リミツターにおいて百五十万戸の製作ならば、どうにかできるからというメーカーの方の話によりまして、これを目標にして製作を進めておるようなわけであります。現在そのために資材、資金は大体において非常な困り方がないようにできておると信じております。從つてこれだけのメーターとリミツターができまして、取り付けられたとしましても、尚余すところの定額需要家が非常に多いのであります。そこでこれが盗用の防止は、どうしても國民全部がこれに対して注意をし、協力をして貰わなければ、到底完全なる目的の達成はむずかしいのではないかと思います。政府の一部の者だけがこのために心配をして駆け廻つて見ても、到底それでは力が及ばんのでありまして、この際政府は勿論、全部がこれに協力して貰らい、更に直接電氣供給の衝に当つておられる電氣事業者、及びその從業員組合、更に又國会の諸君の特別な御協力を得ましてこの冬にはなんらか電氣の合理的な使用或いは盗用防止というような意味において、國民運動を起して行かなければ到底この電力危機の乘切りということはむずかしいのではないか。かように考えておる次第であります。
第三番目の石炭の下期百四十万トン確保の問題につきましては、電力局としてその趣旨を安本に強く申入れております。幸い安本の動力局の次長も見えておりますから、この点についてはその方からお答えを頂きたいと思います。