江口見登留の発言 (労働委員会)
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○政府委員(江口見登留君) ざつと基準法が九月一日にその一部を施行しまして後の状況について申上げます。御承知の通り基準法は九月一日にその全部を施行いたしたのではないのでありまして、安全衞生に関する章、それから婦人及び年少者に関する一部分、それから技能者の養成、それから寄宿舍に関する章、これだけの章はまだ未施行であります。目下これらの章についての施行令、並びに施行規則を日夜審議をいたしておるのでありまするが、それでは九月一日に施行しました分についてどういう影響があり、反響が起つておるかということにつきまして、実はまだ甚だ調査が行き届いておりませんので、どういう反響がありましたかはまだ明確には我々のところに響いて参つておりません。ただ断片的に、例えば運輸省においてはその配置轉換のために非常に困るとか、或いは運送事業が、而も中小商工業的運送事業が非常な打撃を受けておるとか、或いは全面的に施行になれば日本の映画事業は不振になるとか、そういつた極めて断片的なことしか聞えて來ておりません。労働者側としてどれ程この基準法の施行によつて具体的に利益を受け、権利が保障され、その法の施行を謳歌しておるかという点につきましても、実はまだ詳しい調査ができていないのであります。と申しまするのは、実は九月一日に施行いたしたのでありますが、八月末に至るまで関係方面との折衝と申しまするか、強力な指導があつたわけでありまして、それらを條文に直して直ちに官報などで公布のできるように、印刷の段取りをしたのでありまするが、昔と違いまして、非常に印刷能力も落ちておりまするし、政令の部分がやつと九月六日に官報として刷り上る。それから施行規則の分がやつと九月十二日に刷り上る。役所として特別に印刷屋に頼んだものは、やはり十二三日でなければ刷り上らない。それがまたたく間に切れてしまつて、第二回目の施行された部分の法令集を注文しましたのがやはり二三日前にできて來たという恰好で、それから地方の事務局におきましては事務費不足というような関係から、施行になりました政令の規則を全部の事業者に短日月の間に印刷物で徹底させるということが非常に困難な事情があるわけでございます。そういう関係で、なかなか徹底が、実は十分に行つていないというような関係もございまして、その後の影響如何というような問題になりますと、まだ責任を以てお答えいたすところまで実は行つていないのでございます。一應経過報告といたしまして、その程度のことを申上げます。
それから今掛つております條文につきまして申上げますと、これはどうしても残りの部分は十一月一日から施行しなければならぬというふうに、実はこの前の施行令でも、規定しておるような次第でありまして、大体女子及び年少者の章につきましては、これは勿論所管は婦人少年局の方でありまするが、大体成案ができまして、三四十條ぐらいになると思いますが、十六日に東京でその部分についての公聽会を開き、それから二十日に大阪で公聽会を開くという豫定になつております。それから技能者の養成に関する條文、これが四十條ぐらいあるかと思います。それから寄宿舍の條文、これもその程度ございます。これらは殆どでき上つております。ただ安全衞生の衞生はでき上りましたが、百條ぐらいであります。安全の方は五百五十條ぐらいになりますが、非常に大部なものでありまして、目下審議しております。やはり関係方面の了解を得ますのに、相当の時間がかかるのでありまして、安全衞生についてはもう既に半月ぐらい前に大雜杷な公聽会を各ブロック毎に開いて参つておりますが、寄宿舍及び技能者養成につきましては、全く新たな條文でありますので、公聽会に掛けなければなりません。大阪では二十日、東京では二十二日に公聽会に掛け得るだろうと考えております。それから只今ちよつと御指摘があつたのですが、労働基準監督官の充員程度は、どうであろうかということをお話しいたしますと、労働基準監督官は、本省地方を通じまして、一級、二級、三級を合せまして、二千四、五百名になります。三分の二程度は充員し、若しくはその手続中であります。併し全部の充員は困難でありまして、労働基準監督官制にありますように、早急に監督官試驗を行いまして、これに合格した者の中から、優秀な人を、各地方に配置するという心構えでおりまして、大体三分の二程度は充員できたものではないかと思います。監督署の設置でございますが、基準局はどうにかして縣廳の一部或いはお寺を借りたり、ビルデイングの一部を借りて、どうにか都合がつきましたが、監督署の方で、まだ看板を上げただけで、内容の設備はまだ整つていないという所が相当ございます。併し仕事の方を疎かにしておるのではありませんで、これの方もそろそろ仕事に掛つておるような次第でございます。以上のような次第でございまして又御質問に應じまして、お答え申上げます。