栗山良夫の発言 (労働委員会)
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○栗山良夫君 今日の題目とはちよつと筋が違うかも知れませんが、実は昨日労働大臣に御質問申上げたいと思つておつたことですが、或いは労働大臣にお伺いする筋合のものではなく、大藏大臣或いは総理にお伺いするのが妥当かも知れませんが、併し直接労働大臣の御関係のことでありますのでお伺いしたいと思います。去る二日並びに十日の労働政策につきまして、労組側並びに企業者側との懇談会をお持ちになりました席上、労働大臣は千八百円ベースの堅持の一つの方策として、勤労所得税の免税点の引上げを実施することになつたというようなことをお話しになりまして、税の軽減により、千八百円の維持を強力に進めて行くという、はつきりした態度をお示しになつたわけであります。この点は、すでに勤労者も待ち焦がれておつたことでありまして、これは当然過ぎるほど当然のことだと思うのでありますが、ただそこで一つ非常に了解し得ない点があるのは、そういう工合にして、片方で千八百円の維持のために手をお打ちになつておりながら、又一方では千八百円ベースを崩壊に導くような煙草の値上げ、その他の間接税、並びに消費物資の、千八百円のあの緊急経済政策が決定されたときに予定されなかつたような物資が、國民生活に欠くことのできない物資が、極めて大幅な値上げを今実施されつつありまして、この面で崩壊をしておるという事実、それからもう一つは、仮りに税金をこういう工合に軽減いたしましても、今度の追加予算がはつきり提出されなければ分りませんけれども、私どもの予測しておりまするところでは、相当厖大な金額になるやに思うのでありますが、その時に、こういうような大衆的な税金が減つた場合に、若しその埋合せに、外に余程強力な財源が見つけられない限りにおいては、やはり赤字財政的な予算になりまして、これが根源になつて、今まで賃金がインフレに拍車をかけているんだと、こういう工合にいわれて來ましたが、逆にこの國家財政の赤字財政がインフレを煽つて行く、こういうような形に陥るのではないかということを、非常に心配しておるわけであります。從つてこの千八百円ベースを堅持するためには、もう少し切りこま式の政策の発表でなくして、総括された、綜合的な、大きな規模における財政の確立がなければならないと思うのでありますが、私どもの承知しておりまする限りにおきましては、甚だ遺憾でありまするけれども、國家財政の收入の面においても、大口所得者、そういつたようなところから、実際の所得に対しまして、現在の勤労階級或は眞面目な企業が負担しておるようなああいう税金を、改めてでも取立てるというような対策すら構じられていないように私は考えるのであります。こういうことがもつと強力になされなければ、決していうところの千八百円の維持というようなことは、表からも裏からも私は堅持できないと思うのでありまして、労働大臣がこういつたような点までいろいろ綜合された結果、この勤労所得税の問題を一つの例に取つて、千八百円の堅持の方針をはつきり信念としてお持ちになつておるのかどうか、その辺をお伺いしたいのであります。