保岡豊の発言 (決算委員会)
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○説明員(保岡豊君) 七十六頁に総論が書いてございますが、昭和二十七年度におきます租税収入の徴収決定済額は七千三百九十七億、収納済額が八千九百五十二億で、その収納割合は別年度に比べまして好転しております。併しまだ収納未済額は千億余、税関のほうで三十億余、合せて千三十四億の収納未済額になつております。会計検査院が検査いたしまして、注意すべき点、指摘いたしました点は(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)とここに書いてございますが、先ず(ア)の分と(イ)の分は租税の賦課に関する誤りであります。法人、個人の経理内容、取引関係の調査不徹底だとか、課税資料の通報連絡又は活用の不十分であるとか、法令の適用を過つたとか、源泉徴収所得税について、その徴収をすべきものを徴収していないものがあつたとか、そういう賦課に関するものが本年も多いのでありますが、それのあとから出ます件数が三百七十二件、それからその次の(ウ)徴収に関する徴収上の過誤、それはあとから二十三件出て参ります。それからその次は過誤納金の還付の促進についてその過納発生後長期間に亘りまして放置していたもの、十万円以上のものをあとから不当事項として掲げてあります。それが百六号であります。それからあとから出ます九十八号から百五号、これは不正行為でございます。
先ず順を逐いまして五十九号の税関のところから説明いたします。五十九号、これは関税を賦課する場合の課税価格のとりようがよろしくなかつた、こういうわけでありまして、中古自動車を外国人から譲受けましたときに、まだ関税がかかつていないものでありますから、譲受けたときを輸入とみなしまして関税をかけたのであります。そのときにすでに出ておりました通牒によりまして、これは課税価格の決定の方法として、年四半期ごとに改訂されて出ますレツドブツク即ち米国の大西洋岸A地区の相場でございますが、これは製作年別、車種別にリストによつて出て参ります。これによつて算出するという通牒がすでにそのとき出ておつたのであります。現に横浜税関、神戸税関におきましては、この通牒通りに算定しておつたのでありますが、本件だけがその理由として一年もう使用したものであるから、一年前に外国人が買受けたときに申請した価格よりもそのリストによると高くなるからという理由、それで実情に副わないという理由又通牒によらないで査定しても妥当であるという理由で、今申しました外国人が買受けたときに申告した価格によりまして課税価格をきめたと、こういうところに要点があるわけであります。こういたしますと、不公平になります。そこで通牒により得ないという理由も特別な理由もないのでございますから、ここに不当事項として取上げたわけであります。
それからその次、順を逐いますと、不当事項のうち不正行為になります。不正行為の九十八号から百五号でございますが、これはざつと大要を申上げますと、まあ滞納している者に対する徴収の場合でありますが、納付金が入りましたときに、それの領収証を出しますが、これを正規の領収証を使わないで、仮領収証を使つてその金額を領得したとか、正規な領収証を使う場合に納入にやる場合にはその金額を書きますが、報告書と原簿には少く書きましてその差額をとる、又正規の領収証を使つて納入には出しますが、報告をしないというもの、それで報告をしないで全額を領得するという種類のもの、又一応とりましたときに、報告のほうは少く書きまして、納入にやるものだけをあとから一番上の数字を書き添えるとかいうようなことをする、これはまあ改竄と申しますか、そういうふうにしたもの、とにかく領収証に関するものと、それから先日付小切手を持つておりまして、それを銀行に預託することをしないで、自分で持つておりまして、それを期日が来たときにそれを現金化して領得する、それから第三番目には保管金を窃取したとか、この三つの大要になるのであります。
そこで今申しました三つの大要を個個に当てはめてみますと、九十八号は四百五十四万円でありますが、このうち一万円は正規の領収証を使いまして、一部払込んで差額を領得した、あと残りの四百五十三万円は全部先日付小切手の期日が来たときにそれを領得した、こういう場合であります。九十九は仮領収証を交付して全額を取つた場合と領収証の金額を改竄した場合であります。その次百号は正規の領収証を使用して、一部払込んだ場合、それから領収証の金額を改竄した場合、それが百号でございます。百一号は全部先日付小切手の場合であります。百二号は保管金を窃取したもの、百三号は正規の領収証を使用して金額取つた場合と一部取つた場合、それから仮領収証を使つて全部取つた場合、それから先ほど申しました金額を改竄した場合、それから百四号は領収証の金額を改竄した場合だけ、百五号は正規の領収証を使用して全部取つた場合と一部取つた場合、それから領収証を交付しない場合も入つております。
次に百六号でありますが、これは予定申告で過納する場合が多いわけであります。これを利子を付けて還付加算金を付けまして返すわけでありますが、利子の計算は日歩四銭で納付したときから計算されますが、更正決定などいたしましたときから三カ月くらいの間にそれを処理しなければならないと考えますのに、三カ月以上たつている。而も金額が十万円以上のものをここに掲げたものであります。そこで大阪国税局の支出年月日が二十七年六月と書いてございますが、これはそれが決定したのは二十六年の十一月でございます。それから広島は二十七年十二月に出しておりますが、決定したのは二十五年の八月であります。それから福岡の二十七年十月分は二十五年の九月でございます。それから十二月のものは二十六年の三月であります。それから熊本のものは二十七年の十一月の支出になつておりますが、決定いたしましたのは二十六年の十月でございます。それから倉敷のものは二十七年の二月でございますが決定いたしましたのが二十五年の十二月であります。このように決定してから非常に長いものだけをここに掲げたものであります。このほかここに「なお書き」で書いてございますが、還付加算金の期間計算を誤りまして過払いとなつていたものがあるので注意いたしまして回収して頂いたと、こういうのがあります。
それからあとは是正の部分に属するものでございますが、百二頁から是正さした事項として検査に参りまして、その結果、照会を出しまして、当局におかれましても検討されまして、その通り直した、直した通りにここに掲げてあるのであります。これが態様別に配列されておりまして、去年はこういうふうになつておりません。今年からこの態様に重きをおきまして検査をし、又この配列をやつたわけであります。
先ず不適不足に関するもの。第一は個人の取得関係の調査不十分なもの、これが八十五件で徴収不足が四千万円、徴収過が百万円、それでここに内訳が書いてございます。このうちで一番多いものだけを申しますと(ア)でございます。「国、公共団体その他法人との取引関係または所有権移転登記等の調査不十分なため、不動産所得、事業所得、譲渡所得、受贈財産等に対する課税漏れをきたしたもの」、これが六十件、二千八百万円ございます。次に(二)といたしまして、法人の経理内容、百九頁でございますが、法人の経理内容等の調査不十分なもの、これが六十一件、徴収不足が四千九百万円、過が九百万円、このうちで一番大きいものは(イ)でございまして、「たな卸商品格下を否認せずまたはその否認額を誤つたもの」、これが不足のほうが二千四百万円、過のほうが十八万円ばかりございます。その次のものといたしまして百十五頁でございますが、法令の適用を誤つたもの六十一件、徴収不足二千六百万円、過が九百万円、これは(ウ)が多いのでありまして、「減価償却範囲額の計算において法定の期間計算等を誤つたもの」、これが不足でございますが、十九件ございまして六百万円であります。それから過が七件でありまして三百万円ございます。
次に(四)でございますが、これは百二十頁にございます。課税資料についての通報連絡又は活用の不十分なもの、これは百三件ありまして、不足が五千四百万円、過が三十三万円ばかり、この数字は(ア)と(イ)とございますが、(ア)のほうが多いのであります。徴収不足九十六件、四千八百万円、過が十四万円ばかり、それからその次に(五)といたしまして、百二十七項に、源泉徴収所得税に関する調査不十分なもの、五十一件、徴収不足が四千四百万円ございますが、これの多いものは徴収不足、(ア)の三十六件、二千八百万円ございます。その次にその他の過誤によるもの、百三十一頁でございますが、これは十二件、徴収不足が五百万円、過が六十万円ばかりであります。
それで過不足のほうを終りまして、今度は徴収上の過誤の是正さしたもの、これは二十三件、八百万円でありまして、このうち多いのは(ア)のものであります。六百万円ばかりございます。
以上は、一事項と申しますと、納税者一人に対するもの十万円以上のものをこの事項ごとに集計いたしまして、税務署ごとに一件とした配列の仕方でございます。二十六年度はこれを態様別に分けませんで、税務署で、一つの税務署であれば個人のものも法人のものも一緒に掲げてございますが、今年は個人のものと法人のものとあつた場合には両方に同じ税務署が出ております。こういうようにしてここに掲げてあります。これは全国五百三の税務署中二百三十二署を実地検査した結果でございます。
以上で一応の説明を終ります。