下田武三の発言 (建設・水産連合委員会)

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○政府委員(下田武三君) この法案自体は私の担当ではございませんが、国連軍協定その他を担当いたしておりまして、只今御指摘の、法案の背後にある根本の点につきまして、私の承知しておるところをお答え申上げたいと思いますが、御承知のように平和条約で撤兵の原則が定められました。そして占領軍というものは平和条約の発効後一定期間後にいなくなるわけでございましたが、不幸にしてして平和条約発効前に朝鮮動乱が起りましたために、平和条約の第五条におきまして、日本国は国際連合憲章の義務、なかんずく第二条の国連の行動についてあらゆる援助を与える義務というものを平和条約で負うことになりました。差当り朝鮮動乱につきまして国連がとつております行動について、日本が如何なる援助を与えるかというその援助の態様をきめたのが先ほど仰せの吉田、アチソン交換公文でございます。つまり朝鮮における国連軍に日本において後方基地としての使用を許すという考えでございます。そこで日本といたしましては、一方におきまして平和条約と同時に発効いたしました安保条約で、これは日本自体を守るための米駐留軍というものをおき、他方において只今の吉田、アチソン交換公文で、現実の目的は朝鮮における行動にあるのであるけれども、日本においてその朝鮮における行動を支持するための国連軍の滞在を許すという二本建の取極ができたわけでございます。そこで御承知のように米駐留軍の地位、待遇等を定めましたものは安保条約第一条に基きます日米行政協定でございます。行政協定は早くできましたが、この行政協定に関連いたしまして、米駐留軍が海上水面その他で演習その他をする場合に、これに伴う日本の漁業者、水産業者の損害補償という問題は、やはり法律によつてこれを解決する措置がすでにとられておつたわけでございまするが、遺憾ながら国連軍の地位、待遇を定める国連軍協定というものが締結が非常に遅れまして、この遅れました理由は、日本側が裁判権に関するNATO方式を固執いたしたのが最大の原因でございますが、その他の財政条項につきましても日本側としては非常に強硬な態度で臨んでおりましたために、なかなか先方受諾いたしませんで、やつと本年に至りましてできたわけでございます。そこで国連軍協定の協定自体はできたのでありまするが、この協定の実施に即応いたしましてたくさんの国内法令を必要といたします。只今御審議を願つております法律案もその一つにほかならないわけでございまして日本側といたしましては、できれば国連軍側に漁業者に対する損害補償等を負担させたいのでありまするが、これなかなか先方もそこまでの負担は応諾いたしませんので、結局これは日本側が負担しなければならないということで、国内法令で以て措置するという方針に相成りました。そうして関係省のほうでこの法案を御起草になりまして御提出願つた次第でございます。
 でございまするから、結局漁業者に対する損害の補償を国連側が負担するか或いは日本側が負担するかという根本問題でございまするが、結局財政経済問題につきましては、米軍と異りまして、日本は米駐留軍に対しては防衛分担金を負担するほか、国有施設をただで貸す或いは民有家屋、土地等の借料を日本側が払うという負担をいたしておるのでありまするが、国連軍に対しましては防衛分担金のような経費は一切日本側が負担いたしません。唯一の負担は、国有財産を貸した場合に、取り得べかりし借料の足らない分という消極的負担でございまして民有家屋等の借料はこれは国連軍が負担する。そこで漁業者に対する損害賠償の点も、結局これは日本側で負担するということで線を引きました結果、その問題を国内法で措置する必要が生じて来た。そういう関係になつておる次第でございます。

発言情報

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発言者: 下田武三

speaker_id: 10060

日付: 1954-05-19

院: 参議院

会議名: 建設・水産連合委員会