藤井宗治の発言 (通商産業委員会)

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○参考人(藤井宗治君) 第一点の御母衣の竣工期間が遅れましたために五カ年計画はどうなるか、こういう御質問でございまして、これは御尤もな御質問ではございまするが、これは工期が、竣工期間が遅れれば自然五カ年計画にこれだけの穴があくのでございまするが、これに対しましてはその後追加されておりまする地点もありまするので、予算の都合がつけば当初の五カ年計画の穴を埋めるために努力しなければならないし、努力したいと思います。そういうような観点から、或いは九州の瀬戸石もやりたいと思いまするし、先ほど、これは後に関連して参りまするが、若し四国の奈半利川が当社でやらなければならなくなりまするとすれば、こういう所に、下流の地点ですね、そういうふうなものも考えたり、或いはこの前の臨時国会でありまするか、調査を命ぜられておりまする態野川地点等の比較的容易な所を先にやるとか、こういつたようなものでできるだけこの穴を埋めたいと思います。又これは電力会社とも十分協調いたしまして、御母衣は補給用の使命を持つておりますので、これは火力等の問題について遺憾のない措置を講じてもらうようにしなければならないと考えおります。
 それから第二点でございますか、開発会社の今後の性格についてのお話でございまするが、これは設備を電力会社に売るか、或いは電力設備を保有して電力で売るかという問題でございまするが、これは全部をことごとく保有しようとも考えられませんけれどもが、ものによつたらこれは電力会社のほうへ譲渡しようと思つてもし得ないものがあると思うのであります。特に電源開発会社の発電所は御承知のごとく大規模なものが多いのでありまするし、昨今のごとくことごとくこれは補給用に使われる地点でありまして、而もそれが東京電力と中部電力と両方に分けて使われるというような発電所でございますので、これは実は譲渡のしようがない、こう考えておるのであります。これは只見川水系についても同様でありまして、従つて好むと好まざるとにかかわらず、これは電源会社がこれを保有して電力を電力会社のほうに売るということにならざるを得ないのではないかと考えております。従いましてこの問題につきましては時日が決定するというふうにお考え願いたいと思うのであります勿論これは本当にナーバスに考えて来れば、或いはいろいろ意見もありましよう、又イデオロギー論から言つてもいろいろ意見がございましようが、私はそういうことは一つ個人の意見としてはありましても、差控えさせて頂きたいと思うのであります。而して供給会社に仮になるにいたしましても、現在の促進法の改正は今直ちにしなくてもよろしいのではないか。それでやつて行けるようにも思うのでございまして、目下のところは私どものはうとして今すぐ法律を変えてもらおうと考えておりません。これは促進法についてでございます。又先ほど水利権の問題についてのお尋ねでございましたが、御母衣の水利権はすでに関西電力会社から当社のほうへ委譲を受けております。勿論発電所を電力会社にお譲りする場合には、水利権もこれは合せてお譲りするようにしないと、水利権だけを電源開発会社のほうへ残しておいて、そして設備だけをお譲りするということは、これは面白くないかと思いまするが、御母衣問題だけについて申しますれば、すでに当社のほうへ水利権が移つております。蛇足でございますが附加えて御説明申上げます。
 それから第三の四国電力と住友共電との話でございまするが、これは私のほうにはそういうふうな情報が実は入つておりませんので、そういう政治資金をどうかというようなことは全然存じませんか、私の想像するところではまさかそんなことはあり得ない。こう考えられるのでございますが、この点はむしろ通産省の御当局のほうからお聞き願いたいと思います。奈半利川の開発の問題につきましては勿論当社といたしましては、審議会で御決定になり当社でやることにきまれば勿論やらねばならないし、やる用意もいたしております。前の審議会であそこは調査だけはしておくようにという決議になつておるようでありまするから、調査は進めて参つておりまするが、この調査にいたしましてもあそこには多少の世上伝えられるところによるといろいろ問題がありまするので、まだ徹底的調査まで延びておりませんが、成る程度までの調査は進めてはおりまするけれども、これは審議会決定後でないと私どものほうでこれはやりますということを申上げかねるのであります。
 それから第四点のどこか事故を起したのではないかという問題でございまするが、これはたしかこの前の委員会におきましてお話が出たと思いまするが、岩手県にあります胆沢発電所についてであります。これは胆沢発電所は本年の一月に通水を開始いたしまして、電力を供給いたしておつたのでありまするが、一部分非常に漏水の甚だしい所がありまして、そこの隧道が大きな破損をしては困りますので、大事に至らない前に、丁度昨今非常に水が減つているときを利用いたしまして、これは根本的の修繕を加えることにいたしておるのであります。この事故の原因につきましては、まだ最後的の結論を申上げる段階になつておりませんが、大体の見当といたしましては、これは工期を余りに急いだ点と、当時資材等の節約をするために鉄管を節約するとか、或いはグラウトを十分にやらなかつたというようなことが原因でございまして、今の地点は実は比較的岩盤ではあつたのでありまするが、地表に近い所に、もつと深いところを通さなければならないものを比較的表面に近い所に圧力隧道を通したために、その部分が漏水をいたしたのであります。そういう部分に対して現在鉄管を今入れております。その他の所につきましても更にグラウトの強化をやつておるのであります。この原因は会社ができました当時、全然会社に技術者がいない、手のないところへ予定通りこれは竣工をしなきやならないというので竣工を急いだ、そのために設計なり工事施工監督を工務所のほうに依頼いたしまして、全部工務所の設計により工務所の施工監督によつてやつたのでありまして、設計の点におきましても遺漏があり、又工事施工上についても遺漏があつたのでございまするが、要は会社が創立当時といたしまして、手がないのにかかわらず工期を非常に急いだ、この二点がこういう結果を招いたものと推定されております。これに対しましては当社といたしましても放つて置くわけに行きませんので、今委員会を作りまして徹底的に原因を究明し、将来こういうことの起らないような措置を講ずると共に、その責任の所在を明らかにいたしまして、その責任は徹底的に追及するということになつております。
 第五点の問題でございますが、補償の問題でございまして、これはそういう事例が当社に影響しておる点があるのでありまして、ですが本社のほうへまだそれは持込んでおりませんが、これは現地におきまして、これは御母衣等にはございまするが、そういうふうに一たびそのところへ発電所を造るということは公式に発表された後にそういうことを計画され、或いは建築物等を建てたものに対しましては補償しないという態度で臨んでおりまするので、今のところ表面化して大きな問題として本社に持込まれた問題はないのでありまして、現地でおおむね処理しておるようであります。併しこういうことは今後起りがちの問題であるし、これはひとり電源開発会社ばかりでなく、その他の、或いは建設省でやられておる工事、鉄道工事等にもいろいろ影響のあることでございまするので、悪例にならないように私どもとしては措置いたしますると同時に、必ずしも好ましいことではございませんが、やはりこれに対してそういうことのあつた場合にもののわからない、非常に頑迷でもののわからないような事例に対しましてはやはり法的にこれを解決して頂く以外にないと思いますので、私は皆様の御配慮によつて立法的措置を講じて頂きたいと念願いたしております。勿論そういうものはいわゆる伝家の宝刀でありまして、みだりに抜くべきものではありませんが、どうしても止むを得ない場合においては法的措置に訴えざるを得ない場合もあるかと思いまするので、この点はよろしくお願いいたしたいと思います。

発言情報

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発言者: 藤井宗治

speaker_id: 32735

日付: 1954-11-12

院: 参議院

会議名: 通商産業委員会