長谷慎一の発言 (電気通信委員会)

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○説明員(長谷慎一君) 最初に私からお答え申上げます。
 御指摘のように、最近におきますところの経済界の動向に伴いまして、広告方面において相当緊縮されつつある情勢が現われて来ておりますことは御指摘の通りでございます。私どもといたしまして、この方面の調査も実は参考としてかねがねいたしておつたのでございますが、全国的に中央、地方を通じて完全な調査は勿論相当の時日を要しますのでできておりませんが、大体中央におきまして、殆んど広告の七〇%から八〇%を占めるであろう部分につきまして、いろいろ調べて見たところによりますというと、御指摘のように確かに新聞、雑誌、そういう方面に、特に新聞関係の広告料金は昨年の暮までは毎月殖えている。勿論暮とか十二月というようなときには、特別の変動があるようでありますが、大体毎月殖えておる傾向を辿つて来ておつたのでありますが、今年に入りましてから漸減をしておるようであります。大体月平均三十億程度のものが、最近におきましては二十七、八億から二十六億程度くらいまで減つて来ておるような様子が見られるのであります。一方只今御指摘になりましたラヂオ関係、民間放送及び民間テレビ関係のほうを見ますというと、その間におきまして、御指摘もありましたように、放送局も大分殖えたのでありますが、全体を見ますと減つておるというようなことはないのであります。勿論各社平均に、一社当りの金額に換算いたしますというと、前よりは減つておりますけれども、総額といたしましては毎月現在でも殖えつつある状態であります。その点がやや新聞関係において総額において相当減少を来たしておるけれども、ラヂオのほうは総額においてはまだ漸増の傾向にあります。全体的に見ますというと、デフレの影響が相当ひどく現われていないように思います。併しこれには楽観的な見方は勿論できないわけでありまして、もつと詳細に分析をいたしまして、民間放送の経営が今後どういうふうに行くかということを御指摘もありましたような意味合いからいたしましても、一つ十分注意して行かなければならん問題と存じております。大体御参考に申上げますというと、十キロ局以上の東京、大阪のようなところ、或いは九州、北海道、東北におきましても仙台というような相当の電力を持ち、そのサービス区域も相当広くて、相当前から、民間放送の初期から事業を始めているところは勿論、その後殖えたものも相当の収入を見ているのでありますけれども、確かに十分なだけのなには得ていないところが多分にあるようであります。勿論最近スタートしたばかりでまだ決算等も十分済んでいないところがありますので、的確なところはまだわかりませんけれども、予定の収入に達していないところも数社あるように見受けられます。尤もこれはその計画が多少見積が甘かつたのか、或いは経営に際してのいろいろ問題等もございますので、一概には申せませんけれども、数字的からだけ申上げますならば、大体平均しまして、そういう五百ワツト以上、五百ワツトまでの民間放送局は月平均三百万円から四百万円くらいの収入を見込んでおつたのであります。現在私どものほうでいろいろ中央及び地方の広告資源といつていいものを、今民間放送に流れている状況を調べますというと、大体三百万円を上廻つている。平均して三百万円を上廻つているのであります。従いまして詳細の点は、先ほど申上げましたように、十分とはございませんけれども、大体予定しているものを十分上廻つてはおらないのでございますけれども、大体経営のやり方によつては只今のところでは行くのではなかろうか、こう感ぜられますが、御指摘のように、又このような経済状況も今後ますます緊縮と申しましようか、或いは今までの緊縮の経済界の結果が現われて来るのは今後であるというふうにも考えますというと、この点は私どもとしてもいろいろ考えなければならんと思つております。大体民間放送関係者の方々はこういう点も考えまして、今まで各社が別々に東京或いは大阪方面に支社を持つてスポンサー獲得その他をやられておつたものを数社が共同してやる、或いは場合によつては合同というようなものを考えたり、或いはプログラムを協定によりましてネツト・ワークを作つて諸経費の節約を図つたり、そういうようなこともいろいろ合理化という面で考えておるのでありまして、そういう面から考えましてもいろいろ問題があるかと思いますが、関係者もいろいろ善後策を考えておるわけであります。そういうことでございまして、結果的に申上げますというと、現在のところでは新聞その他に見受けられるほど広告界のと申しましようか、広告資源の緊縮の影響がラジオ、民間放送、テレビ等のほうには余り現在のところまでは出て来ていないと申上げて大きな誤りはないのではないかと存じております。併し先ほどお話もございましたように、民間効送局を許可いたします場合には、その根拠規定でございます電波法におきましても、明らかに経済的な点を考慮することになつておるのでございまして、当該業務を維持するに足りるだけの財政的基礎があるかどうかということを考慮することになつております。従来もこの点は十分考慮いたして来たのでございますが、今後、お話もありましたように、このような経済情勢下におきましては、この点について特に慎重を期して行かなければならないのではないかと、そういうふうに感じておるのであります。
 なお只今放送法の改正というような問題につきまして、放送法全体に互つて調査をいたしております。それと一緒に電波法も必然的に放送法の検討と同時に進めなければいけませんので、電波法の只今申上げました免許関係のことについても研究をいたしておりますが、御承知のように、民間放送の局の免許の場合には、従来の考えでは、その事業の免許ということも勿論考慮には入れておりますけれども、その局の、無線局と申しましようか、放送局の施設なり、運用なり、そういうことにむしろ重点が置かれておつた傾きがございます。果して今後もこれでよいのかどうかということも、私どもとして大きな研究問題である、そういうふうに存じておるのでございます。いろいろ御意見、御指導を頂いてこれらの問題にも放送法改正の場合に万全を期したい、こういうふうに存じておる次第でございます。

発言情報

speech_id: 101914847X00219540914_003

発言者: 長谷慎一

speaker_id: 15905

日付: 1954-09-14

院: 参議院

会議名: 電気通信委員会