新谷寅三郎の発言 (電気通信委員会)
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○新谷寅三郎君 いろいろ聞きたいことがあるのですが、昨日の調査報告に対して、これはNHK、民放含めての話ですが、あなたから、そういういろいろな問題があることは知つていたが、これはまあ逐次解決するようにするという話があつたのですが、私の見たところではどうも従来の方針で逐次解決して行かれるのでは、これはあとからわかるだろうと思うのですが、解決し切れないような事態に追い込まれるのではないかという心配があるのです。丁度今放送法等の改正を準備しておられるようですから、中には立法事項もありましようから、この機会に御参考になるかならんかわかりませんが、少し質問の形でいろいろ申上げてみたいと思います。
左藤委員からもお話がありましたが、これは主として経済的な方面から見た見方で、我々もその点は心配しておりますが、昨年でしたか、非常に皆さんが研究をされた結果出されたいわゆるチヤンネル・プランですね、これは勿論ないよりもあつたほうが私もいいと思うのです。併しこれを実行してみますと単にチヤンネル・プランだけでなしに、その他のいろいろの放送に関する郵政省の政策とからみ合つて実に今は困つた状態になつているということを考えるのです。この点は皆さんのところにもいろいろなにが来ているだろうと思いますから、具体的には言いませんが、例えば放送法によつて、NHKはいやしくも国民のすべてに一つでも電波を届けるようにしたいということが書いてありますね、これがNHKの第一の目的だということを七条で謳つております。それで今年の通常国会でも難聴地域の解消ということについて我々非常に力を入れてあなた方に要望したわけです。その点は郵政省も又NHKのほうでもその意を了とせられて、最大限の努力をいたしますということを、お約束になつた。ところが難聴地域を解消するためにはどういうふうな具体的な計画があるかということになりますと、NHK自身もまだ確たる計画を持つていない、実行計画を持つていない、あなた方のほうも難聴地域を解消するために具体的にこういうふうな計画によつて推進しろということを勧告もされていないという状態であります。それをもつと掘り下げて行きますと、チヤンネル・プランにぶつかつて来る。先般係りの課長等にいろいろお尋ねしましたが、難聴地域を解消するためには、NHK自身が必要とする非常に多くの周波数が要るわけです。これは何波要るか私は存じませんが、相当多くの周波数が必要になつて来るわけです。ところがこのチヤンネル・プランはそういつたところまでは考慮されていないのですね。更にこれを若し考慮されているというならばいるということをお答え頂きたいと思います。恐らく小さな無人ステーシヨンのようなものをあちこちに建てて行くというようなこともやられるだろうし、或いは今の放送施設を強化して出力を増すということも考えられるんだろうと思うんです。これは具体的にきまつて来るわけですが、いろいろな方法でとにかく全国のどこにおつても国民に対して一つでも電波が届くようにしたいという放送法の狙いが、そういうことを考慮されないのでは達せられないのですね、技術的にも……。そういう点に先ず第一にチヤンネル・プランについて、ここでもう一遍振り返つて見て若しそこに難点があればそれを考え直す必要が出て来るのではないかと思います。
それから東北班でも四国班でも述べましたように至るところで混信問題が起つている。これは放送法制定当時も、それから民間放送を許可しようという際にも私たち申したことなんですが、今日まだ受信機は必ずしもよくなつていないのです。スーパーがだんだん殖えてやがては五〇%ぐらいになるだろうと思いますが、そういう状態ですから、大体受信機はいわゆるまあ並四の受信機を標準にして声も分離できるようにしてありますということを政府委員は答弁をしておられる。我々もその通りだと思つておつたのであります。ところが実際当つて見ると、これはまあ研究が足りなかつたのか、或いは机の上で理論的にはそうであるが、実際で見るといろいろ地形等の関係から違つた結果が出て来るのか存じませんが、ともかくあなた方のほうで今民間放送に対していろいろの周波数を苦心をして与えておられるのですが、それが思わない混信を起して非常な障害を起しているということは事実なんであります。私は四国へ参つたのですが、四国も、昨日久保委員から述べたように、いろいろ混信問題が起つております。そのほかに著しい例があるのですがね、と言いますのは、私の郷里の近所ですが、京都放送の……。これは勿論私はあなた方のとつておられる一県一社主義というものに対しては私は必ずしも賛成しない。あとで申上げますが、にもかかわらず、とにかく京都のすぐ近所の高槻あたりで京都放送の電波が熊本の電波に大きな影響を受ける。混信して聞えないということです。これは一つデータをとつてお調べ願いたいと思います。若し仮にこういう事実があるとすれば、これはあなた方のいわゆるチャンネル・プランというものはどこかに欠陥があるのではないか。元来京都府下のそういう都市が、京都放送を聞くべき地域、サービス・エリヤだと思うんですが、それを他の電波によつて妨害を与えることを初めから予想して同じ周波数を与えられたとは私は考えられない。それとも初めから高槻あたりは混信してもいいのだという前提で同じ周波数を与えられているとすれば、これは非常な私は間違いだと思う。この間の事情は一体我々は技術はわかりませんが、結果だけを見ますると再検討しなきやならんということを非常に痛切に感じさせられるものがあるわけです。のみならず、先ほどちよつと申上げましたが、あなた方のとろうとしておられる、いやもうとつておられるのかも知れませんが、一県一社主義という主義ですね、それはまあ民間放送ができます場合には、大体地方の有力者、特に新聞社等が主体になつてやりますから県庁所在地なんかに本社を置くことが多いのですが、これが非常に例えば片寄つた地域であると、むしろ自分の県よりも他の県に電波がより届くという例がたくさんあるわけですね。ところが電波の伝播の区域とこういうふうな行政区画というものとは非常に違うものだと思うのですよ。それが不幸にしていろいろ地元の資本関係やら新聞社の関係等からして、どうもその一県一社でなくちやならんという主義をおとりになつて来たようですが、これも今申上げたような今の放送界を、言葉を悪く言えば、混乱をさしておる一つの原因だと思う。でありますから、私はまだ結論は申上げませんけれども、いろいろの角度から眺めましても、今までとられ来たつた電波行政のいわゆる許可方針というもの、これはどうも私には解しがたい点がたくさんあるわけなんです。
そこで放送法の改正に当りまして、是非こういつた点を解決してもらうように努力をされなきやならんと思うのですが、今申上げたような点について、将来の改正問題は別として、只今はどういうふうなお考えで進んでおられるか、私はあなたの言われた逐次従来の方針によつてという意味でしよう、逐次解消して行きますということが非常に気になるのです。むしろこれは根本的に方針を改めないと解決できない問題じやないかということを申上げたいのです。御見解を承わりたいと思います。