長谷慎一の発言 (電気通信委員会)
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○説明員(長谷慎一君) 只今いろいろ具体的に御指摘下さいまして、地方における放送に関するいろいろな問題につきまして御指摘下さいましたわけですが、私ども只今承知いたしておりますこと、或いは今後の考え等を申上げまして御参考にさして頂きたいと思います。又只今いろいろ頂きました御意見等は、今後、先ほど来申上げておりますように法律改正等の機会もございますので、法律的な問題はその中に十分考えに入れますし、又それ以外の問題につきましても十分に参考にさして頂きたいと思います。
三、四点につきましていろいろお話があつたように存じますので、それに分けて申上げたいと思いますが、先ずNHKが今後あまねくラジオが聞えるように置局して行かなければならんことは御指摘の通りで、法律上にも明らかにせられておるところでございまして、私どもといたしましては、いつも放送協会の置局計画というものを、特に長期的な置局計画というものを頭に入れて行かなければいかん、こういう気持で実はおるのでありまして、先ほど言及されました昨年の春に放送に対する電波の割当計画を作るときも、NHKから長期計画を提出してもらいまして、それが当てはまるようなチヤンネル・プランを作つたのでございます。私どもといたしましては、民間放送方面の人々からはいろいろ非難的に言われましたけれども、私どもとしては、当時といたしましてはNHKの課せられた使命から申しまして、先ずNHKの放送が全国あまねく聞けるための電波の割当を先ず考えまして、余力ができたものをできるだけ多くの人に聞き得るように民間放送の割当を考えたというような順序をとつたのでございます。併しその当時NHKの考え方と多少私どもの考え方が違いましたのは、NHKのほうでは第一放送も第二放送も同じ番組の中の差はない。従つて第一放送も全国放送もやればローカル放送もやる、第二放送も全国放送もやればローカル放送もやる、相互によつて車の両輪のごとく使いたい、こういうお話でありますが、それは尤も電波に余裕がございますれば私どももそれで差支えないのでございまするけれども、たとい民間放送というものを考慮に入れなくとも、全国あまねく自由自在に使えるというほどだけの電波もございません。殊に外国の混信問題もございますので、私どももそういう結果から、私どものほうからNHK当局者にもよく御説明申上げておるのでありますが、必ずしも第一放送と申しませんが、NHKの持つておる二つの放送局の一つは全国放送でもローカル放送でも自由に組める。併しもう一つの放送局は、仮に第二放送局と申上げましようか、第二放送局は全国一緒のプログラムである、そういう工合に技術的な考え方で電波の割当をきめたわけで、併しそれは夜間のことでございますので、昼間は電波は参りませんので、第二のほうの放送局も昼間は実際的にはローカルの番組を組めるであろう。併し基準としましては一つは全国放送、一つは地方も両方組める、こういうことの基準で実はチヤンネル・プランができたわけでございます。なおそのチヤンネル・プランを作りました場合には、必ず相互に従来からも同じ電波を使つておりますし、同じ電波を使いました場合にその間の混信問題がございますので、混信をどこの点で我慢をすべきかという、いわゆる技術基準と申しましようか、そういうものを関係者の間で私どもの案をお示しをいたしまして検討してきめて、それに従つて最後的に電波の割りつけをきめたわけでございます。その基準を関係者にはよく申上げてあるのでありますが、本委員会で申上げる機会はなかつたかと存じますが、具体的な数字を大体わかりやすいように申上げますが、五百ワツトぐらいの出力の局では、局のある所から二十キロ離れた所で妨害の電波がこちらの電波の五%以下、そういう基準で、これを技術的な言葉で申上げますと、電界強度が一ミリボルト・パー・メーター、三十デシベルの差がある。これならば一応そこまでは妨害なく聞ける、こういう基準で同一周波数の割当をすることがよかろう、こういうことでその基準で割当をしたわけであります。併し実際になつてみますと、民間放送の関係の方々は一面商売をなすつておるわけでありますので、実際には、例えば昼間の間ですというとほかの妨害波が参りませんので、一ミリボルトよりもずつと弱いところでも昼間はよく聞えるのであります。ところが夜に妨害電波が来まするというと、今まで聞えておつた所が混信を受ける、こういう問題が起つて参りますので、いろいろ地方的に私どものほうにも言つて来ますけれども、大体そういう関係の方々は今の申上げた基準で作られたということは御承知なんでありますので、私どものほうにはそうやかましく言つて来られないのでありますが、商売のほうからいうと、確かに昼間聞えておつたのに夜混信して聞えない。そういう事情のためにいろいろな機会にお話が出るのであります。併し一応みんなの間で納得の行つた基準で割当をしておるのでございます。その線を越えておるような実情がございました場合には、私どもとして関係者の了解の下においてチヤンネル・プランを変えましたり、一部変更しましたり、或いは増力の変更をしましたり、そういう措置をしておりますが、その基準内で取つておる分につきましては、お互いのことであるから、而もお互いに納得した基準での割当だからということで実は御了解を願つて来ておる状態でございます。ただそれらの点が先ほど申上げましたように片方では、民間放送関係では商売をしておる関係上、できるならば混信のないほうがほしいという意味からいろいろな機会でおつしやつておられるように思います。併しただ私どもとして今後大いに注意いたさなければならんと思つておりますのは、そういう問題が今後絶対克服できないことかどうかと、こういうことでございます。と申しますのは、先ほどもお話が出ましたように、このチヤンネル・プランを作り、或いは民間放送を日本で許して行こうということを考えた初期におきましては、日本のラヂオの受信機の程度が御承知のように並四が大部分でございます。併しその後逐年だんだんよくなりまして、昨年の春に、このチヤンネル・プランを作ります当時には大体五〇%程度は高周波一段付き、それから一〇%弱程度がいわゆるスーパーであと四〇%前後のものが並四という数字でございます。この数字は恐らく昨年の春と申上げまするよりは一昨年の夏前後くらいの状況でございます。ところがその後非常にスーパーが殖えて参りまして、現在ではスーパー受信機が恐らく五〇%近いようなところまで行きつつあるようでございますが、そのように次第によくなつておりますが、昨年の春にチヤンネル・プランを作りましたときには、先ほど申上げましたように、実態調査のほうで高周波一段付きを基準としていろいろな技術上の割当基準を作つたのでございます。併しこれが殆んどスーパーに変りますというとこの基準も再検討できるわけでございます。果してスーパーを基準としたようこ技術基準を考え直すりばいいが、適当であるかというような点につきましてもいろいろ検討をし有ればいけませんので、受信機の分布状態、それらの性能等につきましても実は調査をいたしております。この今後におきますところのチヤンネル・プラン作成等につきましては、それらの点も十分考慮いたして、又できるだけこういう問題が起らないように努めたいと、こういうふうに実は思つております。そのような状態でございまして只今ほうぼうから混信問題で話が出ております。或いはラヂオから一般の漁業通信とか、昨日もお話が具体的にございましたが国警とは、いろいろな通信関係に妨害を及ぼしておること等も具体的に御指摘になつたのでありますが、これらの問題につきましても、個々に処置をいたして問題が解決しておるのも中にはあるのでございますが、これらは電波の割当ということに勿論関係がございますが、それを利用する側の受信機の状態で変つております。そのために当然普通の受信機の、或いはそれらの機械の使用状態では混信が起らない、妨害が入らないはずのものが偶然入つておるというようなものもございまして、そういうものはそういう点から処置をいたしておりますが、これらの混信問題につきましては、さつき申上げましたように、技術基準という面から万止むを得ないという工合に御了承願つておるものもございますが更に私たちとして実態調査をしまして、善後措置を講じなければならんと思われるものもございますので、実は各地方の局に命じまして実態調査をさしておる状態でございます。御承知のように夏時分と冬時分によつてもこの状況が違いますので、やはり相当長期間に亘りまして実態調査をした上で、あとに又問題が起らないように慎重を期したいと、こういうつもりでおるわけでございます。
次にお話が出ましたこの放送局の免許につきましていろいろ、どういう基準でやつておるかと、一県一社というような考え方でもあるようだというようなお話が出たのでございますが、民間放送の免許につきましては、電波法の第七条及び技術基準並びに放送局の開設の根本基準、これによつて処置をいたしておるわけでありますが、最近百ワツト以下の本来中継局用として考えておりました電波を使つて単独に局を開きたいというようなもの等が最近非常に殖えて参りました。これらを審議いたして参りますのに、単に電波があるからどんどん許して行くということでは、いわゆる小局の乱立状態になりましていずれも共倒れになるという危険性がある、そういうことでこれらの百ワツト以下の小さな局を審議する際には、少くとも一県で一つくらいにまとまつたものでなければおかしいのじやないか。県の中に二つも三つも小さい放送局ができて単独の会社形態になつて行くということは工合悪いだろうから、そういうものは、まあ特殊の県は、例えば東京とか大阪とか或いは福岡のような大県のようなところは、これは例外的に考えなければいかんかもしれないけれども、それ以外の県では大体今申上げましたように小局の乱立を防ぐ意味において成るべく一県一社にまとまるのを原則としよう、こういう気持でまあそういう考え方をとつたわけであります。これがまあ業界紙その他を通じまして如何にも一県には必ず一社を作るのだというように誤り伝えられまして、私どもも非常に一時困惑をいたしたことがございますが、本来の趣旨は今申上げたような趣旨であつたのでございます。併しなおこれらの免許をするときにどういう点をどういう程度に考慮して行くべきかということは、過去におきます私どもの経験からもいろいろな貴重な経験をいたしましたし、又かねがねいろいろな議会で諸先生方から御注意も頂いておりますので今度の放送法改正或いは電波法の改正の機会がありまするときには、是非それらの問題も考慮に入れて行きたいと考えておる次第でございます。以上申上げます。