吉田茂の発言 (本会議)

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○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。
 国警担当の大臣を替えたのは、警察法を重要なる法案として、現在国会の審議を要望いたしておるのでありますが、法務大臣が、従来時間の都合上時間の余裕がないために、審議が遅れておるという実際から考えてみまして、殊に時間のある専任大臣を任命いたしたのであります。即ち小坂労働大臣が、時間の余裕のあるというところから、又、小坂君の人格識見から考えてみまして、警察法の担当に適任なりと考えて、これを政府は任命いたしたのであります。(拍手)
 又、逮捕請求を抑える理由如何。これは逮捕のために捜査を中止せよというのではないのであります。捜査は捜査、逮捕は逮捕、別に考えるべきものであり、殊に今日の刑事政策の観念から申して、(「嘘つくな」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)聞け……これは、成るべく基本人権を尊重いたして、そうして審議を進めるのが、今日の刑事政策であります。逮捕せずとも審理はなし得ると私としては考えるのであります。逮捕をなして、そうして審理をするということは、これは昔の警察国家時代のやり方であつて、政府としては賛成せざるところであります。又検事総長の意見は私は見ませんでしたが、検事総長の意見は意見として相当の理由があるものでありますが、政府の理由とするところは、今申した通りであります。
 又、政府の責任をとるべき時期ではないか。私はそうは考えないのであります。この内外の重要な時期において、政府は進退を軽々しくいたすべきものではないと確信いたすものであります。又、重要法案その他が山積いたしておりますから、この重要法案が法律として通過することに、政府は最も専念いたして、この措置をとつたのであります。外部の圧迫等は断じてないのであります。
 犬養君の進退については、犬養君の考えを先ず聞かなければわからんのでありますが、辞表は、都合によりということでありますから、如何なる都合であるかということを尋ねた後にこの問題は決定いたします。(拍手)
   〔亀田得治君発言の許可を求む〕

発言情報

speech_id: 101915254X03719540422_008

発言者: 吉田茂

speaker_id: 26990

日付: 1954-04-22

院: 参議院

会議名: 本会議