本会議
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
昭和二十九年四月二十二日(木曜日)
午後一時四十八分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第三十七号
昭和二十九年四月二十二日
午前十時開議
第一 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承認を求めるの件(趣旨説明)
第二 町村合併促進法の一部を改正する法律案(内村清次君外十四名発議)(委員長報告)
第三 自治庁関係法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 昭和二十九年度分の市町村民税の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 狂犬病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 らい予防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第八 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 船舶職員法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一〇 農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一一 磐田、天竜川両駅間に停車場設置の請願(委員長報告)
第一二 定点観測業務続行に関する請願(二件)(委員長報告)
第一三 瀬戸、西大寺両駅間に新駅設置の請願(委員長報告)
第一四 宇都宮駅南方石井街道東北本線ガード改築に関する請願(委員長報告)
第一五 モーターボート競走の国庫納付金に関する請願(委員長報告)
第一六 定点観測業務継続に関する請願(委員長報告)
第一七 青函航路貨物運賃是正に関する請願(委員長報告)
第一八 篠山口、古市両駅間にジーゼルカー乗降場設置の請願(委員長報告)
第一九 東北本線鉄道複線化促進に関する請願(委員長報告)
第二〇 石見江津駅舎増改築に関する請願(委員長報告)
第二一 高知、佐川両駅間にガソリンカー運転開始の請願(委員長報告)
第二二 白石、北白川両駅間に新駅設置の請願(委員長報告)
第二三 久大、甘木両線にジーゼルカー運転開始の請願(委員長報告)
第二四 枕崎線知覧町内の停車場に関する請願(委員長報告)
第二五 義務教育生徒通学乗車船賃割引に関する請願(委員長報告)
第二六 傷い軍人に国鉄無賃乗車証交付復活の請願(六件)(委員長報告)
第二七 遠江二俣、西鹿島両駅間に白糸駅設置の陳情(委員長報告)
第二八 北陸線増強に関する陳情(委員長報告)
第二九 定点観測業務継続に関する陳情(委員長報告)
第三〇 定点観測業務続行に関する陳情(委員長報告)
第三一 遠江二俣、西鹿島両駅間に乗降場設置の陳情(委員長報告)
第三二 東郷、赤間両駅間に新駅設置の陳情(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━
この発言だけを見る →午後一時四十八分開議
━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第三十七号
昭和二十九年四月二十二日
午前十時開議
第一 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の締結について承認を求めるの件(趣旨説明)
第二 町村合併促進法の一部を改正する法律案(内村清次君外十四名発議)(委員長報告)
第三 自治庁関係法令の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 昭和二十九年度分の市町村民税の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 狂犬病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 らい予防法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第八 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 船舶職員法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一〇 農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一一 磐田、天竜川両駅間に停車場設置の請願(委員長報告)
第一二 定点観測業務続行に関する請願(二件)(委員長報告)
第一三 瀬戸、西大寺両駅間に新駅設置の請願(委員長報告)
第一四 宇都宮駅南方石井街道東北本線ガード改築に関する請願(委員長報告)
第一五 モーターボート競走の国庫納付金に関する請願(委員長報告)
第一六 定点観測業務継続に関する請願(委員長報告)
第一七 青函航路貨物運賃是正に関する請願(委員長報告)
第一八 篠山口、古市両駅間にジーゼルカー乗降場設置の請願(委員長報告)
第一九 東北本線鉄道複線化促進に関する請願(委員長報告)
第二〇 石見江津駅舎増改築に関する請願(委員長報告)
第二一 高知、佐川両駅間にガソリンカー運転開始の請願(委員長報告)
第二二 白石、北白川両駅間に新駅設置の請願(委員長報告)
第二三 久大、甘木両線にジーゼルカー運転開始の請願(委員長報告)
第二四 枕崎線知覧町内の停車場に関する請願(委員長報告)
第二五 義務教育生徒通学乗車船賃割引に関する請願(委員長報告)
第二六 傷い軍人に国鉄無賃乗車証交付復活の請願(六件)(委員長報告)
第二七 遠江二俣、西鹿島両駅間に白糸駅設置の陳情(委員長報告)
第二八 北陸線増強に関する陳情(委員長報告)
第二九 定点観測業務継続に関する陳情(委員長報告)
第三〇 定点観測業務続行に関する陳情(委員長報告)
第三一 遠江二俣、西鹿島両駅間に乗降場設置の陳情(委員長報告)
第三二 東郷、赤間両駅間に新駅設置の陳情(委員長報告)
━━━━━━━━━━━━━
河
河
亀
堂
河
河
亀
亀田得治#7
○亀田得治君 私は日本社会党を代表して法務大臣の検察行政指揮権並びに犬養国務大臣より国警担当を解いたことに関しまして、若干の質問を吉田総理に対していたしたいと存じます。
汚職の問題の処理が如何に重大であるかは、今更改めて論ずるまでもございません。今やそれは、内外注視の的となつておるのであります。検察側の追及も漸く最後の段階に達し、国民はこぞつて、この際問題の根源を明るみに出し、その責任の所在を明らかにしてもらいたいと望んでおるのであります。このときにあたり、去る四月十九日、突如として犬養法務大臣の国警担当が解かれるという事態が生じたのでありますが、これは国民に対し、いろいろな疑惑を起したのでありますが、更にそれに引続きまして、昨二十一日、政府からの検察当局に対する重大なる干渉という事態が新たに附加わつて来たのでございます。私は、これらの点に関し、以下五つの点について吉田総理の所見を伺いたいと思うのであります。
その第一点は、法務大臣から国警担当を解いた理由であります。国警担当が解かれた直後の福永官房長官の談話或いは二十日の衆議院内閣委員会における緒方副総理の答弁などを要約いたしますると、法務大臣が、法務省の仕事で非常にいそがしい。これが、国警担当を解いた理由のようであります。そこで私は、社会党の決議に基きまして二十日の日に質問の通告をした際には、その理由と言われている法務省の如何なる仕事がいそがしいのか。これを具体的にこの議場で説明して頂くつもりでありましたが、その後の情勢の発展を見ますると、今やその説明は必要がないほどに、国警担当を解いた理由が明らかになつて来ておるのであります。拍手即ち犬養法務大臣は、政府と検察の間に狭まれて進退に窮し、去る四月十七日、緒方副総理に辞意をすら漏らしたようであります。然るに翌々日の十九日、吉田総理、緒方副総理、犬養法務大臣と三者会談が持たれたとき、法務大臣がここでやめるくらいなら、一つ佐藤、池田両氏の逮捕請求を延期するために最後の努力をしたらどうか。こういうことにきまつたのが事の真相なんです。即ち法務大臣を国警担当から解いた、法務省の仕事がいそがしい。これは単なる表向きの言訳で、実際は犬養法務大臣を、汚職の引延ばしと、もみ消しの専任大臣にしたのが今回の措置であります。拍手これはもう総理の弁解を待つまでもなく、その後の事実関係によつて明白でありまするが、併し、これは極めて重大な措置でありまするから、改めてあなたの御答弁をここでお伺いしたい。
質問の第二点は、何故に国警担当を小坂労働大臣に兼任させたかという点であります。警察法の改悪が行われるならば、その最大の被害者となるのは、労働大衆でございます。労働大臣は、不幸にして警察の不当な圧迫というようなことがあつた場合には、これに対し労働大衆をできるだけ守る。そういう立場にあるのでございます。従つて理論的にも実際的にも、この二つの地位の兼任ということは甚だ不適当なのでございます。この点については、例えば過去におきましても、加藤労働大臣が今申上げたような立場から、治安関係を兼任することを拒んだ例もあるのでございます。たとえ犬養法務大臣の兼任を解かれたといたしましても、もつとほかの国務大臣に担当させるべきではないかと私どもは考えるのであります。この点については、吉田総理と緒方副総理との意見が、相当食い違いでがきたやに私どもは聞くのでございまするが、如何なる考えを持つて、事もあろうに労働大臣に対して、たとえ一時的にせよ、国警担当ということをあなたは命ぜられたか。この点についての明確なお答えをお願いする次第でございます。
質問の第三点は、吉田総理は、すでに犬養法務大臣に命令をして、検察庁法第十四条によりまして、佐藤自由党幹事長に対する逮捕請求を抑えたのでありますが、これは日本の政治に対して大きな汚点を残している。これについて如何ようにお考えになつているかを承わりたい。私は先日、吉田総理欠席の本会議においても申上げたのでございますが、国会の会期中に議員が許諾なくして逮捕されないようにしたこの制度は、これは決して議員の破廉恥罪を保護するためのものではありません。それは時の権力者による議員に対する不当な圧力、即ちクーデターに対して議員を守り、その良心的な政治活動を保護する。こういうところに歴史的な意味があることは申すまでもございません。然るに国民怨嗟の的となつている汚職問題、これに関連して、この特権を濫用し、その逮捕請求に掣肘を加えるがごときは検察行政に対する不当な圧迫であつて、我々の断じて許すことのできない暴挙であると申さなければならない。拍手こういうむちやな総理大臣の措置に対しまして、二つの反応がすでに起きております。その第一は、去る二十一日の午後一時、佐藤検事総長は、談話を発表いたしましたが、その中で、今回の措置によつて、今後捜査を続ける上において相当困難を来たすであろう。こういうことが言われている。更に今回の指揮権発動については誠に遺憾に思うという意味のことが、明確に述べられているのでございます。この事件は、世間が注目している問題でありますから、検察当局が余ほどのことがなければ、このような談話を発表することは、私どもはないと考えます。私は、この検事総長の談話なるものは、吉田内閣に対する検察陣からするところの不信任の意思表示であると考えるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)あなたはどうおとりになりますか。いろいろな犯罪者を取締る。これが検察当局の任務である。そういう任務を持つている検察当局から、一種の不信任にも値するような談話を突き付けられて、総理大臣は一体如何ように考えられるかをお伺いをしたい。第二の反応は、国民の輿論の上に澎湃として起つているのでございます。極く少数の法律専門家の間では、法務大臣の指揮は、法律上可能である。こういうようなことを申されているかたもありますが、併しそのようなかたでも、今回の措置が妥当であつたとは誰一人申しておらないのであります。いわんや一般の国民大衆は、政府というものは一体何とむちやなことをやるものであろうかと、あきれ返つておるのが今日の世論の状態でれります。拍手吉田総理は、この国民の声に対してどのようにお考えになつておるか、どういう心境でおられますか、お聞きをしたい。(「責任をとれ」と呼ぶ者あり)
質問の第四点、従つて、私はこのような事態になつて参りますれば、すでに政府が責任をとる時期が来ておると考えますが、あなたは如何にお考えになり手か。総理は従来しばしば、事件の全貌が明らかになつたときには背任はとります。こういう意味のことを副総理も繰返して言つておる。ところが、すでに現在問題になつておる佐藤、池田両氏の問題、これは過去において重要な閣僚のポストにも坐り、現在でも幹事長、政調会長、こういう地位にある。この二人のかたが現在は吉田内閣に席を置いておらないからと言つて逃れるような詭弁は許すことができない。政党における幹事長、政調会長の地位、これが普通の閣僚よりも重い地位である。如何に重要な地位であるかということはあなたみずから御存じの筈だ。若し単なる形式論を以て詭弁的に責任を逃れようとするならば、これは政党政治をあなた自身がみずから否定することになるのでございます。拍手私は、これが自由党の内閣であろうと、或いは他党の内閣であろうと、このような態度を若し時の責任者がとられたとするならば、それが今後日本の政治に及ぼす影響というものは極めて大きいものがあるということを考えるのでございます。あなたは、或いはまだ責任をとる時期ではない。こういうふうに重ねて後ほどおつしやるかも知れない。それならば、一体あなたが責任をとると言うのはどういう場合なんだ。吉田総理は、おのれ自身に問題が直接に降りかかつて来なければとらないとおつしやるのかどうか。明確にこの点の所信を伺いたいのでございます。伝え聞くところによりますと、政府は、佐藤幹事長の逮捕という事実さえなければ、責任はとらなくともよい。こういうふうにお考えになつておるようでもございます。恐らくそのために、しやにむに今度の検察権に対する干渉となつたものであろうと思いますが、併しあなたにお聞きしたいことは、逮捕の事実がここに現れるか現れないかというその前に、逮捕すべき根拠、理由、これがあるかないかということが大事なんだ。検察当局は、すでにこれは犯罪の容疑者であるということで以て成規の手続をとろうとした。単に逮捕の事実がここにあるかないか、これは形式の問題であります。国民の常識というものは、実質的にそのような断定を下されるところまで来ておるならば、この際、責任をとるのが当然であると考えておりますが、あなたは一体どういうお考えでございましようか。(「政治責任をとれ」「国民を何と考える」と呼ぶ者あり)
質問の第五点は、私は率直にお聞きしたいのでありますが、あなたが今日とつておられる頑冥な態度、これは何か外からの圧力でもあるのではないかという点でございます。吉田内閣の退陣を求める声は、殆んどこれは一致した国民の輿論、従来あなたを支持されていた新聞でも、この問題に関しましては、支持しておらない。良心的な人であるならば、自由党の内部においてすらこの際は、やはり潔く退陣すべきである。こういう意見を持つておられるかたがたくさんある。拍手私はこういうような事態になりましても、なお且つあなたが踏みとどまるその理由がさつぱりわからない。反対に、吉田総理は二十日の閣議におきまして、MSA協定及びそれに関連する重要法案の審議の促進、こういうことを各閣僚に求めたようでございまするが、これは全くあきれたことです。そういう重要な問題があればあるほど、きれいな人がこれを処理すべきなんだ。あなたが退陣をされても、あとは幾らでもやつて行ける。腐れ切つた吉田総理が、この重要な問題点について、最後の土壇場において、おれでなければならないというような考えを持つておられることは、およそ国民の常識とは反しておる。それでもあなたは頑張つておられるが、私どもは、そういう頑冥な態度から感ぜられることは、何か外国の圧力が、あなたをそうさせておるのではないかと感じますが、この点、如何あなたがたはお答えになりますか。
時間がありませんので、簡単にあと一点お尋ねいたします。犬養法務大臣は、すでに責任を感じて辞表を出された。私は、犬養をしてああさせたのは、あなたなんだ。責任は一つだと思う。犬養だけをあなたは見殺しにするのか。この点をどうお考えになつておるか承わりたい。拍手
〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →汚職の問題の処理が如何に重大であるかは、今更改めて論ずるまでもございません。今やそれは、内外注視の的となつておるのであります。検察側の追及も漸く最後の段階に達し、国民はこぞつて、この際問題の根源を明るみに出し、その責任の所在を明らかにしてもらいたいと望んでおるのであります。このときにあたり、去る四月十九日、突如として犬養法務大臣の国警担当が解かれるという事態が生じたのでありますが、これは国民に対し、いろいろな疑惑を起したのでありますが、更にそれに引続きまして、昨二十一日、政府からの検察当局に対する重大なる干渉という事態が新たに附加わつて来たのでございます。私は、これらの点に関し、以下五つの点について吉田総理の所見を伺いたいと思うのであります。
その第一点は、法務大臣から国警担当を解いた理由であります。国警担当が解かれた直後の福永官房長官の談話或いは二十日の衆議院内閣委員会における緒方副総理の答弁などを要約いたしますると、法務大臣が、法務省の仕事で非常にいそがしい。これが、国警担当を解いた理由のようであります。そこで私は、社会党の決議に基きまして二十日の日に質問の通告をした際には、その理由と言われている法務省の如何なる仕事がいそがしいのか。これを具体的にこの議場で説明して頂くつもりでありましたが、その後の情勢の発展を見ますると、今やその説明は必要がないほどに、国警担当を解いた理由が明らかになつて来ておるのであります。拍手即ち犬養法務大臣は、政府と検察の間に狭まれて進退に窮し、去る四月十七日、緒方副総理に辞意をすら漏らしたようであります。然るに翌々日の十九日、吉田総理、緒方副総理、犬養法務大臣と三者会談が持たれたとき、法務大臣がここでやめるくらいなら、一つ佐藤、池田両氏の逮捕請求を延期するために最後の努力をしたらどうか。こういうことにきまつたのが事の真相なんです。即ち法務大臣を国警担当から解いた、法務省の仕事がいそがしい。これは単なる表向きの言訳で、実際は犬養法務大臣を、汚職の引延ばしと、もみ消しの専任大臣にしたのが今回の措置であります。拍手これはもう総理の弁解を待つまでもなく、その後の事実関係によつて明白でありまするが、併し、これは極めて重大な措置でありまするから、改めてあなたの御答弁をここでお伺いしたい。
質問の第二点は、何故に国警担当を小坂労働大臣に兼任させたかという点であります。警察法の改悪が行われるならば、その最大の被害者となるのは、労働大衆でございます。労働大臣は、不幸にして警察の不当な圧迫というようなことがあつた場合には、これに対し労働大衆をできるだけ守る。そういう立場にあるのでございます。従つて理論的にも実際的にも、この二つの地位の兼任ということは甚だ不適当なのでございます。この点については、例えば過去におきましても、加藤労働大臣が今申上げたような立場から、治安関係を兼任することを拒んだ例もあるのでございます。たとえ犬養法務大臣の兼任を解かれたといたしましても、もつとほかの国務大臣に担当させるべきではないかと私どもは考えるのであります。この点については、吉田総理と緒方副総理との意見が、相当食い違いでがきたやに私どもは聞くのでございまするが、如何なる考えを持つて、事もあろうに労働大臣に対して、たとえ一時的にせよ、国警担当ということをあなたは命ぜられたか。この点についての明確なお答えをお願いする次第でございます。
質問の第三点は、吉田総理は、すでに犬養法務大臣に命令をして、検察庁法第十四条によりまして、佐藤自由党幹事長に対する逮捕請求を抑えたのでありますが、これは日本の政治に対して大きな汚点を残している。これについて如何ようにお考えになつているかを承わりたい。私は先日、吉田総理欠席の本会議においても申上げたのでございますが、国会の会期中に議員が許諾なくして逮捕されないようにしたこの制度は、これは決して議員の破廉恥罪を保護するためのものではありません。それは時の権力者による議員に対する不当な圧力、即ちクーデターに対して議員を守り、その良心的な政治活動を保護する。こういうところに歴史的な意味があることは申すまでもございません。然るに国民怨嗟の的となつている汚職問題、これに関連して、この特権を濫用し、その逮捕請求に掣肘を加えるがごときは検察行政に対する不当な圧迫であつて、我々の断じて許すことのできない暴挙であると申さなければならない。拍手こういうむちやな総理大臣の措置に対しまして、二つの反応がすでに起きております。その第一は、去る二十一日の午後一時、佐藤検事総長は、談話を発表いたしましたが、その中で、今回の措置によつて、今後捜査を続ける上において相当困難を来たすであろう。こういうことが言われている。更に今回の指揮権発動については誠に遺憾に思うという意味のことが、明確に述べられているのでございます。この事件は、世間が注目している問題でありますから、検察当局が余ほどのことがなければ、このような談話を発表することは、私どもはないと考えます。私は、この検事総長の談話なるものは、吉田内閣に対する検察陣からするところの不信任の意思表示であると考えるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)あなたはどうおとりになりますか。いろいろな犯罪者を取締る。これが検察当局の任務である。そういう任務を持つている検察当局から、一種の不信任にも値するような談話を突き付けられて、総理大臣は一体如何ように考えられるかをお伺いをしたい。第二の反応は、国民の輿論の上に澎湃として起つているのでございます。極く少数の法律専門家の間では、法務大臣の指揮は、法律上可能である。こういうようなことを申されているかたもありますが、併しそのようなかたでも、今回の措置が妥当であつたとは誰一人申しておらないのであります。いわんや一般の国民大衆は、政府というものは一体何とむちやなことをやるものであろうかと、あきれ返つておるのが今日の世論の状態でれります。拍手吉田総理は、この国民の声に対してどのようにお考えになつておるか、どういう心境でおられますか、お聞きをしたい。(「責任をとれ」と呼ぶ者あり)
質問の第四点、従つて、私はこのような事態になつて参りますれば、すでに政府が責任をとる時期が来ておると考えますが、あなたは如何にお考えになり手か。総理は従来しばしば、事件の全貌が明らかになつたときには背任はとります。こういう意味のことを副総理も繰返して言つておる。ところが、すでに現在問題になつておる佐藤、池田両氏の問題、これは過去において重要な閣僚のポストにも坐り、現在でも幹事長、政調会長、こういう地位にある。この二人のかたが現在は吉田内閣に席を置いておらないからと言つて逃れるような詭弁は許すことができない。政党における幹事長、政調会長の地位、これが普通の閣僚よりも重い地位である。如何に重要な地位であるかということはあなたみずから御存じの筈だ。若し単なる形式論を以て詭弁的に責任を逃れようとするならば、これは政党政治をあなた自身がみずから否定することになるのでございます。拍手私は、これが自由党の内閣であろうと、或いは他党の内閣であろうと、このような態度を若し時の責任者がとられたとするならば、それが今後日本の政治に及ぼす影響というものは極めて大きいものがあるということを考えるのでございます。あなたは、或いはまだ責任をとる時期ではない。こういうふうに重ねて後ほどおつしやるかも知れない。それならば、一体あなたが責任をとると言うのはどういう場合なんだ。吉田総理は、おのれ自身に問題が直接に降りかかつて来なければとらないとおつしやるのかどうか。明確にこの点の所信を伺いたいのでございます。伝え聞くところによりますと、政府は、佐藤幹事長の逮捕という事実さえなければ、責任はとらなくともよい。こういうふうにお考えになつておるようでもございます。恐らくそのために、しやにむに今度の検察権に対する干渉となつたものであろうと思いますが、併しあなたにお聞きしたいことは、逮捕の事実がここに現れるか現れないかというその前に、逮捕すべき根拠、理由、これがあるかないかということが大事なんだ。検察当局は、すでにこれは犯罪の容疑者であるということで以て成規の手続をとろうとした。単に逮捕の事実がここにあるかないか、これは形式の問題であります。国民の常識というものは、実質的にそのような断定を下されるところまで来ておるならば、この際、責任をとるのが当然であると考えておりますが、あなたは一体どういうお考えでございましようか。(「政治責任をとれ」「国民を何と考える」と呼ぶ者あり)
質問の第五点は、私は率直にお聞きしたいのでありますが、あなたが今日とつておられる頑冥な態度、これは何か外からの圧力でもあるのではないかという点でございます。吉田内閣の退陣を求める声は、殆んどこれは一致した国民の輿論、従来あなたを支持されていた新聞でも、この問題に関しましては、支持しておらない。良心的な人であるならば、自由党の内部においてすらこの際は、やはり潔く退陣すべきである。こういう意見を持つておられるかたがたくさんある。拍手私はこういうような事態になりましても、なお且つあなたが踏みとどまるその理由がさつぱりわからない。反対に、吉田総理は二十日の閣議におきまして、MSA協定及びそれに関連する重要法案の審議の促進、こういうことを各閣僚に求めたようでございまするが、これは全くあきれたことです。そういう重要な問題があればあるほど、きれいな人がこれを処理すべきなんだ。あなたが退陣をされても、あとは幾らでもやつて行ける。腐れ切つた吉田総理が、この重要な問題点について、最後の土壇場において、おれでなければならないというような考えを持つておられることは、およそ国民の常識とは反しておる。それでもあなたは頑張つておられるが、私どもは、そういう頑冥な態度から感ぜられることは、何か外国の圧力が、あなたをそうさせておるのではないかと感じますが、この点、如何あなたがたはお答えになりますか。
時間がありませんので、簡単にあと一点お尋ねいたします。犬養法務大臣は、すでに責任を感じて辞表を出された。私は、犬養をしてああさせたのは、あなたなんだ。責任は一つだと思う。犬養だけをあなたは見殺しにするのか。この点をどうお考えになつておるか承わりたい。拍手
〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
吉
吉田茂#8
○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。
国警担当の大臣を替えたのは、警察法を重要なる法案として、現在国会の審議を要望いたしておるのでありますが、法務大臣が、従来時間の都合上時間の余裕がないために、審議が遅れておるという実際から考えてみまして、殊に時間のある専任大臣を任命いたしたのであります。即ち小坂労働大臣が、時間の余裕のあるというところから、又、小坂君の人格識見から考えてみまして、警察法の担当に適任なりと考えて、これを政府は任命いたしたのであります。拍手
又、逮捕請求を抑える理由如何。これは逮捕のために捜査を中止せよというのではないのであります。捜査は捜査、逮捕は逮捕、別に考えるべきものであり、殊に今日の刑事政策の観念から申して、(「嘘つくな」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)聞け……これは、成るべく基本人権を尊重いたして、そうして審議を進めるのが、今日の刑事政策であります。逮捕せずとも審理はなし得ると私としては考えるのであります。逮捕をなして、そうして審理をするということは、これは昔の警察国家時代のやり方であつて、政府としては賛成せざるところであります。又検事総長の意見は私は見ませんでしたが、検事総長の意見は意見として相当の理由があるものでありますが、政府の理由とするところは、今申した通りであります。
又、政府の責任をとるべき時期ではないか。私はそうは考えないのであります。この内外の重要な時期において、政府は進退を軽々しくいたすべきものではないと確信いたすものであります。又、重要法案その他が山積いたしておりますから、この重要法案が法律として通過することに、政府は最も専念いたして、この措置をとつたのであります。外部の圧迫等は断じてないのであります。
犬養君の進退については、犬養君の考えを先ず聞かなければわからんのでありますが、辞表は、都合によりということでありますから、如何なる都合であるかということを尋ねた後にこの問題は決定いたします。拍手
〔亀田得治君発言の許可を求む〕
この発言だけを見る →国警担当の大臣を替えたのは、警察法を重要なる法案として、現在国会の審議を要望いたしておるのでありますが、法務大臣が、従来時間の都合上時間の余裕がないために、審議が遅れておるという実際から考えてみまして、殊に時間のある専任大臣を任命いたしたのであります。即ち小坂労働大臣が、時間の余裕のあるというところから、又、小坂君の人格識見から考えてみまして、警察法の担当に適任なりと考えて、これを政府は任命いたしたのであります。拍手
又、逮捕請求を抑える理由如何。これは逮捕のために捜査を中止せよというのではないのであります。捜査は捜査、逮捕は逮捕、別に考えるべきものであり、殊に今日の刑事政策の観念から申して、(「嘘つくな」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)聞け……これは、成るべく基本人権を尊重いたして、そうして審議を進めるのが、今日の刑事政策であります。逮捕せずとも審理はなし得ると私としては考えるのであります。逮捕をなして、そうして審理をするということは、これは昔の警察国家時代のやり方であつて、政府としては賛成せざるところであります。又検事総長の意見は私は見ませんでしたが、検事総長の意見は意見として相当の理由があるものでありますが、政府の理由とするところは、今申した通りであります。
又、政府の責任をとるべき時期ではないか。私はそうは考えないのであります。この内外の重要な時期において、政府は進退を軽々しくいたすべきものではないと確信いたすものであります。又、重要法案その他が山積いたしておりますから、この重要法案が法律として通過することに、政府は最も専念いたして、この措置をとつたのであります。外部の圧迫等は断じてないのであります。
犬養君の進退については、犬養君の考えを先ず聞かなければわからんのでありますが、辞表は、都合によりということでありますから、如何なる都合であるかということを尋ねた後にこの問題は決定いたします。拍手
〔亀田得治君発言の許可を求む〕
河
亀
亀田得治#10
○亀田得治君 只今、吉田総理から答弁がありましたが、ああいう形式的な答弁を以てしては、国民は少しも納得できません。例えば検察側に対する圧力を加えた、決して捜査は中止させておらない。こうおつしやる。併し佐藤検事総長は、事実上これは最後の段階に来て、捜査上大きな支障が生ずる。こうはつきり言つておる。これは一体、中止と言つても、引延しと言つても言葉のあやに過ぎない。どういうふうにあなたは本当にお考えになつておりますか。言葉のあやとか形式の問題じやない。それからあなたは、国が非常に重要な時期だから、かるがるしくは行動ができない。こうおつしやる。併しあなたは、少し取り違えておられませんか。国というものは永遠のものだ。あなたは国の利益と吉田並びに吉田側近の利益というものをはき違えておる。拍手そういうところからそういう御答弁が生れて来る。これほど重大なことをやつておりながら、なお且つ恬として恥じないというのは、そういう根本的に間違つた考えを持つておられるからだ。
私は最後に一点、お伺いといいますか、申上げたいのでありますが、去る四月七日に、私は、犬養法務大臣に対して、この場所で質問をいたしました。そのとき法務大臣は、汚職問題は一刻も早く徹底的に調査したいと、こういうことを言われた。法務大臣は、当時はなお冷静であつた。ところが十九日以後の法務大臣というものは、全く別な人格になつてしまつた。私は法務大臣が、十九日以後の行動に対して世論の圧迫と自責の念に駆られて辞表を出されたことに対しては、或る意味では敬意を表するのでございますが、ただ一つ大事なことは、この法務大臣をして、かくのごとき行動をやらしたところのあなたの心情というものは、憎みても余りあるものがある。拍手あなたはこれによつて、一人の政治家というものを台なしにし、殺してしまつた。あなた自身は、これに対して如何なる良心的な反省をしておられるかということを最後に聞きたいのです。拍手
〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
〔「民主政治を殺すものだよ」「恥を知れ、恥を」「教えてもらえ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕
この発言だけを見る →私は最後に一点、お伺いといいますか、申上げたいのでありますが、去る四月七日に、私は、犬養法務大臣に対して、この場所で質問をいたしました。そのとき法務大臣は、汚職問題は一刻も早く徹底的に調査したいと、こういうことを言われた。法務大臣は、当時はなお冷静であつた。ところが十九日以後の法務大臣というものは、全く別な人格になつてしまつた。私は法務大臣が、十九日以後の行動に対して世論の圧迫と自責の念に駆られて辞表を出されたことに対しては、或る意味では敬意を表するのでございますが、ただ一つ大事なことは、この法務大臣をして、かくのごとき行動をやらしたところのあなたの心情というものは、憎みても余りあるものがある。拍手あなたはこれによつて、一人の政治家というものを台なしにし、殺してしまつた。あなた自身は、これに対して如何なる良心的な反省をしておられるかということを最後に聞きたいのです。拍手
〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
〔「民主政治を殺すものだよ」「恥を知れ、恥を」「教えてもらえ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多く、議場騒然〕
吉
吉田茂#11
○国務大臣(吉田茂君) お答えいたします。
先ほどの私の説明によつて、私の考えていることはおわかりになつたと考えますが、なお重ねて申しますが、捜査を中止せよというのではなく、捜査は捜査として飽くまでも続行するがいいと申すのであります。併しながら、逮捕せずともいいというのが政府の考えであります。検事総長のお考えはお考えとして、政府の考え方は只今はつきり申した通りであります。
又、犬養君については只今申した通り、犬養君の辞表は、都合によりということであるから、よく、都合なるものが何であるかということを確かめた後にお答えいたします。拍手
—————・—————
この発言だけを見る →先ほどの私の説明によつて、私の考えていることはおわかりになつたと考えますが、なお重ねて申しますが、捜査を中止せよというのではなく、捜査は捜査として飽くまでも続行するがいいと申すのであります。併しながら、逮捕せずともいいというのが政府の考えであります。検事総長のお考えはお考えとして、政府の考え方は只今はつきり申した通りであります。
又、犬養君については只今申した通り、犬養君の辞表は、都合によりということであるから、よく、都合なるものが何であるかということを確かめた後にお答えいたします。拍手
—————・—————
天
大
河
河
天
天田勝正#16
○天田勝正君 私は、日本社会党第二控室を代表いたしまして、政府の今回とられた異例の議員逮捕請求拒否の措置について、若干の質疑を試みたいと思うのであります。
佐藤自由党幹事長逮捕要求にからまるこの奇怪なる措置は、三つの段階を経て発展いたしておるのであります。即ち第一には、只今同僚亀田君が指摘されましたように、法相の国警担当を解任して法務専任といたしましたことは、法務専任即検察圧迫専任の疑惑を国民に与えたことであります。第二に、法務大臣による検察指揮権の濫用によつて、検察当局一致の意思である佐藤幹事長逮捕の請求が拒否され、法の前には何人といえども平等なるべき民主主義の原則が覆えされ、国民をして、権力の座にある者は如何なる不正をも行い得るという、極めて暗い印象を与へ、国民の倫理観に甚大なる悪影響を及ぼしたのであります。拍手第三には、遂にこれが法務大臣の辞職という事態に発展したのでありますが、検察行政はもとより法務大臣の所管であります。従つてこの事態処理の矢面に法相が立たされる結果になつたのでありまするが、元来、内閣の連帯責任でありまする行政責任を、一個の法務大臣を窮地に陥れて、国民に見離された吉田内閣の命をば、一日延しに延しておるという印象を国民に与えておるのであります。
今日汚職事件の進展を見まするに、日と共に、いよいよ深く、ますます広く拡がりまして、極まるところ測り知れざる様相を呈しておるのであります。検察当局から議員逮捕許諾の請求が発せられたものは、すでに六名に及んでおります。誠に戦前戦後を通じて、最大の不祥事と言わなければなりません。拍手今や逮捕要求の第六号として、自由党幹事長佐藤榮作君にこれが発せられんといたしまするや、(「側近第一号だ」と呼ぶ者あり)政府は、この破邪顕正の剣を奪い取つて、事件を闇に葬むり去らんとするところの奇怪なる行動に出たのであります。国民の憤激は、今や怒濤のごとく湧き起りつつあります。政治に対する国民の不信と念慈は、勢いの赴くところ、フアツシヨの抬頭を招来して、漸く緒についた我が国の民主政治をば崩壊せしむるの不幸な事態に立至らないと誰が保証するでありましよう。政府並びに与党の諸君はよくお聞き願いたい。去る四月十六日、五名の暴漢が本院に潜入いたしまして、国会中央塔を一時占拠して、「汚職政界よ恥を知れ」というビラを撒いたことは御存じでございましよう。国民の政治に対する不信と憤激が、かかる事態を誘発せしめたのでありまして、この際、政府、国会は、こぞつてみずからを匡し、政界の浄化を行いまして、国民信託に報ゆるの覚悟を新たにいたさなければならんときであります。
そこで政府にお伺いいたしますが、私はあいまいな答弁による再質問の煩を避けますために、先ずお断り申上げておきまするが、今回犬養法務大臣が辞職される。けれども、この辞職と否とを問わず、在任中における法務大臣の言動は、一切吉田内閣の閣僚として行われたのでありますから、又国会の指名は、総理大臣一名に与えたのでありまするから、その責任は、当然に吉田総理に帰すべきものである。こういうことをば、先ず御承知の上、御答弁を願いたいと思うのであります。
質問の第一点、犬養法務大臣は、佐藤幹事長逮捕要求拒否の措置をとりましたが、この措置の事前に、政府並びに与党幹部によつてこれが決定されておるのであります。すでにこのことは、昨日の各新聞紙に報ぜられておりますけれども、この全文を読む煩は省きますが、吉田総理は、二十一日朝、緒方副総理、佐藤幹事長、松野参議院議員会長、福永官房長官らをば、芝白金の公邸に招いて協議した結果、法相の検事総長に対する指揮権発動の方針をきめ、今国会中には、佐藤、池田両氏の逮捕というような事態が起らんよう、あらゆる努力をすると申合せた。こう伝えられておるのであります。これは一体事実でございましようか。恐らく今日までの吉田内閣のとつた態度からいたしますならば、必ず事実と思うのでございまするが、然らば、如何なる根拠と責任において、かかる決定をなされたのでありまするか。この際事態を明らかにして頂きたいと思うのであります。
質問の第二点、吉田総理は、この幹部会同において、二十二日即ち本日であります。自由党の総務会に出席して、時局担当の決意を持つところの政府の下に、党は動揺せず一本となつてこれを支持するよう要請することにきまつたと伝えられております。又二十日の閣議におきましても、この際、内閣は総辞職しないと言明されたというのであります。かようなことは誠に思い上つた言動でありまするけれども、これが一体事実であるのかどうか、この吉田総理の言葉は、誠に吉田内閣の重大危機と国家の重大危機とをは混同したのでありまして(「その通りその通り」と呼ぶ者あり)汚職に関する逮捕の請求が、自由党の中心部に及びまして、屋台骨を揺がそうと、自由党が消えてなくなろうと、それは一切吉田内閣と自由党の責任であつて、自由党内閣が消えれば、国家の存続が危いというような思い上つた考え方こそ、我が国の民主政治を危くするものであると存ずるのでありますが、かかるひとりよがりの態度を以て一切の責任を回避する所存であるかどうかを承りたいのであります。
質問の第三点、検察庁法第十四条の解釈でありまするが、これは先にも亀田君が言われましたように、日本著名の法学者は、成るほど法律的には可能であつても、今回の措置は検察権の独立性を失わしめ、政治的に歪められる結果になると指摘いたしているのであります。元来検察権は、行政権の一部でございましよう。併しながらその内容を見まするならば、司法権の一部とも解せられるのであります。法務大臣の指揮権は例外的に認めるという趣旨から、この十四条の但書に書いてあるのであります。その本文においては、検察権を行政事務から独立せしめようとの精神が貫かれているのであります。従つて検察指揮権の発動は、国民生活に重大な影響を与える行過ぎや、外国との友好上、好ましからざる結果を招く危険のある場合だけ発動すべきものであつて、この凶器を用いて、内閣と自由党幹部の身辺を守らんとするに至つては、心外至極と言わざるを得ないのであります。本朝の新聞は、汚職件の捜査が停頓すると伝えられているのでありますが、この際、その態度と方針を明確にされたいのであります。又これが池田政調会長、星島二郎君等の大物に逮捕請求が参つた場合、これと同様な措置をとる考えであるかどうか。
質問の四点、緒方副総理は、一昨日の新聞におきまして、幹事長の逮捕請求は、閣僚の逮捕請求と同様に考えると語つているのであります。私はこのことは誠に当然であると思うので、民主主義政治は、申すまでもなく、政党による責任内閣制であります。我が国の政党において、幹事長と政調会長は、その二本の柱であります。殊に与党の幹事長、政調会長は、政府提案の重要な案件を事前に決定する権能を持つているのでありますから、単なる大臣、それ以上の権能を持ち、義務を負わなければならないと思うのであります。自由党におけるこの重要な役目である佐藤、池田両氏は、現閣僚以上の実力を有しておりますることは、世人のひとしく認めるところであります。この与党の最高幹部の不正行為、即ちこれが逮捕要求という形になつた場合には、各閣僚と同様に重く見るというあなたの考え方は、誠に正しいのであります。そこで幹事長を閣僚と同様に考えるとは、その措置の責任も同様政府の責任と見るということになると思うのでありまするが、副総理は如何なる責任を考えておられまするか、明確に御答弁願いたいと思います。
〔議長退席、副議長着席〕
質問の第五点、今回法相の指揮権の発動によつて、佐藤幹事長の逮捕は一時停止されましたけれども、停止されましても検察庁が逮捕の請求を決定したことは事実であります。形式上の逮捕と否とを問わず、被疑内容は逮捕すべき十分の理由ありと解すべきでありますが、かかる被疑者が与党の幹事長として重要な国策の決定権を握ることに対する政治責任を如何に考えておられるか。明確に御答弁願いたいと思うのであります。拍手
最後に、昨日の朝日新聞に掲載された「大衆はこう政治家に訴える」というアンケートは、政府も御存じでございましよう。このアンケートによれば、このままでよろしいと言う者は一人もないのであります。すでに国民は、吉田内閣に信を置いておりません。権力を濫用して、自党の利益と政権を守るために、罪悪を取締る立場にある大臣がこれを庇うというならば、一体、正しい生活に生きようとする国民は、何を頼つて生きて行けばいいのでありましよう。地位を利用して賄賂を取り、社会を腐敗の泥沼に突き落しておる吉田内閣の重要人物が、権力によつてその罪を逃がれ、半面、今日一日を生きるために、たつた一升の闇米のために冷圄の身となつておる庶民の姿と比べる場合、いずこに正義ありやと叫けばざるを得ないのであります。まさに吉田内閣こそ、正直者が馬鹿を見るという言葉を立証し、悪の芽を助長して世の乱れる源を作つておるものと言わなければなりません。私はおよそ人の先頭に立とうとする者は、みずから他よりも苛酷に扱つてこそ、大衆の信用を得る途であると思うのであります。従来政府は、この事件が司直の手によつて事態が明確になつてから善処すると言つて来たのでありますが、一体疑獄の性質上、これが明らかになるには数年間かかるのであります。それは結局におきましては、政治責任をとらないという結果になるのでありますが、現在の汚職の状況を見ても、この重大なる事態に立至つた場合、この際こそ内閣は総辞職を断行して、罪を国民に謝すべきだと思うのでありますが、政府の所信を明らかにして頂きたいのであります。如何に吉田内閣が小手先の延命策を弄したとて、大衆の審判は峻厳であります。
この発言だけを見る →佐藤自由党幹事長逮捕要求にからまるこの奇怪なる措置は、三つの段階を経て発展いたしておるのであります。即ち第一には、只今同僚亀田君が指摘されましたように、法相の国警担当を解任して法務専任といたしましたことは、法務専任即検察圧迫専任の疑惑を国民に与えたことであります。第二に、法務大臣による検察指揮権の濫用によつて、検察当局一致の意思である佐藤幹事長逮捕の請求が拒否され、法の前には何人といえども平等なるべき民主主義の原則が覆えされ、国民をして、権力の座にある者は如何なる不正をも行い得るという、極めて暗い印象を与へ、国民の倫理観に甚大なる悪影響を及ぼしたのであります。拍手第三には、遂にこれが法務大臣の辞職という事態に発展したのでありますが、検察行政はもとより法務大臣の所管であります。従つてこの事態処理の矢面に法相が立たされる結果になつたのでありまするが、元来、内閣の連帯責任でありまする行政責任を、一個の法務大臣を窮地に陥れて、国民に見離された吉田内閣の命をば、一日延しに延しておるという印象を国民に与えておるのであります。
今日汚職事件の進展を見まするに、日と共に、いよいよ深く、ますます広く拡がりまして、極まるところ測り知れざる様相を呈しておるのであります。検察当局から議員逮捕許諾の請求が発せられたものは、すでに六名に及んでおります。誠に戦前戦後を通じて、最大の不祥事と言わなければなりません。拍手今や逮捕要求の第六号として、自由党幹事長佐藤榮作君にこれが発せられんといたしまするや、(「側近第一号だ」と呼ぶ者あり)政府は、この破邪顕正の剣を奪い取つて、事件を闇に葬むり去らんとするところの奇怪なる行動に出たのであります。国民の憤激は、今や怒濤のごとく湧き起りつつあります。政治に対する国民の不信と念慈は、勢いの赴くところ、フアツシヨの抬頭を招来して、漸く緒についた我が国の民主政治をば崩壊せしむるの不幸な事態に立至らないと誰が保証するでありましよう。政府並びに与党の諸君はよくお聞き願いたい。去る四月十六日、五名の暴漢が本院に潜入いたしまして、国会中央塔を一時占拠して、「汚職政界よ恥を知れ」というビラを撒いたことは御存じでございましよう。国民の政治に対する不信と憤激が、かかる事態を誘発せしめたのでありまして、この際、政府、国会は、こぞつてみずからを匡し、政界の浄化を行いまして、国民信託に報ゆるの覚悟を新たにいたさなければならんときであります。
そこで政府にお伺いいたしますが、私はあいまいな答弁による再質問の煩を避けますために、先ずお断り申上げておきまするが、今回犬養法務大臣が辞職される。けれども、この辞職と否とを問わず、在任中における法務大臣の言動は、一切吉田内閣の閣僚として行われたのでありますから、又国会の指名は、総理大臣一名に与えたのでありまするから、その責任は、当然に吉田総理に帰すべきものである。こういうことをば、先ず御承知の上、御答弁を願いたいと思うのであります。
質問の第一点、犬養法務大臣は、佐藤幹事長逮捕要求拒否の措置をとりましたが、この措置の事前に、政府並びに与党幹部によつてこれが決定されておるのであります。すでにこのことは、昨日の各新聞紙に報ぜられておりますけれども、この全文を読む煩は省きますが、吉田総理は、二十一日朝、緒方副総理、佐藤幹事長、松野参議院議員会長、福永官房長官らをば、芝白金の公邸に招いて協議した結果、法相の検事総長に対する指揮権発動の方針をきめ、今国会中には、佐藤、池田両氏の逮捕というような事態が起らんよう、あらゆる努力をすると申合せた。こう伝えられておるのであります。これは一体事実でございましようか。恐らく今日までの吉田内閣のとつた態度からいたしますならば、必ず事実と思うのでございまするが、然らば、如何なる根拠と責任において、かかる決定をなされたのでありまするか。この際事態を明らかにして頂きたいと思うのであります。
質問の第二点、吉田総理は、この幹部会同において、二十二日即ち本日であります。自由党の総務会に出席して、時局担当の決意を持つところの政府の下に、党は動揺せず一本となつてこれを支持するよう要請することにきまつたと伝えられております。又二十日の閣議におきましても、この際、内閣は総辞職しないと言明されたというのであります。かようなことは誠に思い上つた言動でありまするけれども、これが一体事実であるのかどうか、この吉田総理の言葉は、誠に吉田内閣の重大危機と国家の重大危機とをは混同したのでありまして(「その通りその通り」と呼ぶ者あり)汚職に関する逮捕の請求が、自由党の中心部に及びまして、屋台骨を揺がそうと、自由党が消えてなくなろうと、それは一切吉田内閣と自由党の責任であつて、自由党内閣が消えれば、国家の存続が危いというような思い上つた考え方こそ、我が国の民主政治を危くするものであると存ずるのでありますが、かかるひとりよがりの態度を以て一切の責任を回避する所存であるかどうかを承りたいのであります。
質問の第三点、検察庁法第十四条の解釈でありまするが、これは先にも亀田君が言われましたように、日本著名の法学者は、成るほど法律的には可能であつても、今回の措置は検察権の独立性を失わしめ、政治的に歪められる結果になると指摘いたしているのであります。元来検察権は、行政権の一部でございましよう。併しながらその内容を見まするならば、司法権の一部とも解せられるのであります。法務大臣の指揮権は例外的に認めるという趣旨から、この十四条の但書に書いてあるのであります。その本文においては、検察権を行政事務から独立せしめようとの精神が貫かれているのであります。従つて検察指揮権の発動は、国民生活に重大な影響を与える行過ぎや、外国との友好上、好ましからざる結果を招く危険のある場合だけ発動すべきものであつて、この凶器を用いて、内閣と自由党幹部の身辺を守らんとするに至つては、心外至極と言わざるを得ないのであります。本朝の新聞は、汚職件の捜査が停頓すると伝えられているのでありますが、この際、その態度と方針を明確にされたいのであります。又これが池田政調会長、星島二郎君等の大物に逮捕請求が参つた場合、これと同様な措置をとる考えであるかどうか。
質問の四点、緒方副総理は、一昨日の新聞におきまして、幹事長の逮捕請求は、閣僚の逮捕請求と同様に考えると語つているのであります。私はこのことは誠に当然であると思うので、民主主義政治は、申すまでもなく、政党による責任内閣制であります。我が国の政党において、幹事長と政調会長は、その二本の柱であります。殊に与党の幹事長、政調会長は、政府提案の重要な案件を事前に決定する権能を持つているのでありますから、単なる大臣、それ以上の権能を持ち、義務を負わなければならないと思うのであります。自由党におけるこの重要な役目である佐藤、池田両氏は、現閣僚以上の実力を有しておりますることは、世人のひとしく認めるところであります。この与党の最高幹部の不正行為、即ちこれが逮捕要求という形になつた場合には、各閣僚と同様に重く見るというあなたの考え方は、誠に正しいのであります。そこで幹事長を閣僚と同様に考えるとは、その措置の責任も同様政府の責任と見るということになると思うのでありまするが、副総理は如何なる責任を考えておられまするか、明確に御答弁願いたいと思います。
〔議長退席、副議長着席〕
質問の第五点、今回法相の指揮権の発動によつて、佐藤幹事長の逮捕は一時停止されましたけれども、停止されましても検察庁が逮捕の請求を決定したことは事実であります。形式上の逮捕と否とを問わず、被疑内容は逮捕すべき十分の理由ありと解すべきでありますが、かかる被疑者が与党の幹事長として重要な国策の決定権を握ることに対する政治責任を如何に考えておられるか。明確に御答弁願いたいと思うのであります。拍手
最後に、昨日の朝日新聞に掲載された「大衆はこう政治家に訴える」というアンケートは、政府も御存じでございましよう。このアンケートによれば、このままでよろしいと言う者は一人もないのであります。すでに国民は、吉田内閣に信を置いておりません。権力を濫用して、自党の利益と政権を守るために、罪悪を取締る立場にある大臣がこれを庇うというならば、一体、正しい生活に生きようとする国民は、何を頼つて生きて行けばいいのでありましよう。地位を利用して賄賂を取り、社会を腐敗の泥沼に突き落しておる吉田内閣の重要人物が、権力によつてその罪を逃がれ、半面、今日一日を生きるために、たつた一升の闇米のために冷圄の身となつておる庶民の姿と比べる場合、いずこに正義ありやと叫けばざるを得ないのであります。まさに吉田内閣こそ、正直者が馬鹿を見るという言葉を立証し、悪の芽を助長して世の乱れる源を作つておるものと言わなければなりません。私はおよそ人の先頭に立とうとする者は、みずから他よりも苛酷に扱つてこそ、大衆の信用を得る途であると思うのであります。従来政府は、この事件が司直の手によつて事態が明確になつてから善処すると言つて来たのでありますが、一体疑獄の性質上、これが明らかになるには数年間かかるのであります。それは結局におきましては、政治責任をとらないという結果になるのでありますが、現在の汚職の状況を見ても、この重大なる事態に立至つた場合、この際こそ内閣は総辞職を断行して、罪を国民に謝すべきだと思うのでありますが、政府の所信を明らかにして頂きたいのであります。如何に吉田内閣が小手先の延命策を弄したとて、大衆の審判は峻厳であります。
重
天
天田勝正#18
○天田勝正君(続) 大衆の意思と時代の流れに逆う者の末路は哀れであります。今日一日の延命策は、墓穴をそれだけ深く掘る結果に陥るでありましよう。やがて自由党は消え去るのみであるということを警告いたしまして、私の質問といたします。拍手
〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
吉
吉田茂#19
○国務大臣(吉田茂君) お答えをします。
検察庁に対する指揮権は政府にあることは、これは明文にも明らかなるものであります。かかる理由、相当の理由があるからこそ、明文に明らかになつておるのであつて、その指揮権を使つたと、利用したと、或いは指揮権を行使したというようなことが何で悪いかというようなことは、私にはわからないのであります。
しばしば申す通り、逮捕と捜査とは別である。逮捕しなくても捜査はできるのである。捜査をやめろとは言つておらないのであります。逮捕をしなければ捜査ができないということはないと私は考える。のみならずこの国会の会期も、すでに二十日の後には、この会期も尽きるのであります。故にこの期にこれを逮捕することによつて、重要法案の通過を妨げること自身がよくないと私は考えるのであります。
又、幹事長と政調会長は、あたかも汚職の、有罪であるかのごとく言われるが、これはいわゆる事件自体の全貌がわかつて、明らかにこれが有罪であると決定すればともかくでありますけれども、ただ議会において、こういうことがある、ああいうことがあるということだけでは、その罪は決定はしないのであります。その罪が決定して、明らかになつてこそ、初めて政府も進退をし、又幹事長或いは政調会長の責任も問われるのはいいが、未だ何ら、ただ逮捕がせられた、逮捕の要求があつたと、或いは要求せんとするということだけで、直ちにその責任若しくはその罪状を決定するに至つては、議会において個人の名誉を毀損するものであつて、これこそ基本的人権を尊重せざるものであると言わざるを得ないのであります。
私は、政府に対する国民の信頼は未だ去らずと考えますから、進退はいたしません。拍手
〔「それこそ日本の国会を軽視するものだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
この発言だけを見る →検察庁に対する指揮権は政府にあることは、これは明文にも明らかなるものであります。かかる理由、相当の理由があるからこそ、明文に明らかになつておるのであつて、その指揮権を使つたと、利用したと、或いは指揮権を行使したというようなことが何で悪いかというようなことは、私にはわからないのであります。
しばしば申す通り、逮捕と捜査とは別である。逮捕しなくても捜査はできるのである。捜査をやめろとは言つておらないのであります。逮捕をしなければ捜査ができないということはないと私は考える。のみならずこの国会の会期も、すでに二十日の後には、この会期も尽きるのであります。故にこの期にこれを逮捕することによつて、重要法案の通過を妨げること自身がよくないと私は考えるのであります。
又、幹事長と政調会長は、あたかも汚職の、有罪であるかのごとく言われるが、これはいわゆる事件自体の全貌がわかつて、明らかにこれが有罪であると決定すればともかくでありますけれども、ただ議会において、こういうことがある、ああいうことがあるということだけでは、その罪は決定はしないのであります。その罪が決定して、明らかになつてこそ、初めて政府も進退をし、又幹事長或いは政調会長の責任も問われるのはいいが、未だ何ら、ただ逮捕がせられた、逮捕の要求があつたと、或いは要求せんとするということだけで、直ちにその責任若しくはその罪状を決定するに至つては、議会において個人の名誉を毀損するものであつて、これこそ基本的人権を尊重せざるものであると言わざるを得ないのであります。
私は、政府に対する国民の信頼は未だ去らずと考えますから、進退はいたしません。拍手
〔「それこそ日本の国会を軽視するものだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
重
緒
緒方竹虎#21
○国務大臣(緒方竹虎君) 幹事長の政党における位置は、極めて重大である。これは閣僚以上に重いということを言うた事実はあります。従つて幹事長が今回の汚職に関係しておると、それ自体が明らかになつたときには、慎重に考えます。拍手
—————・—————
この発言だけを見る →—————・—————
平
杉
重
重
平
平林太一#26
○平林太一君 無所属クラブを代表して質疑をいたすものであります。(「しつかりやれ」と呼ぶ者あり)
このたび検察庁法第十四条指揮権の発動をあえて吉田首相がいたしましたことは、我が国憲政史上、未曾有の国家的一大不祥事であります。静かに惟んみますれば、この行為は、吉田君はもはやこの正規の常識というものを失われたのである。拍手その乱行、その乱心極まれりというべきであります。先ず以て吉田君は、この議場において、正気であるか乱心しておるかということを表明せられたい。拍手
検察庁法第十四条の法律の精神は、法務大臣のその部下たる検察官が、いやしくもその担当する事件の取調べに当り、不当、不正、不公平がなきよう指揮監督の権限を与えたのがこの第十四条でありますことは、法文昭々として極めて明らかであります。拍手にもかかわらず、却つてこのたびのこの発動をあえていたしたということは、部下検察官のこの公正なる決定、結論である。具体的に申せば佐藤榮作君逮捕許諾に関する手続を、即ち党利党略を以て阻止し、それを運用いたしたということであります。拍手この事実は、その渕源するところ、自由党総裁たる吉田君みずからが、自由党を初めとする我が国の保守政党の獅子身中の虫であるということであります。拍手かくのごとき行為が平然として行われることによつて、保守政党に対する信頼、期待というものは地を払うに至るということは、常識上極めて判断し得るところの事実であります。
吉田君は自己一身の保身を第一とせられるが、君が今日まで保守政党の政党総裁として、総理大臣の栄職にとどまるを得たるこの五年有半の、この間のその裏付けとなり、うしろ楯となつておつた保守党を愛し、保守党の育成を望むことを第一とするか、一つこの場合、明確に御答弁を願いたい。さもありなんと思うことは、吉田君は、曾つて社会党を育成したいということを言われた。そこでですね、そこで今回の指揮権発動というものによつて、保守党を壊滅せしめて、吉田君は社会党を育成するために、かような行為をいたしたのであります。拍手こういうことをこれは断定せざるを得ない。いわゆるこの政治家というものに二言があつてはならない。社会党を育成すると言われたことは、今日といえどもお変りになつておらないと思う。併し社会党を育成するために、この際、あえて保守党を潰すのだ、潰すための手段として指揮権発動をした、こういうのでありますれば、これ又そのことを承わる必要があるのでありますが、この点一つ承わりたい。
只今も、この天田君の質疑に対しまして、重要法案の審議議決を求めること極めて急である。故にこの指揮権発動をいたしたいという吉田君の御答弁であつた。然らばこの重要法案の審議協賛をいたすことが、国会の権限である議決をですね、慫慂せらるるということは、我が国会の自由意思である。(「その通りである」と呼ぶ者あり、拍手)然るにこれをなさんがために、この行為をいたしたということでは、公私極めて混肴をいたしておる。そこでこの重要法案と今日常識上判断のでき得るものは、防衛二法案、警察法案、MSA協定、秘密保護法、教育二法案である。吉田君の傘下にあるこれら関係の所管大臣、又この意思を以て、この指揮権発動に賛意を表されておることは明らかである。然らばこの際伺いたいと思いますことは、防衛二法案に対する保安庁長官木村君に対してでありまするが、今回のこの指揮権発動に対しまして木村保安庁長官が、その蔭の立役者であつたという説が一部に伝わつております。これは総理に、そういう悪智慧を付けたんだ、併しつけなければよい。つけたのか、つけないのか、木村君から承わりたい。そこでこの今申上げる通り、重要法案というものに対しまして、この際一括して、我々は慎重に考え直さなければならない。なぜかと申しますことは、かくのごとき暴挙、かくのごとき暴力に等しき指揮権発動というものをいたしてまでも、重要法案の議決を求めなければならないということになりますと、この重要法案というものが表に現われたる法文以外に、蔭に隠されたる秘密が潜在するのではないか。国家のため、誠に危険極まりなきことであります。それ故に今日は、改めて木村君にこの所管の防衛法案に対し、又警察法案に対しましては担当大臣たる国務大臣小坂君より、この警察法案に対して、さような事実はないということを詳細に承わりたい。同時に教育二法案に対しましては、大連文部大臣。大達君は、実にこの人を人と思わない驕慢粗暴の言動を以て、今日まで教育関係のこの委員会に臨んでおる。これは大達君という人となりが、戦争以来のことを見ればよくわかる。拍手非常に陰険なる政治家である。故に大達君に答弁を承わりたいと思います。
再質問を残しまして、一応質疑とすることにいたしたいと思います。拍手
〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →このたび検察庁法第十四条指揮権の発動をあえて吉田首相がいたしましたことは、我が国憲政史上、未曾有の国家的一大不祥事であります。静かに惟んみますれば、この行為は、吉田君はもはやこの正規の常識というものを失われたのである。拍手その乱行、その乱心極まれりというべきであります。先ず以て吉田君は、この議場において、正気であるか乱心しておるかということを表明せられたい。拍手
検察庁法第十四条の法律の精神は、法務大臣のその部下たる検察官が、いやしくもその担当する事件の取調べに当り、不当、不正、不公平がなきよう指揮監督の権限を与えたのがこの第十四条でありますことは、法文昭々として極めて明らかであります。拍手にもかかわらず、却つてこのたびのこの発動をあえていたしたということは、部下検察官のこの公正なる決定、結論である。具体的に申せば佐藤榮作君逮捕許諾に関する手続を、即ち党利党略を以て阻止し、それを運用いたしたということであります。拍手この事実は、その渕源するところ、自由党総裁たる吉田君みずからが、自由党を初めとする我が国の保守政党の獅子身中の虫であるということであります。拍手かくのごとき行為が平然として行われることによつて、保守政党に対する信頼、期待というものは地を払うに至るということは、常識上極めて判断し得るところの事実であります。
吉田君は自己一身の保身を第一とせられるが、君が今日まで保守政党の政党総裁として、総理大臣の栄職にとどまるを得たるこの五年有半の、この間のその裏付けとなり、うしろ楯となつておつた保守党を愛し、保守党の育成を望むことを第一とするか、一つこの場合、明確に御答弁を願いたい。さもありなんと思うことは、吉田君は、曾つて社会党を育成したいということを言われた。そこでですね、そこで今回の指揮権発動というものによつて、保守党を壊滅せしめて、吉田君は社会党を育成するために、かような行為をいたしたのであります。拍手こういうことをこれは断定せざるを得ない。いわゆるこの政治家というものに二言があつてはならない。社会党を育成すると言われたことは、今日といえどもお変りになつておらないと思う。併し社会党を育成するために、この際、あえて保守党を潰すのだ、潰すための手段として指揮権発動をした、こういうのでありますれば、これ又そのことを承わる必要があるのでありますが、この点一つ承わりたい。
只今も、この天田君の質疑に対しまして、重要法案の審議議決を求めること極めて急である。故にこの指揮権発動をいたしたいという吉田君の御答弁であつた。然らばこの重要法案の審議協賛をいたすことが、国会の権限である議決をですね、慫慂せらるるということは、我が国会の自由意思である。(「その通りである」と呼ぶ者あり、拍手)然るにこれをなさんがために、この行為をいたしたということでは、公私極めて混肴をいたしておる。そこでこの重要法案と今日常識上判断のでき得るものは、防衛二法案、警察法案、MSA協定、秘密保護法、教育二法案である。吉田君の傘下にあるこれら関係の所管大臣、又この意思を以て、この指揮権発動に賛意を表されておることは明らかである。然らばこの際伺いたいと思いますことは、防衛二法案に対する保安庁長官木村君に対してでありまするが、今回のこの指揮権発動に対しまして木村保安庁長官が、その蔭の立役者であつたという説が一部に伝わつております。これは総理に、そういう悪智慧を付けたんだ、併しつけなければよい。つけたのか、つけないのか、木村君から承わりたい。そこでこの今申上げる通り、重要法案というものに対しまして、この際一括して、我々は慎重に考え直さなければならない。なぜかと申しますことは、かくのごとき暴挙、かくのごとき暴力に等しき指揮権発動というものをいたしてまでも、重要法案の議決を求めなければならないということになりますと、この重要法案というものが表に現われたる法文以外に、蔭に隠されたる秘密が潜在するのではないか。国家のため、誠に危険極まりなきことであります。それ故に今日は、改めて木村君にこの所管の防衛法案に対し、又警察法案に対しましては担当大臣たる国務大臣小坂君より、この警察法案に対して、さような事実はないということを詳細に承わりたい。同時に教育二法案に対しましては、大連文部大臣。大達君は、実にこの人を人と思わない驕慢粗暴の言動を以て、今日まで教育関係のこの委員会に臨んでおる。これは大達君という人となりが、戦争以来のことを見ればよくわかる。拍手非常に陰険なる政治家である。故に大達君に答弁を承わりたいと思います。
再質問を残しまして、一応質疑とすることにいたしたいと思います。拍手
〔国務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
吉
吉田茂#27
○国務大臣(吉田茂君) お答えをいたします。
検察庁に対してなした指揮権が、暴力なりと言われますが、これは法律において明らかに規定しておるところであつて、法律的暴力というものが若しあれば、そうであるかも知れないが、政府は、法に従つて指揮権を発動いたしたのであります。その政治的責任は無論政府にありますが、政府は只今申す通り、虚心、法によつてこれは発動いたしたのであります。又、この指揮権発動は、党利、党略でも何でもなく、しばしば申す通り、重要法案の通過を政府としては切に希望いたして、又その必要を感ずるから、国家の利益の上からこれを、その通過を切望いたしますから、その措置をとつたのであります。ただ徒らに、事を好むがために、この指揮権を発動いたしたのではありません。拍手
〔国務大臣木村篤太郎君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →検察庁に対してなした指揮権が、暴力なりと言われますが、これは法律において明らかに規定しておるところであつて、法律的暴力というものが若しあれば、そうであるかも知れないが、政府は、法に従つて指揮権を発動いたしたのであります。その政治的責任は無論政府にありますが、政府は只今申す通り、虚心、法によつてこれは発動いたしたのであります。又、この指揮権発動は、党利、党略でも何でもなく、しばしば申す通り、重要法案の通過を政府としては切に希望いたして、又その必要を感ずるから、国家の利益の上からこれを、その通過を切望いたしますから、その措置をとつたのであります。ただ徒らに、事を好むがために、この指揮権を発動いたしたのではありません。拍手
〔国務大臣木村篤太郎君登壇、拍手〕
木
木村篤太郎#28
○国務大臣(木村篤太郎君) 防衛二法案の速かなる成立を期待し、熱望しておることは、いわゆる指揮権の問題と関係なく、我々の初めから言明しておる通りであります。速かにこの成立を期待いたしております。又指揮権のいわゆる発動については、私は総理に進言したような事実は毛頭ありません。拍手
〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕
小
小坂善太郎#29
○国務大臣(小坂善太郎君) 警察法の改正につきましては、二月十七日、本院の本会議におきまして、政府より提案理由の説明を申上げ、質疑にもお答えをいたした通りでありまして、他に何らの隠されたるものはございません。即ち、これが成立によりまして、警察の民主的な管理を堅持しつつ、政府の治安責任を明らかにし、警察の能率的な運営を図らんとするものでありまして、若し不幸にしてこれが不成立に終るようなことがありますならば、今後の警察行政の遂行と治安維持上議に憂慮すべきものがあると考え、是非この法案の成立を期したいものと考えておる次第でございます。拍手
〔国務大臣大達茂雄君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →〔国務大臣大達茂雄君登壇、拍手〕