吉田茂の発言 (本会議)

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○国務大臣(吉田茂君) お答えをします。
 検察庁に対する指揮権は政府にあることは、これは明文にも明らかなるものであります。かかる理由、相当の理由があるからこそ、明文に明らかになつておるのであつて、その指揮権を使つたと、利用したと、或いは指揮権を行使したというようなことが何で悪いかというようなことは、私にはわからないのであります。
 しばしば申す通り、逮捕と捜査とは別である。逮捕しなくても捜査はできるのである。捜査をやめろとは言つておらないのであります。逮捕をしなければ捜査ができないということはないと私は考える。のみならずこの国会の会期も、すでに二十日の後には、この会期も尽きるのであります。故にこの期にこれを逮捕することによつて、重要法案の通過を妨げること自身がよくないと私は考えるのであります。
 又、幹事長と政調会長は、あたかも汚職の、有罪であるかのごとく言われるが、これはいわゆる事件自体の全貌がわかつて、明らかにこれが有罪であると決定すればともかくでありますけれども、ただ議会において、こういうことがある、ああいうことがあるということだけでは、その罪は決定はしないのであります。その罪が決定して、明らかになつてこそ、初めて政府も進退をし、又幹事長或いは政調会長の責任も問われるのはいいが、未だ何ら、ただ逮捕がせられた、逮捕の要求があつたと、或いは要求せんとするということだけで、直ちにその責任若しくはその罪状を決定するに至つては、議会において個人の名誉を毀損するものであつて、これこそ基本的人権を尊重せざるものであると言わざるを得ないのであります。
 私は、政府に対する国民の信頼は未だ去らずと考えますから、進退はいたしません。(拍手)
   〔「それこそ日本の国会を軽視するものだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕

発言情報

speech_id: 101915254X03719540422_019

発言者: 吉田茂

speaker_id: 26990

日付: 1954-04-22

院: 参議院

会議名: 本会議