古池信三の発言 (労働委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○説明員(古池信三君) 只今委員長から包括的に御質疑がございましたのでありますが、昨年の秋以来政府がとつて参つておりまするデフレ経済政策というものは、そのよつて来たる原因等については今更ここに申上げる必要はないと存じますが、特に昨年度の我が国の国際収支の状況から見まするならば、非常に憂うべき現象を呈しておるようなわけてあります。従つてどうしても本当に日本の経済を建て直して行く、そして一日も早く経済の自立を確保いたしまして、国際収支のバランスをとつて、当然我が国として最も重大なる要請であるところの輸出の振興を図つて行く、その目的を到達する大きな手段としましては、この際好むと好まざるとにかかわらず、程度の問題はありましようが、デフレ政策をとらざるを得ない、そういうことになつて参つたものと私は承知しておるのであります。ただ現在のデフレ政策は、御承知のように金融面におきまして金融の引締めという手段を主としてとつておることも御案内の通りでございます。これによつていろいろの方面に影響も来たしておるのでありまするが、併し大局から考えてみまするならば、どうしてもこの際こういう政治的な一つの手術と申しますか、手当はやはり否定できないことである、かように考えております。ただこの将来について必ずしも私は非常に大きな楽観をするわけではございませんけれども、只今までの現実の問題としましては、我が国の物価も昨年に比べまして若干下廻るような傾向になつておりますし、又輸出の面もこれによつて若干ながら上向いておるように承知しておるのであります。丁度今日その苦しいところに入つたという段階であろうと思つております。
 只今委員長が指摘されましたように、大蔵省と通産省との間に意見の齟齬がありはせんかというお尋ねでありますが、これは表面に出まする責任者の言葉の表現の中には、多少の齟齬あるやに受取れるような点が新聞紙上等においても仮に見受けられるといたしましても、私は政府として当然、これは一体になつて一つの政策を統一的に進むべきものでございますから、そこに食い違いがあつてはなりませんし、又現にあるべきもの噂はないと考えております。大蔵大臣が、或いは大蔵省がこのデフレの経済政策を飽くまで推進すべきである、こう考えておられることも事実でありましようし、又私どものほうにおいて、進める過程において、具体的の場合に相応して、若しそこに不釣合の問題が起るというような場合には、これに適当なる措置を講じて行くということは、これはもう申すまでもなく必要なことでございまするので、そういう意味において通産大臣も談話をされたものと私は承知しております。全く大蔵大臣と異つたような、デフレ政策を大幅に緩和するというような意向はないものと私は考えておるのであります。併しいずれにしましても、デフレ政策というものは、我我としましてはそんなにいつまでも長くやるべきものではなく、適当な時期が参りまするならば、そこにそのときの事情に即応いたしまして、又適切なる経済政策をとつて行くということは、これはもう当然考うべきものであろうと思います。
 然らばその時期がいつ頃来るかという問題でありますが、これは生きた経済問題でございまするので、ここに私がいつ頃ということを明確に予測することは困難と思いますが、政府も、又民間の業界の方々、労働者の方々、皆この趣旨を汲んで頂きまして、一致協力して助けて頂きますならば、成るべくデフレによる影響もでき得る限り最小限度に食いとめまして、そして更に拡大生産を図り、輸出を振興して、堅実なる国際収支の均衡をとり得る状態が速かに来ることを念願いたしておるような次第でございます。
 お答えに足りないところがあるかも知れませんが一応先ほどの包括的な御質問に対して私からお答えを申上げた次第でございます。

発言情報

speech_id: 101915289X00219540707_013

発言者: 古池信三

speaker_id: 13704

日付: 1954-07-07

院: 参議院

会議名: 労働委員会