古池信三の発言 (労働委員会)

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○説明員(古池信三君) 只今田村委員から非常に蘊蓄の多い御高説を拝聴いたしまして、非常に私どもとして有難く傾聴いたした次第であります。御指摘のごとく、現在の日本は国内的に見まして極めて経済の底が浅く、特に資本の蓄積等は極めて微々たるものである。のみならず対外関係のいわゆる経済交流の面から見ましても、戦前に比べますと非常に不自由な状況になつておるのでありまして、経済界における一つの事件、問題が直ちに広汎なる影響を国内に捲起して来るというような次第でありまして、この点は非常に我我も心配をいたしておる次第であります。先ほど独禁法の問題にお触れになりましたが、これも独禁法を全面的に改正をするということは実際問題としてなかなか困難性が多いだろうと思うのでありますが、昨年皆様の御賛同を得まして、若干これを緩和したことは御案内の通りであります。又その地中小企業安定法でありますとか或いは輸出入取引法等の改正によりまして、独禁法の例外的緩和の規定を入れたことも、只今田村委員のお話になりました御趣旨に若干ずつ近付きつつあるものとお考え願いたいと思うのであります。
 それからデフレによる失業問題につきましては、これは一経済の問題、産業政策にとどまらず、国内の大きな問題の一つでございまするので、勿論政府部内、関係各省が挙つてこの問題につきましては統一的に協力した態勢をとつてその解決に努むべきものであろうと私は考えております。
 最後の電気料金の問題についてお話がございましたが、電気事業を直接監督いたしておりまする当省といたしましては、本年一月に電気料金改訂の申請が会社から出ましたので、この申請書に基いて詳細なる検討を現在まで加えて来たのであります。その内容につきましては、全国平均いたしまして一割四分四厘程度の値上となる申請案が出されたのでありますが、何とかしてこういう時勢でもありまするので、この値上を避けるように努めたいと考えて、その内容の中で他の方法で、例えば税の軽減でありますとか、金利の軽減であるとか、そういうような点においてでき得るだけの処置を講じて、而もなお値上を要するようなものがあるかどうかという点にまで研究を進めてみたのであります。その結果事務的に考えまするならば、若干電気事業の収入の増加を図つて行かないと、折角現在やりかけております電源開発の将来に極めて憂うべき状態を引き起すであろうということが予想され、種々これに伴いまして悪い影響も起つて来るような虞れがあるように考えられるのであります。併しながら一面又現政府がとつておりまするこのデフレ経済政策の面から見ますると、政府の認可にかかる料金を引上げるということは実質的はもとより、心理的な影響も決して軽視できないのでございますので、この辺の点を如何にすべきかというので非常に大臣その他関係者が頭を悩ましているのが現状でございます。昨日の閣議の席におきましてもこの問題を通産大臣から提案をいたして協議があつたように聞いておるのであります。勿論閣議の内容の詳細に亘りましては我我はこれを承知いたしませんが、大体新聞に掲載されたようなことは事実であろうと信ぜられるのでありまして、この電気事業の、特に日本として今後基幹産業として、又国民経済上の必須事業といたしましても、これをここでつぶすようなことは、これは大いに考えなければならん問題だ。併し一面電気料金の値上ということが又国民経済上大きな影響をもたらすとすれば、そこに何らかの、電気料金の値上によらずして、而も電源開発その他事業の運営を筋道を通して進めて行けるような方法はないか。端的に申せば、更に税の軽減であるとか或いは財政資金の金融面における援助であるとか、そういう方法によつてカバーできないかどうかということを更に検討しようということに現在なつておるように承知しております。従つてまだ最終的に料金の値上申請は認可しないという確定的な段階にまでは至つておりませんけれども、只今申上げましたような意味合いにおきまして、十分慎重なる検討を加えて行こうという段階に現在あるものと私は承知しておりますので、そのままを申上げたような次第であります。

発言情報

speech_id: 101915289X00219540707_019

発言者: 古池信三

speaker_id: 13704

日付: 1954-07-07

院: 参議院

会議名: 労働委員会