愛知揆一の発言 (労働委員会)
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○国務大臣(愛知揆一君) 只今のお話に対しまして私からざつと御説明申上げたいと思います。
先ずこのデフレの問題でございますが、第一に政府といたしましては一月来実行いたしておりまするデフレ政策についてこれを変更するということは全然考えておりません。と申しまするのは御承知のようにこの政策の終極の目標といたしておりますところは国際収支の改善ということに大きな重点をおいておるのでありますが、御承知のごとく六月、七月と相次いで久しぶりに日本の国際収支が黒字になつて参りましたし、その方面においてその後顕著な成果を挙げておるというように考えるわけでございます。いま一息の努力と存じまするので、今後根本的な考え方、デフレ政策を遂行するということは変えないで参りたいと考えております。
併しながらあとでもいろいろとお話が出ると存じますけれども、例えば物価の問題にいたしましても、或いはその他の面におきましても或る程度のひずみと申しますか、或いは下降現象が起つている。それを、そのひずみを成るべく起さないようにというような点について具体的或いは総合的な対策というものは常々心がけて行かなければならないことである、こういうふうに考えておりますので、政府といたしましても新しいこの状況の下において振り返つていわば新らしい経済政策を、更に一段と現在やつておりまする政策を補強する意味で新らしい政策を最近において立案して国民の批判を仰ごうということを考えておるわけでございます。その時期は成るべく速かにと考えておりますが、恐らく八月中、或いはもう少し最近のところで発表することができると考えております。その際これらの新らしい考え方を盛り上げますると同時に、或いはそれに先んじて、只今御指摘の通り、労働問題につきましては、昨日も最近の経済事情について説明を或いはお聞き取り頂いたかと思いますが、労働調査によりましても、五月の完全失業者が五十八万人というような数字が出ておりまするし、そのほか公共職業安定所の求人求職状況、その他から見ましても、或いは賃金の支払の趨勢等から考えましてもかなり憂慮すべき状態にありまするので、先般来この問題については取りあえず総合的な立場から労働問題を取り上げなければならないという観点から、経済審議庁に各省の協力の下に労働問題協議会ともいうべきものを取りあえず設置いたしまして、関係各省の知慧を集めて当面する失業問題、労働問題に対する具体的な手を打つことにいたしたいと存じます。
その手初めといたしまして、例えば公共事業等による失業者の吸収措置の強化という問題についてはすでに協議会でも一案を作りまして、開議決定をして各省に指示をし、或いは予算の配賦等について特段の措置をするというような具体的な執行の運びに入つておるようなわけであります。それから更に根本的には大企業、それから特に中小企業等を通じて安定策を講じたい。企業の倒産等についてもできるだけこれを防止する。失業者の発生を未然に防止するような措置を根本的な考え方としてとりたいと思うのでございますが、併し一方重要産業の企業経営の合理化等を重点的に推進しなければなりませんので、その合理化計画の確立等に関連いたしまして、職員その他の退職等の問題についてやはり十分事前に配慮して、関係方面を連繋をした施策を講じなければならない、又退職金その他の問題につきましても十分な金融上その他の配慮をしなければならないというふうに考えておるわけでございますが、止むを得ず発生する失業者につきましては、例えば物の考え方といたしましては、輸出振興策なり或いは新規の産業の育成策によつてその吸収を図るというような考え方は勿論でありますけれども、例えば公共事業或いは鉱害復旧事業といつたようなものを、企業のほうの合理化と併せて一環の措置として、連繋を緊密にして失業対策事業をやらなければならない、そういう方向の配慮を必要といたしまして、先ほども申しましたが、その一部についてはすでに政府の考え方をとりまとめて実行に移すようにいたしたいというような関係にあるわけでございます。
一応簡単でございますが、最近の私どもの考え方並びにとつております措置は以上の通りでございます。御質問に応じていろいろお答えいたしたいと存じます。