愛知揆一の発言 (労働委員会)
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○国務大臣(愛知揆一君) この輸出振興、それから輸入の防遏、国産品愛用運動といつたことについては、只今お話のような根本の御趣旨においては全く御同感でございます。なかなかテンポがのろいという御批評がございまして恐縮なんでございますが、これは先ず第一に、やはり常道の手段として外貨予算編成の当時において御説明いたしたと思いますが、いわゆる不要不急品という物は徹底的に輸入する外貨の割当を取つたわけでありまして、例えば乗用自動車の完成品を初めといたしまして、例えばテレビでございますとか、そのほかのそれに類する物は全然外貨の割当をしないことにいたしました。それから、併しながら外国との通商協定等によつて、例えば若干のイギリスのウイスキーでありますとかいうようなものは両方の話合い或いは通商協定の関係から、どうしても止むを得ないものはこれは協定上認めておりますし、その輸入は若干はいたしておりますが、それ以外の物は原則的にやらないことにいたしております。これは金額としては累次詰めに詰めて来ておりますから、その全額割当内といたしましてもその額はそう大きなものではございませんが、これは精神的にも非常な効果があるものと考えておるわけでございます。
それから原材料等の輸入については、今年の日本全体の生産活動を維持するに足るだけのものは入れなければなりませんが、大体計画の当初において三十億ドルの輸入計画は相当シビアなものではなかろうかと懸念いたしましたが、その後半年、四月以降半年になりますが、四月以降の状況を見ましても、金融の引締め或いは国内の生産活動の推移等から鑑みまして、大体この程度が合理的な水準であつたというふうに今翻つて考えております。
それから例えば重油の問題等につきましては、これも詳しくはいずれ又お話が出るかと思いますけれども、今年の六月に入りましてから例えば大体三十万キロ・リツトルの庫出実績、出荷の実績になつて、おるようでございまして、行政上の指導とそれに対する国民の協力といいますか、需要者側の協力がだんだん具体的に成果を挙げて来ているように見受けるわけでございます。従つてこれらの点についても不必要に多くの外貨が割当られないで済むのみならず石炭対策等の強調で或る程度維持して進んで行くことができるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
それから国産愛用の問題については、先般発行いたました経済白書にもたしか出ておるはずでございますが、総じて百円の買物をすれば十七円乃至十八円は外国産のものである。こういう事態にも考えまして、できれば消費を節約し、或いはその消費の中でも特に外国品を或いは材料に使つているような製品を買うことを抑制して行かなければならないという運動を展開したということで、最近におきましても労働関係の機関等において、相提携して、政府側とも協力をいたしましてその運動も始めたような次第であります。
それからもう一つ申上げたいと思つておりますことの一つは、今年の当初以来私の考えでは経済政策の焦点を、一つの大きな柱は、何としても輸出の振興にあると考えましたので、できるだけ短い期間においてできれば二十億ドルということを目標にして正常の輸出をできないものかどうか、それについて先ず目標を作つて、計画的に作業をし分析して見る、そして飜つて国内の経済政策をどういうふうに展開したらいいかということを併せ考えるということでずつと研究を続けて参りましたが、一応の目標として、昭和三十二年度において正常なる輸出が十七億ドル余り、十七億四千万ドル近く期待できると、これはいわゆるリンク制であるとか、補助金或いは補給金とかいういわゆる人為的な術策を用いずして正常なる輸出努力を積み重ねることによつてこの程度は達成可能の目標になり得るという結論が出ましたので、これを飜つて各産業部門等について、更に業界に、これをなし遂げるためにはどういう具体策が必要であるかということを詳細に只今研究いたしております。で先ほど申上げましたようにできれば今月中に打出したいと考えております。政府全体の総合施策の中の一つの中心課題として取上げることにいたしたいと思つております。でこれは例えば輸出の目標制を採用する、輸出目標制というものも具体的にどういうふうにやつたらいいかということは更に研究をいたしておりますが、その目標を策定し、そうして計画的に輸出の伸長の期待できる産業を助成して行くということに力を向けて参りたい。又具体的な問題としては生産業者と輸出業者を一貫した輸出のための協定というようなものを作ることを容認いたしましとて、生産輸出体制を強化するということを以て考え方の中心にして参りたい。そういう関係から或いは輸出入取引法の改正というようなことも次の通常国会のときにはお願いいたしたいと考えております。それから貿易商社の強化、輸出金融の改善というようなことについては先般来或いは声明し、或いは具体的な措置を講ずる等相当の進度でこの点につきましては行政上の施策も進めておるつもりであります。
大要以上申しましたような点を我々の努力の中心課題としておるような次第でございます。