上林忠次の発言 (電気通信委員会)

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○上林忠次君 本委員会で見聞されますところの防衛庁のこの電波施設、これに関しまして民間の会社に一部依存する、或いは民間の会社が作つた施設をこちらの専属管理に移すというような話につきまして長時間審議されておりますが、委員会の審議の状況、質疑応答の状況を伺いますと、この問題は日本の将来の防衛通信施設、又日本の電波関係の産業の将来、或いはこういうような事業の将来の国家百年の後のことを考えますと、相当大きな問題であろうと思うのであります。防衛庁におかれましても、郵政省におかれましても、この問題に対してはもう少し検討するところがなければならん。どれだけの将来施設をして、それにはどのくらいの金が要ると、而も日本の現在のこの種の技術の水準はどこまで行つているか、わざわざこの際外国の資本を入れて、又技術を入れてやるというのはどうかというような問題もありますし、又こういうような防衛庁の機密を保持すべきこの防衛庁の通信網として、今これまで審議されておりますような、ああいうような、防衛庁長官のお考えになりますような、一民間会社の施設を利用するというようなことは、大きなこれは国家の将来の問題であろうと思うのであります。慎重に取扱うべき問題でありまして、防衛庁長官の根本的な大きな計画も十分検討されずに、これは興味のある問題だというようなことでこの問題をお考えになつているということに、余りに軽率じやないかと私は考えるのであります。これらの長い間のこの委員会におきます審議の気持をくみまして、私この際、この委員会として一つこの問題に対しましての決議をする必要があるのじやないか、こういうわけで動議を出す次第であります。
 決議案を一応読んでみます。
   我国電波政策に関する決議
  最近のマイクロウエーブ技術の進歩は、まことに著しいものがあり、電気通信網の根幹をこれによつて形成せんとするのが今日における世界の趨勢である。
  我国における現況を観るに、最近この技術は著しく進歩し、今日においては既に欧米に比して何等遜色なく、現に本邦縦断の大幹線を近く完成せんとする段階に達している。
  然るに、政府当局の説明によれば政府は、防衛通信網の整備に当つて、一民間会社の企画する、外国資本及び技術導入による、全国にわたる大規模なマイクロウエーブ施設の提供を期待しているやに推察されるが、右は電波関係法令の立法精神に悖ること明らかであり、且つ、現在の日本のマイクロウエーブ技術の発達及びその実績等に徴して外国のそれに依存する必要は毫も認められないのみならず、外国資本及び技術依存によつて生ずる防衛通信の自主性ひいては国家の独立性に対する影響を考慮するときは絶対にとるべき策ではない。
  よつて、政府は、本委員会の右の見解を尊重し、我国通信政策及び電波政策上禍根をのこさないよう善処すべきである。
  右決議する。
 以上のような決議案の動議を出しますが、防衛庁の機密を保持する上におきましても、防衛庁として自己の自主性を持つた施設をし、これを管理して行くということは、先ほど長官からもお聞きしたんでありますが、我々現在あります電電公社の施設を利用するということも考えないことはありませんが、終局においては、どうしてもこれは機密保持上、将来の防御に対しまして一番の重要な通信施設に対しましては、これは防衛庁が自分で持つべきだということは確信しておるのであります。又日本の技術におきましてそれができるんじやないかというようなことも確信するのでありますが、一方こういうような電波事業全体から考えましても、これが外資導入或いは技術の導入、このやり方をいろいろあろうと思いますが、やり方次第では、日本のこういうような事業が外国の資本で覆えされてしまう、我々民族の事業として将来やつて行く余地がなくなるというようなことがあるならば、日本のこの種産業、この種事業としてこういうようなことが大きな禍根を残すんじやないかと考えておるのであります。今の電波関係の法令から考えましても、こういうことはでき得ないものじやないか。又そのときの立法精神から考えましても、こういうことがないように、我々の国の電気通信産業を調整して行くというところから、ああいうような法規で、防衛庁長官のお考えになつておりますようなこの種の事業を今されんとしつつありますような、ああいうような方向に導かないというところから立法されたと思うのであります。これに対する解釈もまちまちということを聞いておりますが、日本の将来百年の御計画を十分お考えになりまして、電気通信網の完成をみたいと思うのであります。
 以上私動議を出しまして、皆様の御賛同を得たいと思うのであります。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

発言情報

speech_id: 102014847X00219541203_029

発言者: 上林忠次

speaker_id: 12071

日付: 1954-12-03

院: 参議院

会議名: 電気通信委員会