黒澤幸一の発言 (内閣委員会)
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○黒澤委員 大村防衛庁長官にお尋ねをしたいと思うのでありますが、それは宇都宮市駒生町にありまする宇都宮駐も部隊駒生射撃場の射場の問題であります。この射場は明治四十四年に設置されまして、元の第十四師団の射撃場として使用せられて来たのでありますが、終戦後警察予備隊、保安隊、自衛隊と引続いてこの射場が使用せられて参ったのであります。十四師団の射場として使用せられておりました当時におきましては、この射場において射撃する場合にたまたま小銃弾が飛来するということがあったようでありますが、終戦後警察予備隊、保安隊、自衛隊が使用するようになりましてから、ロケット弾、曳光弾、爆雷、十ミリ機銃弾、小銃弾、こういう銃弾、跳弾の弾片が高さ三十メートルから十五メートルの土手を越えまして、われわれが想像もできないような、乱射乱撃雨あられという言葉がありますが、まさにこういうような言葉通りに落下して参ったのであります。いかにこれらの落下する物量が多いかということは、射撃が終りましてから付近の児童がその落ちました銃弾や弾片、跳弾を拾い集めて、一貫目三、四十円でくず屋に売っているという事実をわれわれが考えましたときに、いかにこの射場の射撃のために、直接被害を受ける三十戸でありますか、相当広範囲にわたって危険にさらされているということが長官も御想像ができると思うのであります。事実を申し上げますと、射撃が始まると付近の住民は生きた心地がありません。田畑や山林で働いている農民諸君は、泣き叫ぶ子供を擁して家に逃げ込んで、子供や婦人を退避させて、その主人なる男が戸をわずかに開いて、飛び込んで来るたまの動向を監視して、危険となるとそれを防ぐという、まさに戦時中におけるような状態に置かれておるのであります。この付近の道路を通行する児童が約六十名あるのでありますが、この六十名からの小中学校の児童は射撃が始まると、登校もできず、家にも帰れず、泣き叫んで付近の山林に退避しているという状態であります。ある農家には曳光弾が屋根に落下いたしまして、まさに火災になろうとしたのを消しとめておるというような事実もあるのである。農家の家畜が驚いて逃げて、これがために死亡したという事実もあります。この射撃の音響がひどいために鶏はほとんど卵を生まなくなってしまう。ヤギや乳牛は乳の出が少くなってしまう。ことに病人があるときには、射撃が始まりますと安静ができずに、この回復には非常なる影響を与えているという事実もあるのであります。この射場から若干離れましたところに国立療養所宇都宮病院があるのでありますが、この病院に入院している患者の諸君は、一時から三時の間の安静時間が妨害されて安静がとれない。あるいはまたこの音響がひどいために発熱しておるというような患者のあることをわれわれは病院を視察、調査いたしまして知っておるのであります。かような危険に周囲の住民はさらされておるのでありますが、ここに参考までに一部のいろいろな破片や銃弾を持参いたしましたから、これをどうぞ長官ごらん願いたいと思うのであります。こういうロケット弾が三十メートルの土手を越えて落下しておるという事実があります。どうかこの落下しましたいろいろな弾片、銃弾の一部を持参いたしましたからよくごらんになってこの実情を御想像願いたいと思うのであります。
なおここに、長官は地理もよくおわかりにならないと思いまして、現地の地図を書いて参りました。どういうふうに銃弾や断片が飛んでいくかという方向、また射撃場の状態等を書いておきましたから、これもごらんを願いたいと思うのであります。
なお周囲の農民諸君がいかにこの射撃場のために困っておるかというこの署名をごらんいただきますれば、わずか二千幾らという署名でありますが、これは深刻なるこの射撃場付近の人々の署名でありますので、御参考までに持参したのでありますが、長官はこういう宇都宮駒生射場の状態をお知りになっておるかどうか、その点を最初にお聞きしたいと思うのであります。