北山愛郎の発言 (地方行政委員会)
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○北山委員 そういうことを一昨年あたりから時の政府は常々言ってきて、そうして何も具体的な対策を立てないから、事柄がただ深刻になっていくだけなんです。二百億の赤字債が一つの対策だと言うかもしれませんが、これは現実にはそれほどの効果がない。というのは、その金をすでに地方団体は地方の金融機関から借りておるのです。ただ短期で借りていて三月くらいでころばしていかなければならぬ、それが苦しいからこれを長期にしてやろうというのです。ただそれだけのことです。もうすでに借金をしている金を長期に振りかえるだけのことです。プラスにも何にもならない。マイナス分だけ残るのです。その短期の借金を長期に振りかえてやるという条件で、そこで政府は締めつけていこうという。ここにからくりがあるのです。私が毒まんじゅうだとあえて申し上げるのはそれなんです。そんなことでは、地方財政が破綻するばかりでなく、地方の行政機能というものが破壊される。従って鳩山内閣がいかに美しい施策を掲げておっても、それは実行不可能になる、こういうふうに私は心配するものですからこのことをくどく申し上げるのですが、どうも政府ではその具体的な対策がないようです。ただ抽象的なことだけを言っているにすぎないのですが、非常に残念です。この際に一つ大蔵大臣にお伺いしておきますが、どうも大蔵省方面では地方団体について道楽むすこぐらいな考え方しか持たないのじゃないかというような印象を受けるわけです。今までの施策についてもそうです。自治庁はある程度は地方財政のことはわかっているものですから、いろいろ予算折衝はするが、それが大蔵省によってずたずたに切られてしまう。そうして本年のような無理な地方財政計画になり交付税になってしまうわけです。こういうふうに無理解なことをやっておる一つの例として申し上げるのですが、それなら大蔵省はりっぱなことをやっているかというとそうは言えない。先ほど大企業に対する擁護のことを言いましたが、火災保険事業は大蔵大臣の監督であります。ところが火災保険の事業は御承知の通りに保険料の約半分というものを募集経費だとかそういうものに使っているでしょう。地方団体だったらそんなむだな金は使いませんよ。それはあなたの監督下にある火災保険会社なんです。火災保険裏業というものは保険料の四八%を募集経費その他に使っておるのです。火災保険というのは何も物を生産する企業ではございません。金を扱ったり書類を扱っていればいいのだ。それが半分くらいも事務費を使い事業費を使っている。その状態を監督官庁である大蔵大臣はこれを容認しているのです。いわば保険料をそれだけ高くしている。高い保険料を認めておる。そしてこれ以上安全に金がもうかる商売はないのです。保険料は独占禁止からのがれている上に、大蔵大臣がきめて認可する。そして十分なもうけも出るし、それから積立金も出る。どんどん保険会社が肥ってどんどんビルディングが建っていくでしょう。ところがその火災保険会社が金をもうける陰には、地方公共団体が消防をやって一生懸命になって火を消している。火を消せば消すほど火災保険会社がもうかる。だから東京都では昭和二十五年に会社を計画したのですが、時の大蔵大臣がこれを認可したかったのです。しかし東京都が考えるのは無理はない。東京都内で年々扱う火災保険の料金は三十五億円だそうです。ところが保険金として払う分は六億ないし七億です。あとは経費ともうけに使っているのです。ですから東京都では、消防費に三十億以上も使っているのはばかばかしいということになった。一生懸命になって何十億かの金を出して消防に努力すればするほど、保険会社がそういうボロもうけをする。しかもそれは保全経済会みたいに勝手にやっているのじゃなくて、大蔵大臣がちゃんと料金まできめて、そういうようなボロもうけをしている保険事業を認めている。しかも今度政府は住宅公団に対して火災保険の資金を九分くらいの利子で借りている。この火災保険会社の資金というものは、今申し上げたように資金コストというものはない金なんです。資金コストのない金を九分も出して借りておる。まことにお人よしだと言わざるを得ない。消防は地方公共団体の仕事で、地方の市町村はこのために非常に苦しんで、おそらく何百億という金を使っているのです。二百万人以上の消防団員が日夜働いている。その結果火災保険会社がもうかる。その事態を大蔵大臣が認めておる。これでいいのですか。こういうふうな公共的な事業に苦労しておる地方団体に対して、ほんとうに大蔵省が熱意を示さなければ、地方財政にほんとうに愛情をもって当らなかったならば、火災保険は地方団体の連合体かなんかの公営にしてしまえという議論が出るのは当然です。私の意見が間違っておるかどうか、大蔵大臣のお考えを聞きたい。