永田亮一の発言 (地方行政委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○永田政府委員 地方公営企業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な改正事項の概略を御説明申し上げます。
地方公共団体が処理いたします事務は、いわゆる権力行政のほか非権力行政にわたる広範な分野に及ぶものでありまして、非権力行政のうちでも住民全般に対してよりよいサービスを提供することにより直接住民の福祉の増進に寄与するところの上下水道事業、交通事業、電気事業、ガス事業等の各種の公営企業が最も重要な役割を占めていることは申すまでもないところであります。このように重要な意義を有する地方公営企業をしてますますその経済性を発揮せしめるとともに、住民の福祉の増進に一層寄与するよう経営させるため、去る昭和二十七年八月一日地方公営企業法が制定施行されたのであります。その後の運営の状況を見ますと、適用事業の数は漸次増加しつつあり、現在水道事業九十団体、軌道事業十五団体、自動車事業三十団体、地方鉄道事業三団体、電気事業十団体、ガス事業十団体、その他の事業九団体計百六十七団体の多数に上り、これらの企業の営業収益合計額は、昭和二十八年度において四百六十七億円、資産総額は、昭和二十九年三月末日において約二千百億円、これらの企業に従事いたします職員の数は、六万人をこえるという状況に達しております。
法律施行以来各地方公営企業においては、本法制定の目的であるところの企業の経済性の発揮と公共の福祉の増進に向って日夜努力を傾注し、その成果には見るべきものが少くないと考えられますが、政府におきましては、法律施行以来の経験にかんがみ、なお若干の改正を必要とする点があると考え、諸般の調査研究を加えるとともに各方面の意見をも聴収しました結果、今日成案を得まして、地方公営企業法の一部改正法律案として、今期国会の御審議をわずらわすことに相なった次第であります。
次に、本案の内容につき、その概要を御説明申し上げます。
まず改正の第一は、地方公共団体の長と管理者の間における事務の配分の合理化その他地方公営企業の能率的運営に必要な規定の整備をはかったことであります。
従来の規定のもとにあっては、管理者が業務の執行に関し担任する事務の範囲が必ずしも明確でない点が若干見受けられ、そのため事務の能率的遂行が妨げられる懸念がありましたので、今次改正案におきましては、地方公営企業の基本計画案の議会に対する提出及びその原案の作成に関する取扱い方法を明確にするとともに、地方公営企業の経営にかかる許可、認可等行政庁の処分を必要とするもののうち軽微なものについては、管理者が当該地方公共団体を代表して申請等に関する事務を処理することができるようにしたものであります。また、交通事業のごとき事業にあっては、同一業種の民間会社等との間において連絡切符を発売する等の要請が漸次高まってきており、これがためには、公金徴収事務を委託しなければならないわけでありますが、従来地方自治法第二百四十三条の規定との関係において疑問が存しましたので、この際地方公営企業の料金の徴収に限り一定の条件のもとに民間会社等に委任することができるようにいたした次第であります。
改正の第二は、減債積立金制度の創設等予算、決算及び会計制度について合理化をはかつたことであります。
地方公営企業の予算、決算及び会計制度につきましては、現行規定のもとにおきましても企業の経済性を発揮することができるよう一般の官庁財務に比し種々の特別規定が設けられているのでありますが、その合理化を一層徹底するため若干の改正を加える必要が生じたのであります。すなわち、計理の方法に関する原則を明確にし、国の財政法の規定にならい事故繰越の制度を採用し、剰余金及び欠損の処理に関する原則を明確にすることといたしました。特に剰余金の処分につきましては、従来商法の観念にならい決算上の利益はその一定割合を利益準備金として積み立てるものとされておりましたが、地方公営企業におきましては、会社と異なり株式による払込資本金というものがなく、企業債によって建設を行なっている状況にありますので、今後は利益の一定割合を減債積立金または利益積立金とし積み立てることに改め、もつて企業経営の健全化をはかることとした次第であります。
改正の第三は、地方公営企業の経営に関する助言及び報告に関する規定を整備したことであります。
地方公営企業の経営が法律に定められている経常の基本原則すなわち、経済性の発揮と住民の福祉の増進に寄与するよう政府は、従来とも必要に応じ助言を行い、もしくは報告を求めていたのでありますが、今後一層この点に留意して対処していくために本法中に地方公営企業の経営に関する助言、勧告及び報告に関する規定を設けることとした次第であります。
以上、地方公営企業法の一部を改正する法律案について、その概要を御説明いたしたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。