北山愛郎の発言 (地方行政委員会)

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○北山委員 地方財政法の一部改正案の提案の理由、お手元に印刷が行っておると思いますが、これを朗読いたします。ただいま議題となりました加賀田進外十名提出、地方財政法一部改正案につき、その提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。
 本法案の第一の目的は、地方公共団体が国または他の地方公共団体に対し、法令に基かない負担金、寄付金等を支出することを制限し、国、府県、市町村相互の責任と負担の限界を明確にするとともに、地方財政赤字の原因を除去しようとするものであります。
 元来、国、地方団体の行政事務とその財源の配分は、地方財政法、地方交付税法、その他の法令に規定されるところであるにもかかわらず、国、府県等においては、みずから負担すべきものを市町村に負担させる等、財政上の原則を乱るものが少くないのであります。自治庁の調査によれば、昭和二十八年度においてこの種の負担は、国及び国の機関に対するもの約三十八億円、国または県の関与する諸団体に関するもの百三十三億円、地方公共団体相互間のもの六十八億円に達しております。学校はもとより、自衛隊、警察、検察庁、裁判所、労働基準監督署等の経費まで地元地方団体に負担させることは、財政上の影響はもちろんこの種の権力的機関の業務の公正を保障するゆえんではないと思うのであります。従って、まず地方財政法第四条の三を改めて、強制徴収以外の割当徴収に適用を拡大し、新たに第四条の四を設けて、国に対する地方公共団体の寄付金は原則的に禁止することとしたのであります。
 また都道府県と市町村の関係において、現行の地方財政法第二十七条の規定は、その内容が必ずしも明らかでなく、受益負担の名のもとに無制限に都道府県の経費を市町村にしわ寄せされるおそれがありますので、これを改めて、他の法令(例えば道路法)によって市町村に負担させることが明らかであるもの、及び自治庁長官の承認を得た場合のほかは、都道府県が法令によって当然みずからの負担すべきものを市町村に負担させてはならないことにいたしたのであります。
 次にこの法案の第二の目的は、地方財政法第五条第一項第五号を改めて、地方債を起し得る場合の制限を若干緩和しようとするものであります。過般東京都の固定資産税の増税の事件に明らかにされたように、地方公共団体が課税標準の決定についても政府の示す基準によらなければならない結果として標準税率を固執するときは、著しく増税となるので、その税率を引き下げようとすれば、地方財政法第五条、第一条、第五号の規定によって起債の制限を受けることとなり、著しく地方団体の自主性を制限しているのでありますから、これを改めて、当該税率が標準税率を下回る場合でも、税収の見込みが昨年の収入を超過するものと認められるときは、地方債を起すことができるように制限を緩和しようとするものであります。
 以上いずれも現行制度の欠陥を除去し、地方財政の合理化と健全化に必要適切な措置と考えますので、慎重かつすみやかに御審議御決定をいただきたいと存ずるものであります。
 次に、ただいま提案されました地方財政の整備に関する特別措置法案につき、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 地方財政の窮乏は年々深刻となり、昭和二十八年度決算において赤字四百六十二億円、昭和二十九年度はさらに五百八十六億円に増大するものと推測されており、このままに放置するならば地方財政は破綻し、国の施策遂行と国民生活に重大な影響を及ぼす結果となることは明らかであります。
 本年三月鳩山総理の提出した地方財政白書によれば、その責任は主として国にあり、従って地方財政再建に対しては国としても地方交付税率の引き上げ等適切な財源措置を行うとともに、赤字地方団体も長期計画を立て、合理的再建の方途を講ぜしめることが必要であります。それが本特別措置法案の提案理由であります。
 次に本法案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、昭和二十九年度末の赤字団体は自主的にその議会の議決を経て財政整備計画を策定し、自治庁長官に提出する点については、政府提出の地方財政再建促進特別措置法案と大体同様でありますが、特に団体の自主性を重んじ長官の承認、あるいは変更を命ずる等の規定はいたさないことにしてあります。
 第二に、財政整備計画は翌年から五年間に財政収支の均衡を回復することを目標とすることにいたしております。
 第三に、財政整備の起債は政府資金三百五十億円、公募債五十億円計四百億円としておりますが、公募債は昭和三十年度以降すみやかに政府資金に切りかえることにしました。
 第四に、国は財政整備債に対し年六分五厘の利子補給を行うことにし、政府資金による整備債は三年据え置き、自後十年間に元利償還することにしてあります。
 第五に、財政整備団体に対する政府の干渉を排し、自治庁長官の監査及び必要な勧告、必要な報告の提出の義務だけを提出いたしました。
 第六に、財政整備団体の議会及び行政委員会等の組織運営には特別の制限を加えないようにしました。
 第七、国及び他の地方公共団体に対する法令に基かない寄付金、負担金等の制限については、別に地方財政法一部改正法案を提出し、これに譲ることにいたしたのであります。
 以上内容の概要を御説明申し上げましたが、本案はあらゆる点から見て政府案と比較にならぬ優秀な案であり、本法案の措置によってのみ地方財政の合理的再建が期待されるものと信じておりますので、何とぞすみやかに御審議御決定をいただくよう希望する次第であります。

発言情報

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発言者: 北山愛郎

speaker_id: 29660

日付: 1955-07-23

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会